
ジャンボ! ケニアのポテト評論家・チャオスです。本業はタクシー運転手なので、街中をグルグルと走りながら、いろんな店を発見できちゃうんだよね。
今回発見したポテト屋さんは、ナイロビ市内中心部にある「チクシー ファーストフード、チキン アンド チップス(chicksy fast food, chicken and chips)」。
この店の入り口には、たくさんの人がヒマそうに “ぶらぶら” していた。そして店の入り口の写真を撮ろうとしたその瞬間!
“ぶらぶらしている人たち” が、私を見ながら近寄ってきて、おもむろに私のスマホを盗もうとしてきたではないか!!! 必死に抵抗する私。なんだ、なんなんだ!
しかし、お店のスタッフがすっ飛んできて私を助けてくれた。そしてお店の人は盗人たちに「この人は、私の店のお客だよ!」と叫び、“ぶらぶらしている人たち” は、また店のまわりを “ぶらぶら” し始めた。
正直、私は、とても怖くなった。
どいういう状況なんだこれ。店の前には大勢のヒマそうなカッパライがいて。店の人が一喝したらすごすごと退散し……。間違っても日本人観光客を連れてきてはダメな場所だ。だって、ケニア人の私ですら怖いのだから。
そしてそのまま店の中に入ると、さきほどのスタッフが忠告してくれた。いわく、
「店の周りをブラブラしている人たちは、たいてい盗人。スマホだけでなく、財布とかも盗むので注意しなければならない。しかしながら、最も被害が多いのはスマホだから、本当に気をつけて」
──ということなので、日本人の皆さんも、ケニアの治安の悪い場所でスマホを取り出すのは要注意だよ。
ちなみにこの店、定期的に「ジリリリ!」というベルが鳴る。なにごとかと観察すると、スタッフがベルを鳴らしているのがわかった。何の合図なのかを聞いてみると……
「店の中でポテトを食べているお客さんたちに注意喚起するためのベルよ。カッパライがスマホなりを盗もうとしている素振りを感じた時、このベルを鳴らすの」
店の中にいても、外で待機してる盗人たちが攻めてくるんかい! 安全地帯じゃないんかい! と、その時、まさにジリリリ! とベルが鳴った!
が!
なんと、この時のベルは「誰かが冗談で鳴らしたイタズラの注意喚起のベル」だった……。愉快犯は、ピリッと警戒ムードになった店内の客を見て笑っていた。なので、お客さんたちは常にソワソワ、じっとしていられない。
もうこの時点で治安は最悪。なんならアフリカ最大級のスラム街「キベラスラム」にあるポテト屋さんよりも治安的には崩壊しているのでは……と思うほど無法地帯の店だった。
やがてポテトがやってきた。しかし、「店内で食べる」と言ったのに、皿に盛られているのではなく、単なる紙の上にポテトがぶちまけられていた。
そこで私はスタッフに聞いた。「なぜ、皿ではなく紙なんだい?」と。するとスタッフはこう答えた。
「ポテトを皿で出していた時期もあったけど、皿が割れると交換のためにスタッフたちの給料がカットされるので、紙で出すシステムに変更した」と。
労働環境も過去最悪だなオイ!
しかし、こんな店のポテトが意外とウマかったりする……と思いきや!
ポテトはクサくて、
味もせず!
なんなんだこのポテトは……。はっきり言って評価的には「完全に超まずい」であり、なんと、その場にいた客の全員がポテトについて文句を言っていた。なんだかよくわからない一体感。
にもかかわらず、ポテトの価格は一丁前に100ケニアシリング(約117円)。こんなマズいポテトに100kesも出したくない……と思いつつも、腹が減っていた私は、ポテトを少しずつ、少しずつ、食べ続けた。でも限界がやってきたので、
私はスタッフに「ファンタひとつ」と注文した。なにせ吐きそうになっていたので。そしてファンタでクソマズポテトを流し込んだ。
泣きそうになりながらポテトをファンタで流し込む私を見て、私を最初に助けてくれたスタッフが声をかけてくれた。
「このポテトを作ったシェフは、とてもお腹が空いていたと思う。だから、適当な調理になってしまった。しかし彼は、お客さんから『なぜこんなにマズいのか!』と質問されていても落ち着いて無言を貫いている。話をしたり、対応することすら面倒なのだろう」
──なんのなぐさめにもなっていない情報を聞かされた私は、本当に泣きそうになっていた。最近は観光客も増えていきているけど、日本の皆さんには「ケニア人ですら近寄ってはいけないポテト屋さんがある」ということを覚えていてほしい。クワヘリ!
執筆:チャオス(カンバ族)
超訳:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.
▼スタッフに対し「ポテトがまずい」とのクレームが連発!
▼リクエストボックスに質問などを送ってもらえるとチャオス喜びます。よろしくお願いします!
チャオス








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