2024年9月10日、つまり今日! 松屋が「親子丼」の販売を開始した。牛丼ほどではないものの、吉野家や松屋では期間限定でたびたび登場するド定番丼である。
ド定番ゆえに個性を出しづらいメニューであるが、果たして松屋の親子丼はどんな仕上がりなのか? せっかくなので親子丼の覇者「なか卯」のそれと食べ比べてみることにした。
・復活
まず、松屋が親子丼を販売するのはこれが初めてではない。今から2年前の2022年には「松屋が本気で挑む親子丼」の名で親子丼を発売している他、今年に入っても店舗限定でテスト販売が実施されていた。
2年前の親子丼を食べた佐藤記者によれば「もっと本気出せるでしょ……」とのことであるが、2年の時を経て松屋の親子丼はどう進化しているのか? 非常に気になるところである。
・親子丼といえば
一方、なか卯の親子丼は「なか卯と言えば親子丼。親子丼と言えばなか卯」と言われるほどの看板メニュー。昨年、490円だった親子丼を450円に値下げしたことは記憶に新しい。
なか卯レベルのエッジが効いた親子丼がある以上、松屋の親子丼が比較されてしまうのはある意味の宿命(さだめ)。味の良し悪しは当然として、松屋ならではの個性を期待したいところだ。
・テイクアウトで食べ比べ
というわけで、まずはなか卯の親子丼を実食。先述の通り価格は450円である。なお、今回は公平を期すため、どちらもテイクアウトで食べ比べを行った。
で、なか卯の親子丼は「さすがの安定感ですね~」というお味。甘さを感じる優しい味わいで、タマゴはトロトロ。三つ葉の香りがふわりと香りつつ、汁気が多いため “飲める親子丼” といった印象だ。
総じてなか卯の親子丼は「450円でこのクオリティ……!」と改めて感じずにはいられない、流石のコンディション。牛丼チェーン店にあるあらゆる丼の中でも、トップクラスのコスパ最強丼であろう。
・イケるか、松屋
お次に松屋の親子丼(590円)はというと……全然違う! まず明らかな差は、なか卯が「甘い優しい系の味付け」であることに対し、松屋は「塩分の効いたパンチがある系の味付け」であること。第一印象では全く違う丼だ。
また松屋の親子丼のエースは、ズバリ鶏肉。大ぶりにカットされた鶏肉は、なか卯の3倍~4倍はあろうかというビッグサイズである。松屋のコンセプトは「鶏肉が主役の親子丼」なのだろう。
さらに、なか卯には無い玉ねぎがシャキシャキとした食感で好印象。風味付けの海苔もいい仕事をしていた。食感・海苔の風味・鶏肉に関しては、松屋に軍配が上がるのではないだろうか?
・個性あった!
結果的に両者は全く違う親子丼で、なか卯が「優しい味わいの飲める親子丼」ならば、松屋は「ガツンとパンチが効いた鶏肉を食べる親子丼」といった感じ。肉・玉ねぎ・海苔の存在を考慮すると、590円が高いとは思わなかった。
まあ、なか卯の450円が異常であることには変わりはないが、方向性は大きく違うことが判明した親子丼対決。期間限定の松屋でパンチを求めるも良し、定番のなか卯でコスパの良さにビビるもまた良し……ということでいかがだろうか?
参考リンク:松屋 、 なか卯
執筆:P.K.サンジュン
Photo:Rocketnews24.