1月18日・19日、大学入学共通テスト(旧 センター試験)が実施された。「試験」「受験」といったワードを聞くと、約20年たった今でもキリリッ……と胃が痛みますよね。受験生のみなさん、ホンマにお疲れ様です。

さて、今日はその大学入学共通テストの問題と解答が新聞に掲載される日。私には1ミリも関係ないが、一応「解けるかな?」みたいなノリで読売新聞をのぞいてみた。すると……

「おとなが解くテスト」とやらが同時掲載されている。これ何……?

・おとなだってテストしたい

「みなさんと一緒に考えたい 医療と健康保険の問題です」と太めのフォントで書かれた試験問題風のヤツ。これは試験問題速報にタイミングをあわせた(?)『けんぽれん(健康保険組合連合会)』の広告らしい。



この広告を独自の解釈で要約すると「受験生の皆さんが大学入学共通テストを頑張ったのだから、大人だってテストに挑戦してみてはどう?」って感じだ(たぶん)。「医療と健康保険の問題」か。なんか難しそうだな。

難しそうなのでいったん当サイトの佐藤記者と古沢記者に挑戦させてみることにした。意外とまんざらでもない様子の2人。実は大人も「たまにはテストを受けたい」と思っているのだろうか?


それじゃ、始めてくださ〜い!


・医療と健康保険の問題ムズすぎ問題


試験開始の合図とともに、勢いよく鉛筆を……



走らせない2人。



佐藤「え……? コレ難しくない?」



古沢「全く分からないんですけど……」


当サイトの威信に関わるポンコツぶりを露呈してみせた佐藤・古沢両記者。「次の空欄に入る数字と言葉を埋めてください」とのこと。せめて1問目くらい何とかなりませんか?


第1問「日本全体の医療費のうち、約⬜︎割が75歳以上の高齢者の医療費です」


……あ、コレは私も分かんないヤツ。


「ワケ分かんねぇ」とか独りごとを言いつつも、カリカリと用紙を埋めていく佐藤記者。近年は高齢化や医療の高度化・高額化など様々な要因による医療費の増大が社会問題になっている。

さらに少子化に伴う現役世代の減少もあいまって、今後、健康保険制度が深刻な財政危機に陥ると危惧されているようだ。日本はどうなってしまうんでしょう……?


佐藤「終わったぞ」


わずか5分で問題を解き終えた佐藤記者。実は2025年は俗に『団塊の世代』(第1次ベビーブーム世代)と呼ばれる人たちが全て後期高齢者(75歳)になる年である。『団塊ジュニア世代』の佐藤記者も、日ごろから危機意識を抱えていたのかもしれない。知らんけど。


・明暗分かれる

そんなことより、本物のポンコツだったのは古沢記者。

この若さにしてこのスピード感のなさは、ちょっと将来が心配になってくるレベルである。分からなくても、とりあえず空欄を埋めるしかないじゃない? ねぇアンタ、しっかりしなさいよ〜。


15分後……



ここまでくると、もはや人間性の問題な気がしてきた。


先ほど健康保険制度の危機についてお伝えしたが、たとえば「給与明細をもらっても保険料を確認しない」など、 “健康保険制度に無関心な層が多い”のでは? それが我が国の現状である。

まずは日本の状況を知り、医療費のしくみや健康保険制度などが身近なテーマであることを認識してほしい……というのが、今回の広告の趣旨なんですね。ためになるね〜。

……はい! ってことでようやく答え合わせ、いってみよ〜!


・ヤバすぎる日本の現状

こちらが佐藤記者の回答。

こっちは古沢記者。

先ほどご紹介した第1問「日本全体の医療費のうち、75歳以上の高齢者の占める割合」であるが、正解は……「4割」

ともに「6割」と回答した両記者、言うまでもなく不正解である。ちなみに日本の総人口に占める75歳以上の割合は約16%とされるぞ。覚えておこう。

つづいての問題は「現在の日本の医療費は毎年 ⬜︎ 円規模で増加している」。佐藤記者の回答が「500億」で、古沢記者の回答は「1000」。まだ正解を確認する前だが、古沢君、お前マジしっかりしろ。正解は「1兆」自分の将来が不安になってきた。


・知ることに意味がある

最終的に、佐藤記者と古沢記者はともに7問中2問正解という結果に終わった。

知識のなさを露呈はしたものの、どこか晴々しい表情の両記者。医療をめぐる我が国の深刻な状況は、国民全員が知らなきゃいけないのにあまり知られていないこと。それを知っただけでも、2人とも「中の上」くらいにレベルアップしたんじゃない? 私はそう思うなぁ。

日本の医療費のしくみや健康保険制度、エグすぎる医療費の増大っぷりなどを把握すると「自分の健康は自分で守らねば」って気持ちになってくる。それこそが最近よく聞く「セルフメディケーション」なのである。


……といった気づきを得つつ、受験生時代に思いも馳せることができる今日の読売新聞。みんなもゲットして問題に挑戦してみてほしい。そして、自身の健康についても意識を高め、責任をもってほしい! それが巡り巡って最近よく聞く「セルフメディケーション」にも繋がるのであるッ(広い意味では)!!!

※2025年1月20日の日本経済新聞朝刊にも同内容の広告が掲出されています。

参考リンク:健康保険組合連合会
執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.

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