「あると嬉しいけどわざわざ買うほどでもないなぁ」というアイテムって、誰にでもあるだろう。筆者にとっては “真空パックを作る道具” がそうだった。

食品の保存期間を延ばせるのは便利だけど、スーパーに行けば新鮮な肉・魚をいつでも買える現代。家庭用真空パック機の相場は5000円前後なので、買うまでもないよなぁ……なんて思っていた。

ところが、セリアで発見してしまったのだ! ワンコインで真空っぽいパックが作れるセットを!!!!

・手動の食品圧縮セット

正確にいうと、セリアの商品で作れるのは “真空パック” ではない。手動のポンプを使用するため 完全に空気を抜き切ることはできず、「食品圧縮袋」というのが正確な表現となる。

それでも、数百円で真空パックもどきが作れるなら十分な価値がある。


ってなワケで、こちらがその食品圧縮袋のセットだ。

圧縮袋のMサイズとSサイズ、そして専用の手動ポンプ。すべて税込110円の商品だ。


袋はMサイズが約28×26cmで2枚入り、Sサイズが約22×21cmで3枚入り。

売り場には他にもLサイズ(約34×30cmで2枚入り)があった。

1枚当たり約36~55円と考えると意外と安くもないのだが、なんていったって初期投資で500円以下である。使いやすいなら儲けもん。きっとこれ以上コスパがよい商品は他にないだろう。



・肉や魚を圧縮保存できる

冷蔵庫を覗いてみると、ちょうど中途半端に食べた秋鮭の切り身が残っていた。

まずはコイツを圧縮してみよう!


Sサイズの袋に切り身を入れたら、


袋の角に付いている脱気バルブにポンプを当てて、


シュコシュコシュコシュコ……


すると、なんということだろう。10秒ほどであっという間に空気が抜けてピッチリとしたぞ!

これなら食品の劣化を防ぎやすそうだし、冷凍保存する際も霜が付かなくて便利そう!


取扱説明書に「汁気の多い食材は避けてください」と書いてあったので、怖いもの見たさでカボチャの煮物も圧縮してみたところ……


シュコシュコシュコ……ジュルッ


脱気バルブから煮汁が漏れてしまい、うまく空気を抜き切ることができなかった。

液体に対してはかなり相性が悪く感じられたので、ちょっとでもソースや煮汁のある料理は避けた方がよさそう。

また耐熱温度が80度なので、ローストビーフや鶏ハムなどの調理にも不向き。電子レンジでの加熱もNGだ。あくまで生ものや乾物など、固形の食材に使うのがよいだろう。



・鯛の昆布締めを作ってみた結果…

ここで筆者が思いついた用途が、魚の昆布締めや熟成の調理である。

新鮮な魚を寝かせて水分を飛ばし、旨みを引き出すというこれらの調理方法。傷まないようにレシピでは「なるべく空気が入らないよう、ラップを密着させて包む」と書かれているんだけど、いつも苦戦してるんだよな。

食品圧縮袋があれば簡単に作れる予感がするぞ! ってことで、さっそく鯛のお刺身を購入してきた。


鯛に軽く塩を振って、


昆布でサンドしたら、


圧縮袋に入れて、


シュコシュコシュコシュコ……


昆布の凹凸にまで袋がフィットして、ラップよりもかなり簡単&ピッチリと脱気することができたぞ!


その後、半日ほど寝かせた鯛がコチラ。

昆布に水分を吸われ、代わりに旨味がしみ込んでいるようだ。購入時よりも身が硬くねっちりとした質感に変化している。


試食をしてみると……旨っ!!!!

ギュッと昆布に密着していたからだろうか。寝かせた時間としてはかなり短いのに、昆布の旨みと香りがしみ込んでかなりイイ感じ。今まで作った昆布締めの中で一番うまく作れたし、旅館や和食レストランで出されても納得できる仕上りだぞ!



ちなみに使用後の袋を洗ってみたが、再利用は難しい予感がしている。

袋内の汚れが落ち切らないし、なにより脱気バルブの粘着力が落ちてしまうのだ。商品パッケージには「フードロスを減らそう」「SDGs」と書かれているが、そういう意味で環境負荷軽減への期待は薄いだろう。

袋は使い捨てと割り切って、圧縮しなければ作れない料理を楽しむのがオススメ。

肉とハーブを合わせたり 塩もみした野菜を寝かせたりと、アイディア次第で超簡単に料理をワンランクアップさせられるハズだ!

執筆:高木はるか
Photo:RocketNews24.