私(佐藤)はかねてから、自分でメイクできるようになりたいと思っていた。ポールダンスでステージに立つ時に、男女問わず共演する皆さんは、キレイにメイクアップしてらっしゃるのに、ノーメイクはいつでもだいたい私だけ。「だって、やったことないからできないもの……」、そう諦めていたのだが、挑まずしてできるようになるはずがない。
ってことで、少しずつ練習を始めることにした。予備知識ほぼゼロでやり始めたら、やっぱりかなり難しい。とはいえ、繰り返すうちに何をどうすれば良いかわかってきた。わずか4日ではあるけど、成長を実感できているので、その成果をお伝えしたい。
・6年前の落書き風メイク
そもそもメイクに関しては、端(はな)から諦めていた節がある。絵を描くのも字を書くのも下手くそだから、顔を描くなんて出来っこないと。実際、2018年に出場したポールスポーツの大会では、開き直って「歌舞伎風メイク」をしていたくらいだ。
これを「歌舞伎風」といって良いものかわからないけど、落書きのような出来栄えだったと言わざるを得ない。むしろやってもこの程度にしかならないので、練習する気さえ起きなかったのだ。
・ダミアーノを目指したはずが……
放っておいて前進することなど、この世に何ひとつとしてない。「出来ないこと」を出来ないままにしていても、ただ時間が過ぎていくだけだ。
これではイカン! と思い、一念発起してこの盆休みの間に練習を開始した。実は過去に何度か挑戦したことがあって、多少なりとも自前の道具を持っていた。
それを引っ張り出して、盆中のある日に、何も考えずにメイクに挑戦。
私が目指す理想の男性メイク像は、「マネスキン」というロックバンドのボーカル、ダミアーノ・ダヴィドさんである。彼のアイメイクはめちゃくちゃカッコいい! ああなりたい!! ってことで、見よう見真似で挑戦した結果……。
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なんか違うな。何が間違ってるのかよくわからないけど、全然違う。面白パンダおじさんやないか……。
もしかして、アイシャドウ塗りすぎ? 眉毛が面白感を演出している可能性があるので、眉毛は消してみよう。その結果……。
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怖いだろ! 能面みたいになってもうた!!
だいたい道具が足りてない。パフがなかったから、ティッシュでファンデーションを塗ってたよ。そんな気構えで上手くできるはずがない。それからチップも汚れたヤツしかなかったので、セリアで一緒に購入してきた。
そもそもメイクの手順をよく理解していない。以前教えてもらったはずなのに、スッカリ忘れてしまっていたので、YouTubeのメイク動画で学習。再生回数の多い動画の配信者は、みんな上手いなあ~。当たり前だけど。
でも、それ見てたら自分も出来る気がしてきた! ってことで再トライした結果……。
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おお! だいぶ人間らしくなってきた。でも眉毛がな~。昭和のコメディアンというか舞台俳優みたいだ。真横すぎる。
SNSに都度画像を投稿して、練習の経過報告をしていたところ、各方面からアドバイスを頂いた。
まず「眉毛は眉頭をボカす」「黒は重いからライトグレーがいい」など。やはり眉毛に関する意見が多かったので、それを取り入れるためにドラッグストアへ。
数年前の女装企画で買ったマスカラがベタベタになってたので新しいものを購入。それから私の目指すメイクは「スモーキー」とかいうらしいので、それっぽいグレーの入ったアイシャドウ。そしてライトグレーの眉毛ペンも買って帰った。
購入商品とアドバイスを集約して、メイク練習した結果……。
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眉毛の主張は各段に抑えられた! 全体的に人間らしい。わずか3日でかなり人っぽくなって来たぞ!
とはいえ、ダミアーノさんにはまだほど遠い。そもそもシャドウを入れてる範囲がめちゃくちゃ狭い気がするなあ。まだ「メイク出来てる」とは言い難い。
不慣れな手つきでやってるもんだから、買ってきたリップを1発で折ってしまった。メイクって難しい……。
さらに別の日、3日目の反省を踏まえて、目の上の塗幅を大きく広くしてみた結果……。
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相当良くなってる! ……気がする。
良くはなってるけど、やっぱり理想からはほど遠いなあ。目の下のアイライナーが難しい。パンダみたいになっちゃう。慣れてきたとはいえ眉毛もムズいし、マスカラが上手くいかないんだよねえ。まばたきしちゃうし、マスカラがほかのところについてしまうんだよなあ。
とはいえ、まだトライは始まったばかり。なんとか1歩でも半歩でもダミアーノさんに近づきたい!
・1番ショックな気づき
メイクをちゃんと練習し始めたところ、いろんなことに気が付いた。練習4日目の私の気づきを共有しよう。
まずは化粧品って、6~7割が目のまわりに関する商品なんだな。そりゃベースメイクやリップなんかもあるけど、化粧の印象のほとんどが目で決まるからかもしれないね。
とにかく数が多くて、どれを選んだら良いのか全然わからない。商品名見ても何がなんだかよくわからないから、道具は勉強せねば……。
それから目に関して。自分のメイクの塗幅が狭かったのは、まぶたに塗れば良いと思ってたから。そもそも「目の化粧」は、まぶたの範囲と思ってたけど……。
実際の塗幅は眉毛の下から目の下辺りまでらしい。まぶたにしか塗っていなかったから、目を開けたら隠れてしまっていることに気づいた。
そして、自分が1番衝撃を受けたのは……。
思った以上に自分の顔にシワが多い! 鏡に写る自分の姿はジジイ!! ファンデが乗らん! シワが多くてすぐに下地が割れる! まぶたにさえシワがある!!
う~ん……、老化の現実はメイクではどうにもならんので、受け入れるしかなかろう。この枯れた大地(肌)にささやかな花を咲かしてやろうじゃないか。
ということで、ダミアーノさんになるために、これからしばらくメイクをがんばるぞ!
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24