東京・港区麻布といえば、日本屈指の高級住宅街が広がるエリアとして有名。

いつも安宿を泊まり歩く筆者にとっては縁もゆかりもない場所だと思っていたが、気まぐれでゲストハウスがあるか調べてみたところ……1泊3600円の施設を発見。

まさか麻布にこれほど安い宿があるとは驚きだ。しかも東京タワーを近くで拝める好立地ときた。さっそく予約してみたので館内をレポートしようと思う。


・港区麻布の隠れ安宿

東京タワーの最寄駅・赤羽橋駅から歩くこと約1分、閑静な住宅街の中にある「ゲストハウス東京麻布」へとやってきた……はずなのだが、入り口が全然見当たらなくて困った

それらしき看板はマジで皆無。一見すると普通の賃貸マンションみたいな外観である。ここが宿泊施設なのかとだんだん不安になってきた。


ウロウロしてようやく見つけたドアには貼り紙が……。どうやら宿の入り口はここではなく、駐車場の奥が受付になっているようだ。


案内通りに進んでいくと裏口を発見。ドアが2カ所もあって迷ったが、1番奥にあるほうが正解な様子。

隠れ宿的な雰囲気が漂っていてゾクゾクする。さっそくインターホンを鳴らしてみると……


事務所っぽい部屋に通されてチェックイン手続きが始まった。席に座り黙々と宿泊者名簿を記入していく。……なんだか泊まりにきたというよりは、バイトの面接にきたような空気感である。



宿泊料金は楽天トラベルで予約したところ1泊3600円だった。港区でこの価格はヤバい。東京タワーへは歩いていけるし、我ながらよく見つけたものである。

ちなみにスタッフさんいわく、館内エレベーターは修理中のため利用不可とのこと。お詫びとしてドリンクを無料でサービスしてくれたぞ。階段移動はチト大変だが仕方あるまい。


バスタオルや歯ブラシなどのアメニティはどれも有料となっている。いちおうシャワーブースには備え付けのシャンプー・ボディソープがあるらしい。

タオルは持参してこなかったので、250円を払ってレンタルすることに。最後にカードキーを受け取ったら受付完了だ。



チェックイン後は最初に対峙したドアから出て階段へ。……このドアは入口かと思っていたが実際には出口だったようだ。それでは荷物を整理するため、4階のドミトリーに移動しよう。


4階に上がってドアを開けると、ロッカー・下駄箱が目についた。どうやら壁1枚を隔てた隣がドミトリーになっている模様。下駄箱にスリッパが入っているから靴を脱いで履き替えよう。


嬉しいことにロッカーは収納力が抜群だ。高さと奥行きが十分にあるため、大型のリュックでも難なく入る。めっちゃ使いやすくて最高……。


ドミトリーは上下2段の箱型ベッドがところ狭しと並んでいる。フロアは全体的に狭く感じるものの、清潔感があって過ごしやすそうだ。


マイベッドは残念ながらトイレ兼シャワールームの真向かい。音や振動は気になってしまうかもしれないが、寝支度がすぐに済ませられるからヨシとしよう。


そのシャワールームは結構キツキツな小部屋である。大人同士がすれ違うとぶつかりそうな狭さ。

他の宿泊客と鉢合わせたときは少々気まずい。混まないうちにサクッとシャワーを浴びてしまおう。



シャワー後は5階のラウンジに行ってひと休み。まるで一軒家のリビングみたいなレイアウトである。

台所・ソファ・テーブル・テレビなどがあるため、宿泊者同士で交流するにはイイ場所かもしれない。誰もいないとちょっと寂しく感じるけれど、十分にリラックスできて居心地はよかった。


夜も更けてきたので今夜はそろそろ就寝。ベッドは木のぬくもりが感じられる落ち着いた空間となっていた。マットレス・枕はフカフカとしていて寝心地が最高である。

コンセントは3カ所もあるからスマホなどを充電するときに超便利。ただ、無料Wi-Fiの電波は……残念ながら微弱。スマホで動画を視聴するとカクついて止まってしまうレベル。

ネットサーフィンも若干モタつくが、利用できるだけありがたいと思う。なんせ港区麻布に3600円で1泊できるのだから……。



翌朝のチェックアウトはいたって簡単。カードキーはベッドに置いておくだけでオーケー。あとはそのまま退室すればチェックアウト完了となる。

ここは駅から徒歩約1分と好立地で、観光や出張の拠点にピッタリ。わりと穴場な安宿だと思うので、みなさんも機会があれば泊まってみてはいかがだろうか。


・今回ご紹介した施設の詳細データ

名称 ゲストハウス東京麻布
住所 東京都港区東麻布1-17-9

参考リンク:楽天トラベル
執筆:古沢崇道
Photo:RocketNews24.