2024年8月27日から9月2日まで、日本橋三越本店で開催中の英国展2024。いつも行列ができている大人気の催しだ。
名店によるスコーンやウェルシュケーキなどのグルメの他、きらびやかな食器や本場のテディベアなども扱われる。SNSでは見ているだけでも充実度が半端ないというような感想も。
私もさっそく行ってみたところ、いやぁ、すごくいい空間でした! 至るところからいい匂いが漂ってきて、期間中は毎日通いたい。
・本館7階
ということで、やってきました日本橋。英国展の会場は本館の7階だ。
エレベーターで上がってみると、平日の昼前だというのに大盛況! いくつかのブースは待機列が会場の外周付近に設けられている状態だ。私もそのいくつかに並んだが、だいたい30分待ち程度だった。
注目度の高い何かしらを狙っている場合は、時間に余裕をもって参加した方が良いだろう。また、ものによっては1日の提供数が限られており、遅い時間だと売り切れている可能性もあると思われる。
逆に言えば、それだけ注目度と満足度が高いということ。速い時間に最速でブースに行くのが、唯一にしてベストなソリューションだろう。
可能なら全てをレビューしたいところだが、今回は予算が5000円程度。どうするか迷ったが、シェフが来場しているブースのうち、日本に無いものからいくつか選ぶことにした。
・ラッフルズ
まずはラッフルズ ロンドンのブース。ホテルの建物は007の映画でMI6の施設として登場するなど見覚えがあるもので、ブースでは総料理長のロジャー・オルソン氏が生地をこねる姿などを見られる。
買って来たのはスコーン3種と、ブースでお勧めしていたロダスのクロテッドクリーム(331円)。ジャムは家にあるものを使うことにした。
こちらがキャラメルピーカンナッツ(378円)。見た感じだと2番目に減っており、人気そうだったものだ。
生地からキャラメルの香りがただよい、そこそこ甘い。中のピーカンナッツが風味と食感の両方でアクセントになっている。けっこう落ち着いた味わいだ。
続いてがクロッカンチョコレート(378円)。チョコの中に焙煎したカカオニブが入っており、独特のクリスピー感と香ばしさを有している。こちらも落ち着いた味わい
そして最後がアールグレイオレンジ(378円)。これが1番減っていたもので、そして最もお勧めしたい品でもある。
その名の通りベルガモットの香りをまとったスコーン。もはや香水のように香りを周囲に放っており、このまま置いておきたいくらい。
中にはオレンジピールが仕込まれていて、上品な酸味も有している。ジャムとクロテッドクリームとの相性も素晴らしい! いい紅茶を買って来ればよかった。
・ゴーリング
続いてはゴーリングホテルのブース。バッキンガム宮殿の近くにある五つ星ホテルだ。故エリザベス女王も食事やパーティで利用する姿が度々報道されていた。
ブースは京橋にあるティーサロン「スリーティアーズ」と同じ。ホテルからはエグゼクティブ・ペイストリーシェフのクリス・セドン氏が来ている。
2019年のクープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー(パティシエの世界大会)では彼の掘った氷の彫刻が2位になり、過去には英国代表を率いたこともある人物だ。
さりげなくイギリス最高峰の凄い人が来ている。並んでいる間ブース内を見ていたが、クリス氏は卵を割ったり生地をこねたりと、パートを問わず作業していた。
ゲットしてきたのはプレーンとサルタナの2種のスコーン。
一番人気はプレーンで、一度売り切れていたのだが、5分待ったら焼きあがるということで、待たせていただきゲットした。こちらがプレーン(540円)。
特定原材料は小麦・乳・卵だけなのだが、これがとても甘い! べったりした甘さではなく自然で素朴なものなのだが、それがけっこうしっかり甘い。なんだこれは……?
甘さの仕組みはよくわからないが、とにかく甘く、内部はもっちりしていて美味い。そして表面のツルテカした部分が香ばしく、程よい硬さなのも良い。セドン氏が溶いた卵のような溶液を刷毛で塗っていた部分だ。
こちらがサルタナ(540円)。レーズンが入ったバージョンだ。こっちも美味いが、まずはプレーンで素の味わいを知るべきだと感じた。
・ベイクストーンズ
カーディフにあるウェルシュケーキの人気店「ベイクストーンズ」からは、オーナーのゲイナー氏とガマル氏が来ている。ゲットしてきたのはトラディショナルとホワイトチョコレート。ともに378円だ。
レーズン入りがトラディショナル。
白くて一見するとプレーンに見えるのがホワイトチョコレート。
私はこれが初めてのウェルシュケーキで、そもそもどんなものかすら知らなかった。食べてみて思ったが、なるほど英国面の甘食みたいなものだろうか。
ほのかにもっちりしつつも、基本はサクッとしていてポロポロと崩れる感じの食感。そしてケミカル感の無い甘さ。意外と日本と味覚の原風景的な部分では似ているのではないかと感じた。
・ブロックルビーズ
最後はパイだ! 2023年のイギリスのパイアワードで優勝したというブロックルビーズ。
どこにあるのかとググってみたら、けっこう凄いところからやってきていた。例え渡英しても、ここまで買いに行くのは大変そうだ。
こちらがビーフミンス&チェダーチーズ(837円)。
こちらが優勝したスモールモー&ブルー(837円)。
ここのパイは本物だ! 特に並ばず買えたのが不思議で、私が今まで食べたビーフパイの中で一番美味かった。
まずビーフミンス&チェダーチーズだが、濃い味付けとチェダー、そしてミンチのビーフの旨味がたまらない。ややジャンクみあるタイプ。
優勝したスモールモー&ブルーは、ゴロゴロと入っている角切りのビーフの満足感が素晴らしい。そこに濃い塩気と強い青カビの刺激を持つスティルトンブルーチーズを合わせるという判断が素晴らしい。もっとデカいサイズでこれを1食にしたいクオリティ。
ということで、予算の都合で紹介できるのは以上だが、会場では他にもチョコレートやファッジ、紅茶など、美味しそうなものだらけだった。これは満足度が高い催しだ。
参考リンク:英国展2024
執筆:江川資具
Photo:RocketNews24.
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