歳をとったと感じる瞬間っていろいろあるよね。

アイドルグループの見分けがつかなくなった時、よく使っている絵文字が「オジサンくさい」と言われているのを知った時、怪我の跡が消えずに残るようになった時……。

先日ドン・キホーテで「SNSで話題」「ついに入荷」と大きなポップが付いてる商品を見た時も「うわぁ、歳とったなぁ!」って感じちゃった。だってその商品のこと、話題になってることはもちろん 存在すらもまったく知らなかったんだもの!!

・ドバイチョコレート

その商品の名前は『ドバイチョコレート』。みんな、聞いたことある? 筆者はガチで見たことも聞いたこともなかった。

だから「SNSで話題」なんて嘘だろって思って調べてみたら、確かにInstagramやTikTokにたくさん画像や動画があがっていた。くぅ~~っ、世間から取り残されるおばちゃんとは私のことです!


筆者がこのドバイチョコを購入したのはドン・キホーテ。

もともと税込862円だったところ、お試し価格ということで税込646円に値下げされていた。(この期に及んで疑うのは申し訳ないが、本当に人気の商品なんだろうか?)

開封すると、手のひらに収まるサイズのチョコが1ブロックだけ入っている。

値引き前の価格だと、この小さいチョコが約900円もするというのだ。嘘でしょ~っ!?


表面はミルクチョコレートの上から緑色の模様入り、


裏面は特にガラなし。

厚さ約2cmと、ちょっとぶ厚いこと以外はなんの変哲もないチョコレートに見える。まぁ、モノはためし。めちゃめちゃ美味しいかもしれないし さっそく食べてみましょう!


・ASMRで人気の素材!?

ひと口で食べるには大きいため、まずは包丁でドバイチョコを4等分することに。

厚みに対して意外と柔らかく、刃はスッと入ったのだが……「ゴリゴリッ ボリボリッ」となにやら砕ける音がする。


断面を見ると、すぐにその理由がわかった。

ミルクチョコレートはコーティング部分だけで、内部は緑色の柔らかいペーストに、ベビースターラーメンを細くしたようなスナック菓子が混ぜ込まれているらしい。

どうやらこのスナックは「カダイフ」というトウモロコシ粉から作られる麺で、柔らかいピスタチオクリームとの食感の差を楽しむスイーツらしい。


あぁ なるほど、理解した。

ASMR、つまり咀嚼(そしゃく)音を楽しむ動画の素材にピッタリなんだな。だから可愛い女の子がチョコレートをかじっている動画が いっぱいインスタに上がってたのか……。

ここまで書いたら伝わってしまうかもしれないが、筆者はASMR動画が苦手だ。こんなことを言うとまたおばちゃんっぽいと思われるかもしれないが、人の吐息や口の中の音はなるべく聞かずに暮らしたいタイプの人間なのだ。


──とはいえ、さすがに自分の口から聞こえる「ボリボリ」に関しては問題ない。

ひとかけら手に取ってかじってみる。


「ボリ、ボリ、ボリリ!!!!」かなりの大音量でカダイフが砕ける。

口に入れた瞬間はほんのりとピスタチオの風味が広がり、ねっとりとした舌触りが強い。そこから噛むごとにカダイフの香ばしさが増し、最後は口の中でチョコが溶けると同時に音も小さくなっていく。

クリーム自体は植物油脂っぽい味が強く、生チョコレートのような濃厚さは感じられない。そして意外なことにしょっぱさもなく、香ばしさ以外は甘みが強いのかな。

嘘偽りない率直な感想を言わせてもらうならば、美味しくもマズくもない。辛辣かもしれないが、ASMR好きのためのお菓子って感じの印象である。


・原産国が○○ってマジか!

事件が起きたのは、食べ終わって原材料名を確認している時のことであった。

「カダイフはトウモロコシ粉で作るって話だったのに小麦粉の乾めん使ってるじゃん!」

そんなことを思いながらのんきに眺めていたのだが、


……ん?


んんんんんっ??!?!?

原産国名 韓国って書いてあるんですけど~~っ!?!?!?


ってか、よく見たらパッケージにも韓国語が書いてあるし!!!!

だから「ドバイチョコレート」じゃなくて「ドバイスタイルチョコレート」だったのかぁ~、うわぁ~~っ!


購入時にちゃんと見ていなかった筆者に過失があるのだが、最後の最後でまさかの真実に気が付いてしまった。

ちなみにドバイ現地のドバイチョコレートは、日本国内では滅多に手に入らない&さらに高額で1万円近くする場合もあるらしい。

今回食べたコレ、ひょっとすると本物のドバイチョコとはまったくの別物なのかもしれない。今の筆者には知る由(よし)もないが。

【完】

執筆:高木はるか
Photo:RocketNews24.

▼食べ終わったあとでさらにビックリ。1個あたり257キロカロリーもあるらしい!