今年でブランド120周年を迎えた魔法びんのパイオニア、サーモス。
その記念のポップアップイベント「次の心地よいをつくる。THERMOS 120th Anniversary Event」が2024年10月18日から10月20日にかけての3日間、六本木ヒルズ「大屋根プラザ」にて開催されたぞ(すでに終了)。
サーモスの歴史や製品の魅力が満載とのことで、さっそく私(あひるねこ)も会場へ駆けつけた……のだが。
・サーモス120周年イベントレポ
会場の「大屋根プラザ」は、六本木ヒルズの中央に位置する半屋外のオープンスペースだ。到着すると、まず目に飛び込んできたのがこちらの特大ウォール。
サーモスがこれまで生み出してきた約120種類もの製品が展示されており、道行く人の注目を集めまくっていた。それでは順番に展示を見ていこう……と思ったその時!
「お~~~~い!」
少し遅れてやって来たのは、当サイトの編集長・GO羽鳥だ。
羽鳥は常日頃から水筒を5本も持ち歩くほどの重度の水筒マニアで、そのあまりにも特殊な生態から編集部内では “人間ドリンクバー” の異名をほしいままにしている。
かねてよりサーモス製品には絶大な信頼を寄せているとのことだが……
羽鳥「え、何このフライパン! 注ぎ口が2つ付いてる! しかも大小! 補助取っ手まで付いてるの!?」
羽鳥「サーモスにこんな商品があるの知らなかったよ! サーモスファンとして申し訳ねぇ……! 申し訳ねぇモス!!」
これは嵐の予感である。
・サーモス、その華麗なる歴史
気を取り直してさっそく羽鳥と共に会場を回っていこう。個人的にも興味深かったのがヒストリーボードの展示だ。1904年のブランド誕生以来、常に挑戦を続けてきたサーモスの120年の歩みを振り返ることができるぞ。
サーモスの輝かしい歴史については前回の記事をご覧いただきたい。過去の製品や国内外の歴代広告がたっぷりと掲載されているが……
会場では、その貴重な資料の一部が特別に公開されるという。例えばこちら。前回の記事にも登場した明治時代の魔法びんの新聞広告だ。中を覗いてみると……
なんと約120年前のボトルの実物が! 当時「驚くべき発明なる寒暖壜(びん)」と紹介されたドイツサーモス社製の魔法びんである!!
他にも、1978年に世界で初めて製品化した高真空ステンレス製魔法びん『アクト・ステンレスポット』や……
魔法びんの技術を応用した真空断熱保温調理鍋『シャトルシェフ』(1989年発売)。さらに……
業界初! 保冷専用で直接口をつけて飲む『真空断熱スポーツボトル(FBE-500)』(1998年発売)の姿も。
1999年に発売された『真空断熱ケータイマグ(JML-351F)』は、サーモスの超定番アイテムとなる『ケータイマグ』の記念すべき初代製品だ。いや~、羽鳥さん! どれもすごく貴重な資料ですね!!
え、表情こわッ!
目ぇヤバ!!
・バキバキの水筒マニア
ヒストリーボードや歴代の製品を眺めながら、興奮した様子でブツブツと独り言をつぶやく羽鳥。さっきから何かうるさいと思ったらアンタか。
他のお客さんが怖がるといけないのでグル~っと回ると……
こちらは2024年秋発売の新製品がズラリ! 会場で販売された限定アイテムの120周年アニバーサリーセット(真空断熱ケータイマグ、マイボトルカバー、ポケットバッグ)に……
最新の真空断熱ケータイマグ、真空断熱マグカップ、真空断熱スープジャーなどが並ぶ。
それだけではない。冒頭でも触れたように、実はサーモスはフライパンも充実しているのだ。サイズの大小はもちろん、取っ手の取り外しが可能だったり、深型だったりとタイプも様々(画像は既成製品)。
その隣には、なんとサーモス初の包丁まで。
そしてこちらは、前回の記事でもご紹介したアパレル小物を展開する新サブブランド「&ONDO(アンドオンド)」の商品である。
吸湿発熱効果で腰がじんわり温かい『あったかビーズクッション』!
羽鳥「いいね! 気持ちいい」
魔法びんのような保温効果の『あったかビーズウォーマー』!
羽鳥「ホントにあったかいよこれ!」
体温をキャッチして保温する『起毛であったかルームソックス ロング丈』!
羽鳥「俺も履いちゃおっかなぁ……」
ニヤリ。
サーモスが開発した保温アイテムなんて、そんなの温かくないワケがない。そのあまりの心地よさに、先ほどまで目を血走らせていた羽鳥もメロメロ状態に。
・ガチャも
気分もよくなった羽鳥は、会場内に設置してあったカプセルトイの『サーモス ミニチュアガチャコレクション』(イベント終了後の10月21日(月)より全国で順次、販売を開始しています)にチャレンジする模様。
全部で5種類あるが、ここは水筒マニアらしく『真空断熱ケータイマグ』を引きたいところだ。
さあ来い! 結果は……
『真空断熱マグカップ』でしたー。
羽鳥「もう1回やってもいい?」
よし今度こそ! 結果は……
『サーモスカー』でしたー。
こちらは1909年に全米を巡回した、魔法びんの形をした宣伝車である。詳しくは前回の記事で!
その後も「ごめん! あと1回だけ!!」と言いながらガチャり続ける羽鳥。だがしかし……
結局ケータイマグ出ねぇのかよ!
左から『デュラブルシリーズ フライパン』『真空断熱スープジャー』『真空断熱マグカップ』『サーモスカー』である。
水筒マニアなのにピンポイントでケータイマグだけ出ないとは……羽鳥よ、お前は何をしに来たんだ。
危なく羽鳥を置いて帰りかけたが、さすが人間ドリンクバー。ここで終わる男ではなかった。読者の皆さんは覚えているだろうか? イベント会場に遅れてやって来た羽鳥が……
なぜかスーツケースを持参していたことを。
・謎の荷物
会場でサーモスの社員の方を発見するや否や、待ってましたとばかりに駆け寄っていく羽鳥。何だろう……嫌な予感がする。スーツケースを開けると、中から出てきたのは……
なんと私物のサーモスコレクション……!
ケータイマグ×3、スープジャー×2、鍋、フライパン×3。以上、合計9点である。
羽鳥はこの日、サーモスの人に自身のコレクションを披露した上で、どうしても感謝の意を表したかったらしい。
気合いが入りすぎて、先ほど以上に目がバッキバキだ。
羽鳥「サーモスさん、見てください! この鍋! 私はねぇ、本当に毎日使ってるんですよ、この鍋を! 牛乳を温めるのも! 味噌汁を作るのも! 全部これだ! もう親友ですよ、親友!」
鍋の裏面を見せて使い込みぶりをアピールする羽鳥。
羽鳥「私は、こういう毎日使う調理器具こそ! 親友みたいな調理器具こそ! サーモスのように上質で優れた製品を使いたいと思ってるんです! いや、使わなきゃいけないんだ!! なぜかって?」
羽鳥「だってその方が気持ちがいいじゃないですか!」
羽鳥「ねえ!? そうでしょう!?」
「……(笑)」
──こんなに分かりやすく戸惑う大人を見たことがあるだろうか? これこそ真実の表情であり、万の言葉を尽くすよりも現場の空気を雄弁に物語っている。
私も撮影者として、ピューリッツァー賞の受賞を視野に入れなければならないが、しかし羽鳥に止まる気配はない。
羽鳥「私はいつも水筒を5本持ち歩いてまして、このサーモスの600mlの真空断熱ケータイマグ『JON-600 DGY』には、いつも上の方までギチギチに氷を入れて、なみなみと水を注いでいます。つまりはキンキンの氷水ですね。ええ」
羽鳥「で、それをいつ飲むのかといえば、キックボクシングの朝練の後に飲むワケです。そうそう。私ね、キックボクシングをやってるんですよ。いいですよ~キックは。疲れ果てた肉体に! キンキンの氷水!! くぅ~~~~~!」
羽鳥「ウメェんだこれが……!」
──ちょっと何を言っているのか分からないが、バキバキの眼(まなこ)でサーモスへの愛と信頼をまくし立てるおっさんの姿は異様そのもの。私がその場からマッハで逃亡したのも当然と言えるだろう。
あの時、あの瞬間。六本木ヒルズは間違いなく揺れていた。
・解けない魔法
1904年、ドイツで生まれたサーモスの魔法は海を越え、ここ日本にも飛来した。数々の革新的な製品と共にその光は輝きを増し、誕生から120年が経った今もなお、私の上司を含む多くのファンを魅了し続けている。
サーモスが日々の暮らしの中に “心地よさ” を提供する限り。そして挑戦することを諦めない限り。羽鳥にかかった魔法は解けない……のかもしれない。
参考リンク:サーモス120周年 スペシャルサイト
執筆:あひるねこ
Photo:RocketNews24.
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