日本において「セブンイレブン」「ローソン」「ファミリーマート」は言わずと知れたコンビニ大手3社。実はその構図は中国でも同じで、都市部であれば東京に匹敵するくらいの間隔で、どれかしらのコンビニを見つけることができる。

そして中国のコンビニには、思わず「ありがとう」と叫びそうになるほど日本食が充実している。中でも『おにぎり』の品揃えはスゴイ。こうなったら各コンビニごとの「おにぎり全部食べてみた記事」を執筆するのがライターとしてのつとめ。ってことで第1回目はローソンである!!

その結果……ローソンが最終回となったことを先にご報告しておこう。

・テンポよくいこう

何度も言うけど中国のコンビニでは日本食や日本メーカーの商品が本当に本当にたくさん売られていて、「これ中国の人はどういう感覚なんだろう?」って思う。

日本に中華料理屋がメチャクチャあるのと同じノリだろうか?

この日、私が中国のローソンでゲットしたおにぎりは16個。のり巻きや寿司はノーカンとさせていただいた。それじゃ、テンポよく食べ進めていくとしましょう!


『海鮮风味排大口饭团』(7.9元 / 約163円)。

ん! ごはんが鶏五目みたいでおいし〜! 中に白身魚の天ぷら。とにかく米がうまいので、個人的な好みとしては「天ぷら、別に無くていいな」って気もしなくなかったが、それを言っちゃ元も子もない。


『芝士盐酥鸡排大口饭团』(6.9元 / 約142円)。ん……? 一瞬さっきと同じヤツを2個買ってしまったかと慌てたが、さっきのは魚、これは鳥の唐揚げが入っているようだ。

米は先ほどと同じ鶏五目風。鳥の唐揚げがあまりにボリューミーで、たっぷりマヨがバカほど重い。食いしん坊むけ。


・ちょっと待て

『美式辣鸡排大口饭团』(6.9元 / 約142円)。

3つ目にして気づいたが……ここまでパッケージの画像がほぼ同じである。揚げ物続きで若干キツくなってきたけど大丈夫だろうか……?

1つ前が鳥モモ肉の唐揚げだったのに対し、こちらは鳥ムネ肉のフライ。先出の2つと比べると、あっさりして食べやすい。これならいける。もちろん米は鶏五目風。

ちなみにここまで、全てのパッケージにレタスっぽい青菜が写っているが、どれだけおにぎりを分解しても、それらしき野菜は発見できなかった。どゆことォ!


『純牛肉汉堡大口饭团』(8.9元 / 約184円)。今回購入した16種の中で最も高い。

また大口饭团シリーズか……と思ったら、なんと今回初のケチャップライスである! ここへきて味変ありがてぇ! 中身はハンバーグに卵焼き。洋食ベストタッグみたいな組み合わせだ。

が……! みなさん想像してみてほしい。冷えたケチャップライスと冷えたハンバーグの同時食いを。冷え固まった油がダブルで舌にまとわりつくさまは、自分が妖怪「ラード舐め」に転生したかのような錯覚をおぼえる。温めたらおいしそう。おにぎり温めシステム、中国にもあるのかな?


『茄汁猪排大口饭团』(7.9元 / 約163円)。

こちらもケチャップライス。中身は豚の天ぷら。ここまでマヨネーズの油分に苦しめられてきたが、あっさりした甘いタレが意外にも天むすっぽい雰囲気を醸し出している。日本人としては「ケチャップライスじゃなくてよくね?」って気もしてしまうが、まぁ、おいしいからOKです!


『爆浆鸡排大口饭团』(6.9元 / 約142円)。もういい加減にしろ、大口饭团は。

味付けライスの中に、チーズ入りの揚げた鶏肉。ここまで揚げ物を食べすぎてきたため、ロクなコメントができない状態であることをお断りしたうえであえて感想を述べるとすれば……ズバリ「まあまあ」です。


・胃袋、限界をむかえる

私は1食につき5つくらいなら余裕でコンビニおにぎりを食べられるタイプ。なので今回の検証に際して「まぁ、頑張れば1日で終わるだろ」と考えていた。が……フタを開ければ1日がかりで泣きながら6つを食べ終えたありさま。油分が多すぎなのだ、中国のおにぎりは。


ってことで検証2日目。おにぎりが冷蔵庫で冷え切ってしまったため、ここからは電子レンジの使用をご容赦願いたい。本日一発目は『茄汁蛋包鸡肉大口饭团』(7.9元 / 約163円)。まだ続くのか大口饭团は。

2日目からはナイフを使うことを覚えた。ケチャップライスが薄焼き卵で包まれている。なるほど、オムライスか……と思いきや、なんとライスの中にブリッブリの超固茹で卵が入ってるではないか! 衝撃のエッグインサイドエッグ。食感が非常に面白い。家でマネしてみたくなった。


『蜜汁糖醋鸡排大口饭团』(6.9元 / 約142円)。これが最後の大口饭团!

パッケージからは2種類の揚げ物が入っているふうに見てとれたが、どう米をかき分けても鶏肉の素揚げっぽいのが入っているだけ。シンプルで最も日本人好みの大口饭团かもしれなかった。なお大口饭团とは「大きなおにぎり」のことらしい。うん、知ってた。


・まだ読んでる人いる?

ちなみにお伝えしておくと、今回購入した全16おにぎりのうち、この時点でまだ半分しか食べ終えていない。一体どれだけの読者がついてきているか不安だが、気にせず進むしかねぇ。


『恶魔的饭团』(3.6元 / 約74円)。あの『悪魔のおにぎり』である! ってか今気づいたけど中国ローソンのおにぎり、めちゃくちゃ安いな。

味は「あの悪魔のおにぎり」と同じ。知らない人は各自ググる等してください。


『盐烤三文鱼饭团』(6.9元 / 約142円)。

日本でいう「ちょっと高いおにぎり」を連想させるパッケージのシャケおにぎり。の割に若干ショボさは否めないところだが、10個目にして初めて白米が登場したことに、私はモーレツに感動していた。シャケに皮がついている点は日本じゃあまり見かけない特徴だ。


『炸鸡块茄汁饭团』(4.5元 / 約93円)。丸おにぎりゾーン突入。

さっきも見たようなオムライススタイル。鳥の揚げたやつがチョコンと収まっている。大口饭团もいいが、これくらいのサイズ感のほうが安心できるなぁ、日本人としては。


『照烧鸡肉脆骨饼饭团』(5.9元 / 約122円)。

ハンバーグとチーズ入り炊き込みご飯。前日は冷えたハンバーグに妖怪ラード舐めと化した私だが、やっぱレンチンするとおいしいな、と思った。


・ラストスパートである

ついに三角おにぎりゾーンに突入。


『三文鱼松沙拉酱饭团』(3.9元 / 約81円)。

パッケージは明らかにサーモンの刺身だが、フタを開けるとシャケフレークにマヨを練り込んだもの。海苔がなんというか、日本の味付け海苔とは違うんだけど、ただの焼き海苔でもない感じ。うっすら何かの味がついている。


『芝士咖喱牛肉饭团』(4.6元 / 約95円)。

「牛肉カレー」であることは商品名から読み取れるが……何これ? カレーか? なんかキモイんですけど? でも……食べたら確かにカレーだったわ! キーマカレー的な、ミンチ肉をカレー味にしたもの。ちなみにおいしくはない。


『金枪鱼沙拉酱饭团』(3.9元 / 約81円)。

お待ちかねのツナマヨである! ツナマヨは世界中どこへ行ってもツナマヨなので、「ツナマヨだなぁ」って感じ。迷ったらこれ一択。


そしてラストは……『蒲烧鳗鱼饭团』(3.9元 / 約81円)。

具のうなぎはほんのチョッピリ。しかも皮が多いのか、ネチョネチョとして超微妙だ。米にはおそらくウナギのタレが混ぜ込んである。日本人の感覚としては、もっと味が濃いほうがいい気がした。とはいえウナギおにぎりが81円は破格だよね!


……はい! ってことで、のべ2日半を要した中国ローソンおにぎり全部買いはこれにて終了。なぜこの企画を始めたのか、今となってはどうしても思い出せないものの、達成感はハンパない。最後まで読んでくれた読者はおそらく3人くらいだろう。本当にありがとうございました。

セブン編とファミマ編は当然ながら企画倒れとなったが、中国から帰国して3カ月が経過した今「もし機会があれば、やってもいいかな……?」くらいのテンションにはなっている。人は辛い過去を忘れる生き物。だからこそ、人は旅に出るのだろう。

執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.