北海道出身の私(あひるねこ)にとって、ラーメンチェーンといえば「さんぱち」か「山岡家」である。特に山岡家は深夜でも開いているので、友達と飲んだ後にノリで行ったりしていた。懐かしいなぁ……。
よく考えたらもう何年も実家に帰っていない。急に山岡家が恋しくなり調べてみたところ、自宅からそこそこ遠いが、行けなくもない距離にあることが分かった。こうなったら久々に禁断の果実、深夜の山岡家をキメるか!
・人気ラーメンチェーン
北海道を中心に全国に展開するラーメン山岡家。ラーメン屋なのに24時間営業かつ年中無休という(一部店舗を除く)、道民にとってはコンビニのようなお店である。
深夜でどこも開いていない。が、山岡家の赤い看板だけは煌々(こうこう)と輝いている……。北海道あるあるの一つかもしれない。
私が最後に山岡家に行ったのは、たしか2016年の夏。もう8年も前だ。このままだとあっという間に年寄りになってしまうぞ。年寄りは食えんぞ、あんな濃いラーメン。行くなら今しかねぇ!
というワケで八王子から……
川越行きの八高線に乗り換え……
箱根ヶ崎駅へ。
・8年ぶりの山岡家を目指して
東京都内に山岡家は瑞穂店と青梅店の2店舗のみ(2024年8月27日時点)。そう、多摩エリアにしかないのである。目当ての瑞穂店は、ここ箱根ヶ崎駅から徒歩15分ほどとのことだが……
さすがに誰一人歩いてないな。トラックやバイクはちょいちょい走っているものの、歩行者はマジで皆無。知らない真っ暗な道を一人で歩くのこえーよ……。とその時!
あ、あれは……
間違いない……
山岡家の光……!
・感動の再会
目立ちに目立つ赤い看板。そして店外まで漏れ出る強烈な豚骨スメル。来た来たァァァァアアア! これぞ山岡家である!! 平日の23時近いというのに駐車場はフルハウス。人気は相変わらずのようだ。
醤油と迷いつつ、『特製味噌チャーシュー麺』(税込1100円)の『海苔増』(税込140円)をチョイスした。が、さらに行くか……? この時間にさらに行ってしまうのか……?
背徳の『背脂変更』(税込80円)……!
・店内へ
山岡家名物、ショットガン並みの勢いで出てくる冷水機によって手をびしょびしょにしつつ、静かに丼の到着を待つ私。
そのすぐ後ろでは、彼氏に初めて連れてこられた風のギャルが「この床、超スベる! ウケんだけど!!」と、まるで仕込みのような完璧なリアクションを見せていた。お嬢ちゃん、その通りだ。山岡家の床は天然のダンスフロア。準備ができたら……
さあ、踊るぜ!
見るからに濃厚なスープ、浮かぶ背脂……
ほろっほろなチャーシューは、箸で持ち上げると崩れてしまうくらい繊細で柔らかい。
海苔なんてナンボあってもいいですからね。
ではまずスープを一口。
うむ……
濃ッッ!!!!
・最上位の塩分濃度
さすが山岡家、完飲は許しまへんでと言わんばかりの濃さである。だが……! それがいい……!! 初めての地、初めての店舗であるにもかかわらず、地元に帰ってきたような安心感がある。こういう味わいの味噌ラーメンって、ありそうでなぜかないんだよなぁ。
この太いストレート麺も本当に懐かしい! 懐かしいを超えてエモい!! まさにエモ麺。
アラフォーになってからの山岡家はやはり内臓にクるものがあるが、わざわざ来た甲斐があった。我々には山岡家でしか摂取できない栄養と快楽がたしかにあるのだ。そのことを思い出せてよかったよ。
さて、帰りの時間を調べておくかとグーグルマップを立ち上げたところ、そこで私は意味不明な文字を目にする。
5時4分発……だと……?
・バグか?
いやいや、まだ23時台だから。次が朝5時って始発かよ。何を寝ぼけたことを。ちゃんと仕事しろ……え?
慌てて箱根ヶ崎駅の終電時間を調べる私。その結果……えー、大変申し上げにくいのですが、八王子方面の最終電車……
23時6分でした。
ほ、ほんげェェェェェエエエエエ! 終電ねェェェェェエエエエエ!! 嘘だろ……! こんなに終電早いの……!? 都内なのに……? 山岡家で終電逃すって、そんな数奇なヤツいまだかつて見たことないぞ……!!
繁華街ならまだしも、まさか新青梅街道沿いのロードサイド店舗前で万策尽きるとは思わなかった。私は一体どうしたらいいのか? もしあなただったらどうする? 深夜の絶望編は次のページへGOだ……!
参考リンク:ラーメン山岡家
Report:あひるねこ
Photo:RocketNews24.
ScreenShot:Google マップ(iOS)
深夜の「ラーメン山岡家」が恋しくなったので8年ぶりに行ってみた結果 → 家に帰れなくなった話 2ページ目(1ページ目はコチラ)
久々の山岡家を心行くまで楽しんだ結果、うっかり終電を逃してしまった私(あひるねこ)は、駐車場にひっきりなしに出入りする車を眺めながら一人絶望していた。
駅前まで戻ればタクシーを拾えるかもしれないが、電車で1時間近くかかった距離をタクシーに乗って帰る勇気と予算は私にはない。クソッ、これからどうしたら……よし。
いったん落ち着いて黒烏龍茶を飲もう。
・帰りたい
いったん落ち着いた後、タクシーがダメならチャリで帰ればいいのでは? という考えに至った私は、以前利用したシェアサイクルのサービス「HELLO CYCLING」に望みを託すことに。
近くに借りられる場所はあるだろうか? すると……
あった!
ここから徒歩15分ほど。市の集会所の敷地内にステーションがあるようだ。何やらRPGみたいな展開になってきたなと思いつつ、再び見知らぬ夜道を歩き始めた。
大通りから小道に入るとさらに静寂が増し、いっそう自分がどこで何をしているのか分からなくなってくる。私はただ山岡家に行きたかっただけなのに。そのままさらに歩き続けると……
え、ここ……?
入口が分からないのでぐるっと回ってみると……
あった。ステーションを発見。
・ビビるほど暗闇
画像で見るよりも現場はだいぶ暗い。目を凝らしてようやく自転車を確認できるレベル。本当に入っていいのだろうか? 通報されてもおかしくない暗さである。恐る恐る近寄ってみると……
うむ、何も見えん。
・暗すぎる
肉眼では番号すら確認できん。この時間帯の利用をあまり想定していないのかもしれない。スマホのライトで照らしながら何とかロックを解除。発進準備は完了だ。さて……
チャリで帰るか。
・ナイトクルージング
すでに日付が変わった真夜中。知らない暗い夜道をチャリで走るのは思った以上に神経を使うが……
困ったことに、これがなかなか楽しい。ほぼ誰も出歩いていない街中を一人でサイクリングしていると、異世界に迷い込んだような感覚に襲われちょっとワクワクしてしまう。
この日はあまり暑くなく、頬を撫でる夜風が気持ちいい。タクシーで帰るよりもよっぽど健康的ではないか。体にも、もちろん財布にも(ちなみにシェアサイクルの料金は税込630円だった)。
途中で多摩大橋通りに合流。あとはひたすらこの道を南下していけばいいらしい。
西武拝島線の下をくぐり……
奥多摩街道を通過。その直後、何だか遠くの方がやけに暗い気がした。え、停電? と思ったら……
多摩川だった。
この時間に初めて通ったが、深夜の多摩川はガチで闇である。ヤシマ作戦か? ってくらいの常闇(とこやみ)。吸い込まれそうなダークネス。そして無──。せっかくなので記念撮影しておこう。
チャリで闇を垣間見に来た。
その後、再び小道に入り
気付いたら……
自宅近くのステーションに辿り着いていた。
・欲望の代償
帰宅したのは午前2時半。そもそも、何でこうなったんだっけ……? あ、そうか。山岡家にラーメンを食べに行ったからだ。改めて1ページ目を読んだら別の記事すぎて泣いたぞ。
この徒労が少しでもラーメンのカロリー消費に繋がれば幸いである。山岡家へは大半の人が車で行くと思いますが、くれぐれも終電の時間にはお気を付けくださいね。久しぶりに食べられて私は嬉しかったです。ではまた。
参考リンク:ラーメン山岡家、HELLO CYCLING
Report:あひるねこ
Photo:RocketNews24.
ScreenShot:Google マップ、HELLO CYCLING(iOS)