
看板を見たことはあるけど行ったことはないお店。それが私の中での「来来亭(らいらいてい)」だった。
車を運転している時によく目に入ったことから、なんとなくロードサイドにあるイメージ。しかし、少し遠方への取材後にGoogleマップを眺めていると、なんと駅から徒歩2分で行ける店舗があった。
ということで、人生初の来来亭。東川口店に行ってみた〜。
通されたのはカウンター。タッチパネルが目の前にあり、店員さんと接することなく注文することができるもよう。
キムチチャーハン(700円)も気になるが、やはり最初はお手並み拝見のノーマル「チャーハン」(税込600円)を攻めるべきだろう。
水を飲みつつ、目を閉じながら耳を澄ます。
それはまるで「名曲喫茶」でBGMと共にコーヒーサイフォンのポコポコ音も楽しむがごとく、私は厨房から聞こえる「カンカン音」を堪能しようとしていた。
ところが!
聞こえてきたのは機械的なシャカシャカ音。「シュー、シャカ、シュー、シャカ」。一定のリズムでシューシャカしている。洗濯機っぽい音でもある。
ふと気になって、トイレに行ったついでに厨房を覗いてみた。すると、鍋が回転していた。ドラム式ではなく、コーヒーカップ的に鍋が回転しているのだ。もしかしてシューシャカの元はこれか? ロボシェフっぽくも見える。
そして店員さんが、シャッシャとシャモジ的な器具で鍋の中の料理をお皿によそっている。威勢よく「はいよー!」なんて言ったりもしている。チラっと見えたが、それはチャーハンっぽい外見。
そしてそれは、そのまま私のカンター席に運ばれてきて……
着飯(ちゃくはん)。
超・こんがり茶色!!!!!
なんとも思い切った茶色のチャーハン。これはもう「しょうゆ先行チャーハン」であることは明白。当連載初の「茶色い醤油チャーハン」なのでは? ある意味では「ヤキメシ」とも言えるコレ系のチャーハン、何気に私は大好きだ。
具は、卵、ネギ、そしてチャーシューのシンプル構成。食べてみると……
予想外にウマイ! 予想通り、かなり醤油系のチャーハンなのだが、思った以上に完成度が高い。
さらに、そのチャーハンの存在感を際立たせるのが、このスープ。ワカメの入ってないワカメスープのような、白ゴマたくさんのスープなのだが……
“チャーハン式ねこまんま” にピッタリなのだ! もしや、“そう食べてくれ” というチューニングなのか?
この濃い濃いの醤油チャーハンを、ワカメスープっぽいスープと合わせると、もう個性と個性のぶつかりあい。百戦錬磨の漫才師のような相性の良さを感じる。
正直、一瞬は「なんだ、炒飯マシン作か……」とナメた気持ちでいた私がいる。しかし、そこに「強烈な個性」を入れることにより、マシン作であることなんてどうでもよくなってくる。
完全に予想を裏切ってきた。いや、予想をはるかに超えてきた。「こういう(炒飯マシンの)使い方もあるのか……」と私は深く感動してしまった。
そして……
お会計時、あまりの感動に店員さんに、思わず「チャーハン、ものすごく美味しかったです!」と言ってしまった。思いが溢れすぎて漏れてしまった……に近い。
すると店員さんは「ありがとうございます」とニコリと笑い、とびきりのスクープ情報を教えてくれたのであった。
なんでも、前までは手振り(手作り)のチャーハンだったが、2024年7月5日からリニューアルして、炒飯マシンを導入したとのこと!!!!!
なにぶん人生初の来来亭だったので、「前までの手振りチャーハン」の味は未知なのだが、リニューアル後の「マシン炒飯」への方向転換は成功しているのではと私は思った。マシン炒飯でここまで感動したのは人生初かも。
手振り(手作り)には「念」が入ると私は強く信じている。
だが来来亭のマシン炒飯は、「マシン用にどうチューニングするか」という、研究に研究を重ねた末の研究結果にも似た「念」が入っていた。
モノは使いよう。そこには確かに「念」があった。
GO羽鳥











【チェーンのチャーハン行脚】第17回:天下一品のチャーハンが劇的な進化を遂げた! 以前のと比べてみると…
【チェーンのチャーハン行脚】第15回:中国ラーメン揚州商人の「揚州炒飯」は完全に「中国チャーハン」だった
【チェーンのチャーハン行脚】第20回:ららぽフードコート内「久留米ラーメン 清陽軒」にて『焼きめし』を食す
【チェーンのチャーハン行脚】第19回:元祖泡系「博多一幸舎」のチャーハンは、意外な具の存在感が際立っていた
【チェーンのチャーハン行脚】第18回:ミスタードーナツのチャーハンを食べてみた結果 → ドーナツを買った
【中国渡航自粛】今なら「一蘭」に並ばず入れるのではないか? いつも中国人で大行列の新宿中央東口店に行ってみた結果…
【24時間営業】今どき500円!『秋葉原ラーメンセンター』の醤油ラーメンが始まったので食べてみた
【4コマ】魔王軍はホワイト企業 1829話目「勇者アルティ㉕」
【立ち食いそば放浪記373】JR中央線本線に隠された秘密 / 立川名物として知られる「おでんそば」は、奥地に行くと強くなる
【本日発売】「ローソンの福袋」(2160円)があまりにパンパンに詰まってて、持って帰るのちょっと恥ずい
中国「渡航自粛要請」から2週間が経った京都市内「祇園」「清水寺」「錦市場」の様子を見に行ってみた
中国の「渡航自粛勧告」から2週間、現在の「奈良公園」で目の当たりにした意外な光景
【中国渡航自粛】ガチ中華だらけの上野・アメ横に行ってみたら → 取材拒否の連続に…
【納得】ガストの「ジョブチューンで唯一不合格だった」メニューを食べてみた → 不合格にする気持ちがわかった
中国「渡航自粛勧告」から1週間経った、東京・浅草を見に行ってみた
【検証】10年間ほぼ毎日飲んでる「コーヒー」を1週間断ってみたらこうだった
【は?】楽天で見つけた「在庫処分セール半額おせち」を買ってみた結果 → 届いた数日後にブチギレかけた
【雑草対策】カインズで598円「撒くだけで防草できる人工砂」の効果がヤバ過ぎた / お財布にも環境にも優しい超画期的アイテム
【検証】「スタバはどのサイズを頼んでも量は一緒」という動画が出回る → 実際に試してみた
【事故】楽天で買った『訳ありB級フルーツ福袋』を開封した翌日、妻から信じられないLINEが来た「メロンが…」
【チェーンのチャーハン行脚】第12回:私は見た。幸楽苑のチャーハンが過去最安370円(税込)で出せる理由を
【チェーンのチャーハン行脚】第22回:これを食べるためだけに仙台へ…。『中嘉屋食堂 麺飯甜(ミンパンティン)』のエビチャーハンに感じた “うそ”
【チェーンのチャーハン行脚】第14回:埼玉に「珍来」あり! あまりのハイレベルさに悟りが開きそうになった…
【チェーンのチャーハン行脚】第21回:福岡旅最終日は『餃子のテムジン』で茶道のごとき「やきめし」の施し
【チェーンのチャーハン行脚】第11回:地球最後の中華東秀にて、何を思う。「チャーハン(スープ付)」539円
【チェーンのチャーハン行脚】第9回:中華ファミレス「バーミヤン」のチャーハン(598円)で見えた国は…
【チェーンのチャーハン行脚】第10回:紅虎餃子房で一番安い「玉子レタスチャーハン」(968円)で泣いた
【チェーンのチャーハン行脚】第7回:満を持して「餃子の王将」登場 / 初体験の「炒飯」(627円)を食した感想
【チェーンのチャーハン行脚】第13回:知らなかった。あの一風堂で博多チャーハン(650円)が食べられるなんて
【チェーンのチャーハン行脚】第5回:れんげ食堂Toshuのチャーハン(539円)でエモい気持ちになった