全国に「ご当地バーガー」は数あれど、函館のラッキーピエロほどインパクトのある一大勢力はないだろう。ボリュームたっぷりのグルメバーガーはもちろん、店舗ごとに異なるきらびやかな内装デザインや、ごきげんなピエロのキャラクター「ラッキーくん」など、強すぎる個性を発揮している。
店舗は函館市内&近郊に全17軒。安易に全国展開なんてしない矜持(きょうじ)も清々しい。なかでも約3000坪の広大な土地にそそり立つのが「峠下(とうげした)総本店」だ。
・亀田郡七飯町「ラッキーピエロ 峠下総本店」
北海道の突端にある函館市。札幌など他エリアに抜けるなら、必ず通ることになる国道5号線沿いに「ラッキーピエロ 峠下総本店」はある。
「峠下」の地名のとおり、山や田畑を望む郊外の幹線道路に、突如として不夜城が現れる。
車がないと来店できない立地にもかかわらず、また夜20時過ぎにもかかわらず、店内は超満員。函館ベイエリアも元町もこの時間には静かになることを考えると、別世界のようだ。
店内はいくつかのゾーンに分かれていた。「ディズニーランドか!」と言いたくなるほど座席があるが、総席数は200以上! 長い行列ができているものの、席を探すためではなく料理の注文の列だった。
店舗ごとに内装が異なるラッキーピエロ、峠下総本店のテーマは「バードウォッチング館」だ。巨大な鳥の壁画や、本場イギリスで収集したという額絵が所せましと飾られている。
ひとあじ違う趣(おもむき)があったのが、最奥の「幸福堂」ゾーン。1930年代のアメリカン・アールデコをテーマとしており、シックなダイナーといった雰囲気。映画の舞台になりそうだ。
かと思うと、幸せの波動が宇宙から舞い降りてくるという「幸運の鐘」や
ぬいぐるみやメリーゴーラウンドや飛行機(屋外には本物のメリーゴーラウンドがある!)
クラシックカーの撮影スポット
「おかあさんキリン」こと巨大なキリン
座れば財運に恵まれるという「ビッグチェア」などが主張強めに点在。
「洗練されたもの」「ちょっと笑える愉快なもの」「縁起がよさそうなもの」「人に見せたくなるもの」など、あらゆるオブジェが勢いよく同居していて、おもちゃ箱のようだ。
サーカスをイメージしたという創業エピソードにたがわず、エネルギッシュなパレードやカーニバルを連想する。まさに「なんでもあり」なハレの日のカオス!
まだまだあるぞ。屋外には実用的なテラス席のほか
「子どもサミットイス」「2人がけブランコ」などのユニークシート
冬期間にはライトアップされるという庭
すべて見つけると「永遠の愛・友情に結ばれます」という8つのハートなど、夜なので一部しか巡れなかったものの、数えきれないほどの見どころがある。
・料理は安定の美味しさ
昨年オムライスに惚れて以来、「ちっちっち、ラッピでバーガーはトーシロよ」と通を気取ってオムライスを食べている筆者。料理は安定の美味しさだ。
定番のハンバーガー、カレーライス、オムライス、ハンバーグステーキのほか、スパゲティや焼きそばもある。店舗によって取り扱いメニュー(カテゴリー)が異なるため、目当てのものがあれば公式サイトで確認するのがおすすめ。
洋の東西を問わず、あらゆる「面白そうなもの」がチャンポンになっているラッキーピエロ。店内にいるだけで、こちらまで元気が湧いてくる。本当に運気が上がりそう。
長蛇の列を覚悟しつつも、函館に来たからには行かずにはいられないご当地レストラン。今日も圧倒的な存在感を放っている。
・今回ご紹介した飲食店の詳細データ
店名 ラッキーピエロ 峠下総本店
住所 北海道亀田郡七飯町峠下337-11
時間 10:00~22:00(ラストオーダー21:30 ソフトドリンク21:45)
執筆:冨樫さや
Photo:RocketNews24.