皆さんは「赤飯」という単語を聞いた時に、どんな料理をイメージするだろうか。おそらく大半の方は、名前の通り赤く色づいたご飯を想像するかと思う。

しかし……新潟県の一部地域には、赤くない赤飯が存在している。

筆者は見ていなかったのだが、つい先日テレビ番組の「秘密のケンミンSHOW極」でも新潟県のネタとして取り上げられたんだとか。

そんな赤くない赤飯だが、実は……


・醤油赤飯

──と、詳細を書く前にその赤飯がどんなものなのかをご紹介しておこう。


いろいろと書くより現物を見てもらった方が分かりやすいと思うので、さっそく写真をご覧いただきたい。これが赤くない赤飯、「醤油赤飯」だ!


今回は新潟県のローカルスーパー「原信」のお惣菜コーナーに置いてあったものを購入してきた。

価格は200gで税込355円。筆者が訪れたスーパーでは、一回り大きい400g入りの商品も置かれていたぞ。



名前を見れば分かる通り、この赤飯にはしょうゆが使われている。そのためお米の色が赤ではなく茶色く染まっているのだ。

長岡市とその周辺の地域ではよく食べられているのだが、同じ新潟県内でも他の地域ではあまり馴染みがないらしい。マジのローカルフードである。


それにしても、なんでこんな赤飯が生まれたんだろうか。

全国の郷土料理を掲載している農林水産省のサイトによると、確かな文献はないものの「昔の長岡では赤飯の材料である ささげがなかなか採れず、お米に色がつけられなかったため代わりにしょうゆで味付けをした」「長岡藩の殿様が連れてきた力士がきっかけ」など、様々な説があるようだ。


・食べてみた

それではいよいよ醤油赤飯がどんな味なのかをレポートしていこう。


普通の赤飯と同じようにもち米が使われているため、食感は非常にもっちもち! 所々に混ぜ込まれているほくほくのいんげん豆もいいアクセントになっている。


ちなみに今回購入した赤飯に入っていた豆はいんげん豆だったが、基本的には金時豆を使うことが多いらしい。


お米全体にしょうゆが染みこんでいるけれど、普通のしょうゆごはんと比べるとしょっぱさは控えめかな?

お米やいんげん豆の甘さで中和されているからだろうか。おかげで、子どもから大人まで誰もが食べやすい味になっている。

本場ではお祝いごとの時だけでなく日常的にこの赤飯が食べられているそうだが、そうなるのも納得だ。何杯でも食べたくなる、ほっとする味だった。



・実は……

この醤油赤飯、実は長岡に行かないと味わえない……というわけではない。

なんとあの丸美屋から「新潟醤油赤飯の素」という製品が販売されており、この商品さえ手に入れば全国どこにいても手軽に作ることができるのだ。

全国には様々な炊き込みご飯系の郷土料理があるのに、なぜ醤油赤飯がピックアップされているのかは筆者が調べた限りでは分からなかった。

とはいえ、新潟県の味がこうやって手に取ってもらいやすい形になっているのは嬉しい! 

この商品を使わずに自作する時の難易度もそれほど高くないので、気になった方は是非醤油赤飯を作って長岡の味を楽しんでみてほしい。

参考リンク:農林水産省PRTIMES
執筆:うどん粉
Photo:PRTIMES、RocketNews24.