チーズケーキって多種多様だ。

そもそもベイクドとレアの2種類があるし、その中でもコッテリ重めのものからフワフワエアリーなものまで幅広い。取り扱っている店もコンビニ・ケーキ屋・喫茶店など比較的多いメジャーケーキだ。あぁ、どんなチーズケーキだって愛している!

……そんなチーズケーキ大好き人間の筆者だが、先日「なにこれ!?」と言いたくなるような新感覚の絶品チーズケーキに出会ってしまった。

・神戸『観音屋』

この日訪れたのは、大阪 梅田で2024年7月にオープンしたばかりの商業施設『KITTE大阪』にある喫茶店『観音屋』

店内には、かつてこの場所に建っていた旧大阪中央郵便局舎の建物の一部が移設されている。


具体的にはレンガの壁ガラスの表面がゆらぐ窓ウッドタイルの床などが残され、落ち着きあるレトロな空間が広がっている。窓の外を見ればJRの線路があり、オレンジがかった照明の店内から電車が走る様子を見れば、まるでドラマのワンシーン。

おまけに「なんかシャレた曲がかかっているな」と思ったら、本物のレコードが再生されているじゃないか!

入店した時点で「雰囲気ありすぎるっ!」とときめいちゃうような素敵な店だったのである。


一方で心配だったのが、ズバリ価格だ。梅田の新しい商業施設に入っているハイソな喫茶店、さぞかしお高いんだろうなぁ。


──覚悟をしながら席についたところ、メニューに載っていたのは予想に反して手が届きやすいケーキ。それこそが観音屋の名物である『デンマークチーズケーキ』であった。

そのお値段、イートインで税込408円。安い!


・甘じょっぱくて美味し過ぎ!

しかし……そんなことよりも、配膳されたデンマークチーズケーキを見てあることに衝撃を受けた。

というのも、ケーキの表面が満月のようにテカっているのだ! この質感、ベイクドでもレアでもない。ニュータイプなチーズケーキじゃない?


その証拠にナイフを突き刺すと、

へにゃり。


柔らかいっていうか、トロみがあるっていうか。もはやチーズケーキっていうよりもチーズそのものっぽく見える。


続けてひと口分を切り分けようとすると、

ビヨヨ……


ビヨ~ン。

あっ、間違いない。コレはチーズそのものですわ。

いやいや、ケーキの上にチーズを乗っけて「チーズケーキ」だなんて安直過ぎないだろうか? いくら408円とはいえ、美味しくなかったら私は納得しないぞ!!


そんなことを思っていたのに、頬張った瞬間めちゃめちゃに衝撃を受けた。

うっ、旨ぁっ!!!!


まずシンプルに、チーズが美味しい。比較的塩味が強く乳製品らしいコクと香りもしっかりとあるが、クセはない。王道をストレートにぶち抜いたチーズらしいチーズの味が、特濃で押し寄せるのだ。

それに合わさっているのが、フワフワのスフレのような薄いスポンジ生地。卵か牛乳か由来はわからないが、素朴で優しいほのかな甘みだ。

キリッと塩っけの効いたチーズと、包容力のある甘いスポンジ。まさにベストマッチな甘じょっぱさが口の中で生まれているのだ。こんなの奇跡の組み合わせや~っ!


・50年続く美味しさ

「新感覚過ぎる!」と驚きとともに食べ進めたのだが、実はこのデンマークチーズケーキ、誕生したのは1975年と約50年も昔のことらしい。

観音屋の公式サイトによると、創業者がデンマークチーズと出会って衝撃を受けたことから開発されたケーキなのだそう。

当時はまだケーキ自体が一般的ではなく、チーズケーキの土台として使えるのはマドレーヌかパイくらい。その中で試行錯誤を重ねて今の形にたどり着いたんだって!


トロッとフワッ&塩味と甘みというダブルの新感覚が味わえるデンマークチーズケーキ。今回は実店舗で食べたが、オンラインショップやテイクアウトにも対応しているそうだ。

調理方法も簡単なので、自宅のトースターで簡単にお店の味を再現できるハズ。チーズ好きは絶対に好きな味なので、是非試してみてくれよな!

参考リンク:観音屋公式サイト
執筆:高木はるか
Photo:RocketNews24.

▼店舗で食べる場合はポットティーセットがおすすめ。ケーキセットなら通常価格より55円引き(今回は税込760円が705円に)でカップ3杯分たっぷり飲めるので、のんびり過ごしたい時にピッタリだ!

▼ただしデメリットもあり……あんまりのんびりしすぎると、チーズが冷えて固まってしまうので要注意