読者は覚えているだろうか? 覚えていないと思うので早めに言うと昨年末、私は『ケンタッキー』と『世界の山ちゃん』のクリスマスバーレル食べ比べを敢行した。結果はその時の記事をご覧いただくとして、最終的に手元には大量の骨が残った。

大量の骨を目の当たりにした私は、ふと「ケンタッキーの骨で作るスープがウマい」という話を思い出していた。ネットを中心にかつて話題になったアレンジレシピである。ならばやるしかないだろう……ケンタと山ちゃんの骨スープ飲み比べを!!!

・異なる2つの骨

こちらがケンタの骨で……

こっちの黒いのが山ちゃんの骨。一目瞭然である。

山ちゃんの手羽先から身を剥がすのは結構難しく、先っちょ部分の皮はかなり残ってしまっている状態だ。「身が多いぶん、山ちゃんが若干有利かな?」素人考えでは、そんな気がしなくもない。

250グラムの骨に水500mlを入れて検証開始。山ちゃんのほうが量が多く見えるが、どちらもキッチリ同量である。

5分経過。


すでにスープっぽい色してる!


20分経過。


いったん味見してみよう。



ケンタうめぇぇええええ!!!!!!


え、ケンタの骨スープってこんなにウマいの!?!? チキンそのものよりウマい説までワンチャン浮上しているのでは!? これで何か商売ができないものだろうか? それはさすがに捕まりますかね? とか考えちゃうくらいウマい。



いっぽう、山ちゃんはというと……

“若干味がついた湯” であった。まるで勝負になっていない。


・追い煮してみた

煮込みが足りていない可能性が高いので、さらに20分(トータル40分)加熱することに。

水分量が半分以下になってしまったけれど……

う〜む、うまい! 山ちゃんサイドもようやくケンタと勝負ができるレベルにまで煮詰まってくれた。個人的な好みとして「うまみ」はケンタが圧倒的だが、「コショウ大好きっ子」の観点からすると山ちゃんを贔屓したい気持ちがある。こりゃ同じチキンでも完全な別モノ……!



・割れる意見

ってことで “出来上がったスープを(正体を伏せたうえで)編集部の面々に飲ませる” というありがちな流れに移行したい。

茶色いのが山ちゃん、黄色いのがケンタだ。念のため。


砂子間「ちょっと味が薄いけど、黄色いほう(ケンタ)が好みです。ただ、僕は辛いものが苦手なので……茶色いほう(山ちゃん)はかなりコショウ辛い。辛すぎてよく分からない」



御花畑「どっちも味が薄いけど……しいて言えば黄色いほう(ケンタ)が塩分が強めでおいしいかな。でも、いいダシは出てるから、これでカレーとか作ったらスゴイのができそう」



サンジュン「う〜〜〜ん。一瞬うまみはあるけど、どっちも味が薄くてコクがない。よって選びようがない。これ『味の素』入れたらだいぶ変わると思うよ」


・やはり割れる意見

え〜……? 私はおいしいと思うんだけど……全員に「味が薄い」という感想を抱かせてしまったようだ。

ここへきてようやくインターネットで調べたところ、『ケンタの骨スープ』は醤油、塩、中華スープだし、コンソメなどで味を調節するのが一般的らしいことが判明。やや不本意ながら、醤油と味の素を少しだけ加えてみることにした。


すると……



死ぬかと思うほどウマくなった!!!!


骨スープ・改をあらためて試飲してもらったところ、全員が「さっきより格段によくなった」と証言。ほんの少しだけアレンジを加えることが、骨スープの実力を最大限に引き出すコツであるようだ。

ケンタのほうが好みだというサンジュン記者からは「ウマいけど大量には飲めないので、野菜を入れるなどすればいいのでは?」とアドバイスが。対して山ちゃんのほうが好みだという御花畑記者いわく「コショウ好きなら絶対こっち」とのこと。ニュアンスとしては “ケンタがとんこつラーメン、山ちゃんは醤油ラーメン” って感じ。

なお大のコショウ好きの私も、僅差で山ちゃんのほうが好みだった。が……これはマジ好みによる。あまり知られていないけど山ちゃんの手羽先は全店舗でテイクアウト可能なので、骨を入手した際はぜひスープづくりにチャレンジしてみてほしい。骨を煮るだけの簡単なお仕事です!

執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.

▼完全に役目を終えた手羽先