日本中の美味いものを集めた伊勢丹新宿の地下食料品売り場の福袋は毎年争奪戦である。

「残り物には福がある」とは昔からよく言われるが、果たしてそれは真実なのか? 

2023年2024年に引き続き2025年も初売りの1月2日に閉店30分前の伊勢丹の地下で残っている福袋を買うことにしたのだが……。

なんと今年売れ残っていた福袋はたったの1つだった!!

・どこを見ても何もねえ

天下の伊勢丹、初売とあって地下食料品売場は人・人・人で大混雑。高級ブランドの大きなショッパーを持った人たちが歩いていて、不景気を感じさせない光景である。

お菓子コーナーから惣菜コーナー、野菜売り場に魚売り場、酒コーナーまでくまなく歩いたのだが福袋の気配、全く無し。

残り物福袋企画も今年で3年目。だいたい福袋売れ残りエリアは分かってきているのだが……。

頼みの綱だった海苔や佃煮エリアにも福袋が残ってない!! まじかよ……!


それどころか定価の商品やお年賀の食べ物が飛ぶように売れていっている。惣菜コーナーなどは通常商品すら売り切れてるショーケースも多い。


今年は巳年。ヘビのようなしつこさこそが重要と思い、地下を隅から隅まで歩いていてようやくひとつだけ、福袋を発見できた……!



・これがラス1の福袋だ!


ナヴァラサ お楽しみ袋 ダージリンセット 10800円


残り物福袋記事の熱心な読者なら気づいたかもしれない……。

そう、この福袋、去年(2024年)も売れ残っていた福袋なのである。


去年、紅茶専門店ナヴァラサでは5400円と10800円の福袋が売れ残っており、高いから買えなかった1万円の福袋が今年も売れ残っていたという奇跡。


私達は、どんなに輪廻転生を繰り返しても必ず巡り合う運命(さだめ)なのか──


紅茶が好きで、なかでも甘い香りのダージリンが一番好きな私がダージリンティー専門の福袋を手にしたのだから、残り物には福があったといえよう。

本当は他にも福袋があったんじゃないかと疑われそうだが、本当にこれしか残ってなかった。



・というわけで中身紹介

福袋に入っているのはダージリンティーばかり5種類。

・ダージリン2024 1stフラッシュ ロヒニ農園 ワンダー EX-18 (25g / 4860円)
・ダージリン2024 1stフラッシュ  マーガレッツホープ農園 ホワイトシャイニーデライト (25g / 4050円)
・ダージリン2024 2ndフラッシュ タルボ農園 マスカテルDJ-209 (40g / 3780円)
・ダージリン2024 2ndフラッシュ キャッスルトン農園 マスカテル DJ-238 (40g / 約6400円)
・ダージリン2023 オータムナル シンブリ農園 チャイナ DJ-369 (40g / 2160円)

合計 2万1250円



紅茶にもいろいろ種類があるけれど、インドのダージリンはその中でも最高峰の産地で高価なことで知られる。そして茶葉を摘んだ季節によって味わいが変わる

春に摘んだ1stフラッシュは花のように爽やかな風味、夏に摘んだ2ndフラッシュはマスカットにも例えられる芳醇な香り、秋に摘んだオータムナルはコクのある甘い風味……という感じ。

で、よりマニアックになっていくと、農園ごとにも味わいの個性が出てくるため、最高峰の茶葉を飲み比べができる福袋なのだ。

ナヴァラサのこの福袋はダージリンばっかり5種類も入っていて、1万円もするわけだから、かなりツウ向けの内容といえるだろう。

40gで6400円もする茶葉なんて自分では絶対に買わないのでありがたいことこの上なし。

もしかして私を待っていてくれたのかもしれない……と思うことにする。


・実はすごいブランド

しかし、紅茶ファンであってもNAVARASA(ナヴァラサ)という紅茶ブランドは聞いたことがない人がほとんどだと思う。それもそのはず。

銀座にあるリーフルダージリンハウスという高級紅茶専門店の伊勢丹限定ブランドで、直営店が伊勢丹にしか無いのだ。質の高さは折り紙つきである。

最近は紅茶ブームで高級な紅茶の福袋もバンバン売り切れる時代。残り物としてゲットできたのはラッキーだったが、毎年売れ残ってると来年はなくなってしまうんじゃないかと、少し不安である。


執筆:御花畑マリコ
Photo:RocketNews24.