人間が聞きとることのできる周波数帯域(可聴域)は、一般的に20~2万ヘルツと言われている。それを元に、多くのイヤホンで再生できる周波数帯域は、同じく20Hz~20kHzに設定されている。

ごく稀にこれよりも広い帯域を設けている製品もあるのだが、私(佐藤)が最近「イルーシー300」で見つけた製品は100~1万ヘルツに設定されていた

帯域は特徴的だけど、コレはコレでアリなんじゃないかと思った。というのは、使い方次第で製品の特性を活かせるからだ。

・イルーシー300のイヤホン

イルーシー300(サンマルマル)は、名古屋に本社を置く「パレモ・ホールディングス株式会社」のプチプラブランドである。実は私、このブランドのことをごく最近まで知らなかった。たまたま訪ねたモリタウン(昭島市)で店舗を見つけて、このイヤホンを購入したのだ。


100均系はやり尽くしたと思っていたけど、まだ知らないブランドがあっただなんて。まだまだだなあ~……。


製品を品定めする時はいつも、箱の表よりも裏を見る。裏側に製品仕様が書かれているからだ。イヤホンを見つけたので、裏面を見てみたら、え? てなった


「周波数特性:100Hz(ヘルツ)~10kHz」


珍しいなあ、ほとんどのイヤホンは2万ヘルツまでだ。なかには上限4万ヘルツのダイソーのハイレゾ対応の「6071」、「7301」や、8万ヘルツのナガオカのハイレゾ対応「P908」なんてものもあるけど、大抵は2万。

コレはその半分の1万ヘルツしかない。初めてのケースだ。どんな音がするんだろうと気になるので「ステレオイヤホン」(税込550円)を購入した次第である。


おそらく、中音域に特化した音作りをしており、人の声を聞き取りやすくしてるんじゃないかなあ。実際表には「テレワークなどに最適」って書いてあるので、オンラインミーティング用に使うことを想定しているのだろう。




中身はこんな感じ。本体とイヤーピースが3サイズ(S・M・L)入っている。


リモコン部にはマイクと音楽操作・通話操作用のボタンがついている。


イヤホンそのものの形状は、とくに珍しいところはない。耳穴に対して、真っすぐ差し込むタイプである。


装着してみると、可もなく不可もない。これといって不満もないし、大きな満足があるわけでもない。



・聞き比べ

今回検証に使用するのは、クイーンの「Another One Bites the Dust(邦題:地獄へ道連れ)」である。まずは「ハイユニット HSE-A1000」で聞いてみよう。


曲名は「ジョジョの奇妙な冒険」第4部でもお馴染み。吉良吉影の使うスタンド「キラークイーン」の攻撃のひとつ「バイツァ・ダスト」にその名前が用いられている。

楽曲自体は、シンプルなベースラインにソリッドなギターリフが絡むダンサブルなロックチューンだ。単調なベースの繰り返しが緊張感を醸している。ハイユニットで聞くと、堅調に刻むドラム・ベースのリズムを、エッジの利いたギターリフが引き裂く。そのせめぎ合いの合間を縫って、フレディ・マーキュリーのボーカルが駆け抜けていくようである。


一方のイルーシー300のイヤホンでも聞いてみよう。


予想通りに中音域が強い。高音・低音が物足りないわけでもないけど、真ん中の音域が膨らんでいるように感じられる。

個人的にドンシャリ(高音・低音強め)が好みなので、中音強めはあまり好きになれない。だが、ボーカル中心の曲となら相性は良いかも。アカペラなんかを聞く分には良さそうだ。

もしくはニュースやラジオ配信を聞いたり、オンライン授業を受講する際に使うのもアリかも


使い道はいろいろありそうではあるけど、順位を覆すほどの音質ではなかったので、ランキングに変更はなし。


1.アルペックス(Hi Unit)ハイユニット HSE-A1000(PK)」 税込712円
2.JVCケンウッドHA-FX6-T カナル型イヤホン」 税込821円
3.DENONAH-C260」 税込927円


このランクは随時更新していきたいと思う。皆さんの音楽ライフの参考になれば幸いである。


参考リンク:イルーシー300
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24