「めかぶ」ってイイ。おいしいし、コンビニで買えるし、カロリー低いし、たぶん健康にもいい。私がめかぶを食べだすのはダイエットを始めた時と相場が決まっているのだが、できればもっと安く大量に買えたらいいのにな〜と思う。小分けパックじゃなくていいからさぁ。

そういえば、めかぶって海藻だよね? 今まで考えたことなかったけど、どこにどんな形状で生えているんだろう? 浅瀬なの? 養殖なの? ワンチャン淡水もありえる? 急に気になり始めたので横の人に聞いてみた結果……。


横にいた人「めかぶって、わかめだよ?」

・それは……本当ですか?

『めかぶ・わかめ同一個体説』に一瞬目の前が真っ白になるも、すぐ「嘘に決まっている」と気づいた私は、一応インターネットで確認を試みた。すると『めかぶ・わかめ同一個体説』は正真正銘のガチだったので、そこから先のことはよく覚えていない。

インターネットによれば “わかめの上の部分が「わかめ」、根っこの部分が「めかぶ」” とのこと。友人知人約20名に聞き取りを行うと、約半数が「そんなの常識」・残り半数が「そうなの!?」と回答した。自分が特別な世間知らずではないことが分かり、少し安心した。

こうなると「加工前のめかぶ」を入手したくなるのが人情というもの。わかめといえば三陸産が有名なので、私は先日の記事でもお伝えした銀座の『いわて銀河プラザ』を訪れた。

すると残念ながら「生のわかめの根(めかぶ)は売っていない」とのこと(岩手では割と普通に売っているそうです)。ただ、めかぶ関連商品はたくさん売られていたので、中でも気になるものをいくつか購入した。さっそく食べちゃおう。


・めかぶの世界

まず乾燥わかめっぽいノリの『パッときざみめかぶ』(270円)。

カサカサの乾燥めかぶを水に浸けて10分おく。

すると何かの集合体みたいになるので、すかさずサッと湯通し。お箸で丹念に練り上げると……


納豆みたいにネバネバの個体が出現!!!!


『めかぶそば』(324円)に乗せると、とろろそばが裸足で逃げ出すレベルのネバネバそばが爆誕した。この食い物は果たして山の幸なのか、それとも海の幸なのか? もはや私の知っているめかぶとは別モノすぎて、めかぶかどうかも怪しい。

岩手出身の友人いわく『めかぶ あかもく漬け』(648円)は岩手で結構ポピュラーな食べ物らしい。「あかもく」は海藻。ツブツブしたやつはシシャモの卵。佃煮っぽくておいしい。消費期限が異様に短いのが難点だが、慣れれば色んなアレンジが楽しめそう。


・これは塩ですか?

ちなみに今回購入した中で、最も「生めかぶ」に近いのがコレ。

『天然くきわかめ』(660円)である。実はわかめは「よくあるヒラヒラわかめ」「茎わかめ」「根っこ(めかぶ)」の3段階に分かれていて、真ん中の硬い部分を「茎わかめ」と区別して食べるのが岩手流なのだそう(友人談)。わかめ界隈、想像の10倍奥深い。

中身をひと掴みすると、ごんぶと茎わかめがドゥルン! とすべり出てきた。驚くべきことに、コレ……


1本の茎なのである!!!


その直径は約180センチ。どんだけ長いんだ岩手のわかめは。食べ方が分からないので一旦細切りにし、岩手の友人が「うまい」と絶賛する『わかめざる中華』(307円)に乗っけてみた。いただきま〜す!


ショッぺぇぇぇぇぇえええええ!!!!!!!


え? 何? この「塩食ってます」みたいな塩分量は? 東北の食べ物は基本塩分強めと聞くが、それにしても、これを毎日食べたら相当な速度で寿命が縮むと思う。なお『わかめざる中華』はメチャクチャおいしいです。

食べ方を間違えているのか……? と岩手友人に問い合わせたところ、茎わかめは数時間かけて “塩抜き” するのが常識とのこと。ンモー! 先に言ってよォ! ちなみに私の出身地である鳥取県もわかめが名産だが、「生めかぶ」だの「茎わかめ」だのといった概念は耳にした覚えがない。

同じ海藻なのに部位や地域によってこれほど違いが顕著とは、本当にわかめ界隈は奥が深いですよね。めかぶ記事がいつの間にかわかめ記事になっている気もするが……まぁ、めかぶもわかめの一部だからOKでしょう。


・今回ご紹介した店舗の詳細データ
店名 いわて銀河プラザ
住所 東京都中央区銀座5丁目15-1 南海東京ビル1F
時間 10:30~19:00
定休日 無休

執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.

▼『わかめざる中華』は本当においしいです