ロケットニュース24

【中国へ行きたい君へ】「中国で現金は使えない?」「外国人でもモバイル決済できる?」… 答えは “半分ホントで半分ウソ” だよ!

2日前

11月30日、中国が日本人への短期滞在ビザの免除措置を再開した。コロナ禍以降、約4年半ぶりのことである。先日、私が苦労して短期滞在ビザを取得した記事はよく言えば歴史的資料、悪く言えば価値ゼロの情報となったワケだ。

ま、なんであれビザなしで中国へ行けるようになったのは超嬉しい。「上海ディズニー行っちゃおっかな?」とか考えている無邪気層も多いと思うが、同時に「ここ数年で中国のキャッシュレス化がエグいことになった」という噂に戦々恐々としてもいるだろう。

結論から言うと、中国のキャッシュレス化はエグいことになっている。そして、素人には少し難しい部分もある。が……コツを掴めば恐るることはありません! 本記事を読めばオールOKです!!!

・時代は変わった

私のロケットニュースデビュー記事(2018年)は中国でアリペイを使う方法についてまとめたものだった。当時の私は中国にハマって年間4〜5回渡航していたが、コロナの影響で久々に訪れたのが今年6月。


約5年間塩漬けになっていた私のアリペイ残高1283元(約2万6500円)は、幸い無傷のまま残っていた。ちなみに日本国内でも「アリペイ使えます」という店が増えているが、あれは中国人限定。中国人以外のアリペイは別仕様のため使えないぞ。

2018年の段階でアリペイは「中国の銀行口座を持っていないとチャージできない=使えない」システムだった。日本人観光客が中国に銀行口座を開設するのはほぼ無理ゲー。私は「中国人の友人に現金を渡し、それをアリペイ上で送金してもらう」というチート技で無理矢理アリペイを使っていた。



それが昨年、アリペイならびに競合のWeChatペイは「海外クレジットカードとの連携」ができる仕様にアップデートされた。連携の操作は若干ややこしいので、日本を出発する前に済ませておくのがオススメ。アプリを開いて「收付款」をタップすると……



「クレカ」「チャージ残高」「銀行口座」のどれで決済を行うか? を選択することができる。ここで「クレカ」にチェックを入れておけば、支払いのたびに登録しておいたクレカから自動的に決済される仕組み。なにこれ最高? 中国エグ・キャッシュレス化問題も無事解決だ!



・と、思ったら……!

そんなこんなで爆買い中国旅を楽しんでいた私だが、数日後、とんでもないことに気づいた。


1283元あったはずのチャージ額が、半分以下にまで減っている……!!!!


何の話をしているか分からなくなってきた読者のために、日本でメジャーな『PayPay』に例えてみよう。PayPayで支払いをするとき「クレカ引き落とし」か「PayPay残高を使う(人から送金されたもの、自分で定額をチャージしたもの等)」かを選ぶ。これは分かりますよね?

そのPayPay残高に相当する貴重なチャージ残高(友人に送金してもらったヤツ)が、いつのまにか減っていた、という話だ。クレカ引き落としに固定にしていたハズなのに、一体なぜ……?


慌てて履歴を調べたところ、どうやら「何かしらの理由でクレジットカードが使えない店で支払いをした場合、自動的にチャージ残高から決済される仕組み」である模様。なおプラスになっている500元は友人に現金を渡し送金してもらったチートぶん。

まぁ中国旅行に際して現地在住の友人がいるパターンも珍しいだろうから、多くの旅行者の場合、そもそもの残高がゼロだろう。クレカが紐付けできるようになったのは大きな進歩だが、中国に銀行口座を持たない外国人にとって、残高チャージには依然として大きな壁が立ち塞がっているのだった。

では “アリペイ+クレカ” 決済ができない店に遭遇し残高も無い場合、一体どうすればいいのか?


答えは当然っちゃ当然だが「現金で支払えばいい」のである。



・「中国現金使えない」の真相

コロナ禍で中国への入国が事実上不可能だったころ、日本では「中国ではもう現金が使えないらしい」「現金を使おうとすると受け取り拒否されるらしい」といった噂がしきりに囁かれていた。

私は今回の中国旅で “友人にアリペイへ送金してもらう” 以外の用途に現金を使わなかったためよく分からないのだが、中国人の友人いわく「たしかに現金を使おうとすると嫌がられることがある」とのこと。

しかしながら友人は「現金を拒否することは法律で禁止されているので、嫌がられても臆することなく現金で支払えばいい」と語った。

実際に私は中東系旅行者とみられる男性が現金の受け取りを拒否されている場面に遭遇したのだが、男性がブチギレて店員を怒鳴りつけた結果、最終的に店側は現金での支払いに応じていた。日本人にはややハードルが高いけど、最悪ブチギレれば何とかなるということ。

モバイルオーダーが主流なうえレジそのものが設置されていない店も多く、旅行者は会計のたびにドキドキを強いられることになる中国のお会計。「アリペイにクレカを紐付けのうえ、現金もタップリ用意しておく」……結論として、これ以外に方法はない。でも慣れれば大丈夫だよ!


・そう、慣れればね!

ちなみに私が中国へ入国後、初めてアリペイを使ったのは市街地へ向かう地下鉄に乗車する際だったが、全く機械が反応せず、あやうく泡吹いて倒れるところだった。

窓口の人は英語が話せない様子。しかし必死に状況を伝えると理解してくれたようで、私のスマホをポチポチと操作し、ゲートを通過できるよう設定を変えてくださった。どうやらアリペイを交通ICとして使うには、また別の設定が必要だったらしい。

また中国国内でも、地域をまたぐと新たな設定が必要になる場合があるので注意が必要だ。たまに意味分かんなすぎて泣きそうになるが、さりとて別の手段があるわけでもない。翻訳アプリ片手に落ち着いて設定すべし。

それから、ごくまれに「WeChatペイしか使えない」という場面に遭遇することもある。その場合、個人的には「潔く諦める」ことを推奨したい。アリペイとWeChatペイ、両方を扱うのは外国人にとってハードルが高すぎる。どっちかに絞ろうぜ。

「現金だけで乗り切ることは不可能じゃないかもしれないが、かなり楽しくない旅になるかも」といった感じの様相を呈している中国旅行事情。渡航をお考えの方はくれぐれも出国前に決済アプリに関する最低限の知識を得ておいてほしい。

それでも現地で決済に困る場面は必ず訪れると思うが、中国の人は基本優しいので「困ってます」って顔をすれば助けてくれるハズだ。ピンチの時には深呼吸……これ、一番大事かも。


※ 本記事は2024年6月時点の情報です。今後状況が変化する可能性があります

参考リンク:JETRO
執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.

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