この福袋を私(あひるねこ)は1月1日にわざわざ出社して開封したが、一旦見なかったことしてそのまま放置した。それくらい書きたくなかったのである。なんか新年から縁起が悪いなって。
ヴィレッジヴァンガードの店舗限定「レインボー福袋」(税込3850円)からは、感情らしい感情は何も読み取ることができない。そこに広がっているのは文字通り七色の虚無。それだけだった。
・店舗限定福袋
2025年のヴィレヴァン福袋は全11種類。そのうち3種類はオンライン販売されておらず、店舗に行かないと購入できない。
本稿の主役「レインボー福袋」も、先輩記者のサンジュンが元旦に渋谷本店で買ってきたものだ。新年から余計なことをするな。
袋をよく見てみると、「お宝さがし福袋2025」という実に不穏な文字が記載されている。なんでも実際に店頭に並んでいた珍品・名品が入っているらしい。そのため、傷や汚れがあるかもしれないと……。
なるほど、要は売れ残りの精鋭をブチ込んだわけだな。まさに厳選されし敗者。逆M-1決勝戦。ヴィレヴァンという蟲毒(こどく)から生み落とされた虚無の申し子が……これだ!
・ヴィレヴァン レインボー福袋(3850円)の中身
・ポップコーンメーカー
・ポケットモンスターぬいぐるみ ミュウツー
・トイ・ストーリー4ぬいぐるみS バニー
・おさるのジョージ スタッキングマグ スター
・FILA アクティブロングタオル
・ツイステッドワンダーランド メタルカードコレクション3 パックver.
・クルリトデイリーバッグ
・ミッフィー レッスンバッグ
※福袋なので中身が異なる場合があります。
・終末の福袋
商品名だけ見るとそこまで悪くないような印象を受けるが、実際に手に取るとよく分かる。この福袋は中身のひとつひとつが瀕死。あるいはすでに死んでいるのだ。こちらの新品タオルをご覧いただきたい。
木曜のリーマンのくたびれ方である。
一体どれだけ店頭に放置されてきたのか? 歴戦の売れ残りオーラが尋常ではない。これは人気作品のぬいぐるみにおいても同様だった。
ポケモンのミュウツーと……
トイ・ストーリー4のバニー。
お前らフリマ帰りか?
・限りなく中古
経年劣化に次ぐ経年劣化。こんなフレッシュさの欠片もない新品のぬいぐるみは初めて見た気がする。すでに役目を終えた顔というか、ミュウツーに至っては自分がミュウツーであることさえ忘却していそうだ。首かしげすぎだろ。
この並びの中だと、いつもは可愛いミッフィーちゃんさえも虚無の化身にしか見えなくなってくる。え、あなたそんな真顔でしたっけ? なんかこえーよ! すべての感情をヴィレヴァンに置いてきたのかよう。
一通り商品をチェックした後、ふと自分の手を見ると、指先がやや黒ずんでいた。ブックオフかよ……! 100円コーナーで立ち読みした後かと思ったぞ。というワケで……
以上が私のお正月である。
・激務すぎる
福袋界を代表するゴミとして名高いヴィレヴァン福袋だが、この「レインボー福袋」はゴミというよりは圧倒的に虚無。あるいは虚空、虚脱、空虚、虚(うつ)ろといった言葉の方が相応しいだろう。
ヴィレヴァンに言いたい。こんなもん売るなと──。
私は元日に1時間以上かけて編集部まで行き、この虚無袋を開封し、信じられないくらい真顔になった後、また1時間以上かけて帰宅した。親愛なる読者諸君よ、これがロケットニュースだ。
本年もどうかよろしくお願い申し上げます。
参考リンク:ヴィレヴァン福袋2025
執筆:あひるねこ
Photo:RocketNews24.
▼ポップコーンメーカー
▼おさるのジョージ スタッキングマグ
▼ツイステッドワンダーランド メタルカードコレクション3 パックver.
▼クルリトデイリーバッグ