もしかしたらこれは “パンチョ史” に残る問題作かもしれない。2024年9月、ナポリタンでお馴染みの「スパゲッティーのパンチョ」が『台湾まぜスパ』の発売を開始した。
同メニューはパンチョの名古屋進出1周年を記念して開発された期間限定メニューであるが、ズバリ「由々しき新商品」を申し上げよう。実際に『台湾まぜスパ』を食べた私はこう思った……「完全に自我を失っているな」と。
・勢力拡大中
かつては数えるほどしか店舗が無かった「スパゲッティーのパンチョ」も、気が付けば40店舗近くを展開中。ホームページによると2024年9月25日には「高崎店」をオープンするそうだ。
それもこれもパンチョが誇る「ナポリタン」および「ミートソース」が最高だからだろう。かれこれ10年以上パンチョに通う1ファンとして、大変喜ばしい気持ちでいっぱいである。好きです、パンチョ!
・どうした?
ところがどっこい、新商品の『台湾まぜスパ』に関しては、率直に「パンチョどうした? 話でも聞こうか?」という気持ちになってしまった。もちろん実際に『台湾まぜスパ』を食べた感想である。
さて、その『台湾まぜスパ』は、冒頭でもお伝えした通り、パンチョ名古屋上陸1周年を記念して開発された新商品で、第2弾では期間限定トッピング「味噌串カツ」も控えているという。
言うまでも無く、名古屋名物の「台湾ラーメン」から派生した「台湾まぜそば」にインスパイアされた新メニューで、価格は小サイズが1180円。大サイズが1280円となっている。
発表によれば同社の野尻CEOは「試作を進めていったら完全に『台湾まぜそば』が出来上がった……美味い」と自信のコメントを残しているが、個人的にそれこそが問題だと感じている次第だ。
・食べてみた
順を追って説明すると『台湾まぜスパ』は、店舗仕込みの台湾ミンチに、ニラ・長ネギ・玉ねぎ・にんにく・魚粉・刻み海苔・卵黄をトッピングしたメニューで、麺がパンチョのスパゲッティーとなっている。
で、肝心のお味はと言うと「台湾まぜそばの味」としか言いようがなく、しかも “ハイレベルな台湾まぜそば” と言ってイイ。巷にある台湾まぜそば専門店にも、決してヒケを取らない完成度だ。
また、具とスパゲッティーの相性も良好で「意外とスパゲッティーでもイケるんだな」と思ったことは告白しておく。つまり『台湾まぜスパ』そのものは美味しいメニューである……のだが。
これパンチョじゃなくても良くない?
・アイデンティティ
『台湾まぜスパ』は丸っきり「台湾まぜそば」であり、パンチョの遺伝子がほぼ感じられなかったことは残念だ。確かにスパゲッティーは個性があるが、それも絶大なにんにくのパワーと比較すると霞んでしまっていた。
先述の通り、味について文句はないが「パンチョらしさを失わないで!」という気持ちから『台湾まぜスパ』は「どうした?」と思わざるを得ない。パンチョなら、ナポリタンに台湾まぜそばの具をトッピングするくらいの破天荒さが欲しかった。
結果的に「これならパンチョじゃなくてもいいよね?」と感じてしまった台湾まぜスパ。パンチョのリベンジに期待しつつ、パンチョならそれが出来ると確信している。
参考リンク:スパゲッティーのパンチョ 、 PR TIMES
執筆:P.K.サンジュン
Photo:Rocketnews24.