幼い頃はあたり前でも、大人になると「えっ? あれって全国区じゃなかったの?」なんて驚くことはちょいちょいある。例えば千葉県民の私が「MAXコーヒーは日本で1番売れてるコーヒーである」と思い込んでいたように。

この記事でご紹介する “トマオニ” こと『トマト & オニオン』も西日本の人にとっては馴染みが深く、逆に関東の人は「なにそれ?」といった存在ではないだろうか? そのトマオニがついに東京初上陸を果たしたというのだが……。

・京都発祥のファミレス

公式サイトによると1979年8月、京都府舞鶴市に第一号店をオープンした『トマト & オニオン』。今年で45周年を迎えた、西日本を代表するファミリーレストランの1つである。

店内はアメリカのホームパーティを意識した装飾が施されているようで、ステーキやハンバーグなどの鉄板料理が名物なんだとか。東北地方に4つ店舗はあるものの、その多くは近畿・中国・四国地方で展開しているようだ。

・東京初上陸

私は神戸に出かけた際『トマト & オニオン』の存在を認識。以来「いつか行ってみたいな~」と思っていたところ、何と東京都立川市に『トマト & オニオン』がオープンしたというではないか。

ぶっちゃけ『トマト & オニオン』の近所に住む人(住んでいた人)たちからは「なんでわざわざトマオニ行くねん?」「本当に普通よ」などと、あまりいい評判は聞かない。

が、それは「あたり前になりすぎているから」ではないだろうか? 初心者の俺がピュアな気持ちでトマオニのいいところを見つけて見せる! というわけで、立川市にある『トマト & オニオン』東京1号店まで足を運ぶことにした。

なお、JR立川駅からだと徒歩で1時間弱かかるためバスがオススメ。あたり前だが車客がメインのロードサイド店である。Googleで「徒歩57分」って表示されたときはバグったかと思ったよね!


あ、さて。


・トマオニ初体験

初めての『トマト & オニオン』に到着したのは日曜日の17時頃。ようやく着いた……と思っていたところ、メッチャ並んでるやん! なんと想定外の7組待ちで、その後も客足が止まる気配は一向になかった。

どうやら『トマト & オニオン』は、早くも立川市民のハートを掴んでいる様子。これは期待できそうだ……! 結局30分ちょい並んで、ようやく席へと通された。

で、注文したのは「弾丸ハンバーグ & トマオニオリジナルハンバーグ食べ比べ」で、価格は1429円。さらにライス・スープ・カレーが食べ放題のセット(473円)も注文した。

・えっ

さあ、人生初のトマオニよ。45年の歴史を俺にぶつけてみろ! さっそく名物らしき「弾丸ハンバーグ」を食べてみたところ……え?


さわやかのげんこつハンバーグ?


そう、弾丸ハンバーグとは中身がレアなハンバーグのことで、言うなれば “ジェネリックさわやか” といった感じ。類似メニューには「ビッグボーイ」の「大俵ハンバーグ」がある。

いかにも老舗的なハンバーグが出てくるかと思いきや、流行りのさわやか系とは……! これはトマオニが2006年から “すかいらーく” の傘下にあることも関係しているのかもしれない。

とはいえ「弾丸ハンバーグ」は肉々しさ満点でしっかりウマい! わかりやすさも込みでトマオニの看板メニューにふさわしい商品だと感じた次第だ。ゴリゴリの粗挽き加減が何ともワイルドな味わいである。

もう一方の「トマオニオリジナルハンバーグ」も安定のウマさで、少なくとも他のファミレスより劣っているという印象は一切なかった。逆にブチ抜けているとは思わなかったものの、安定のクオリティであることは間違いない。

また、食べ放題のカレーは「黒カレー」で、塩分がやや強くめちゃめちゃコク深くはなかった。言い換えれば普通のウマさで、個人的には「カレーだけでも食べに来るべき!」とは言えない……かなぁ?

・全然あり

ともあれ『トマト & オニオン』が「レア系ハンバーグが食べられるファミレス」だと思えば、使い勝手もいいのではないだろうか? もし近所にトマオニがあるならば、ちょいちょい利用してみたい。

価格などを考慮すると「サイゼリヤ級の神ファミレス!」とまでは言えないが、それでも45年の歴史をふわっと感じさせてくれたトマオニ。地方の店舗では「食べ放題」なども実施しているそうなので、今後も注意深く見守りたい。

参照元:トマト & オニオン
執筆:P.K.サンジュン
Photo:Rocketnews24.