酒飲みにとって福岡は楽園かもしれない。こういうのも、いろんなお酒の種類があることに加えて食事も充実。中でも博多餃子は一口サイズでツマミとしても優秀なのだ。
その一口サイズ、今じゃすっかりお馴染みとなっているが、発祥は「宝雲亭」というお店らしい。何気に行ったことがないぞ……ってことで、どんな感じなのか食べてみた!
・博多駅にある店舗
やってきたのは、博多駅にある商業施設「博多デイトス」内の店舗。まさか博多のド真ん中で発祥を食べられたなんて灯台下暗しとはこのことだ。
この日は休日の昼すぎだったにもかかわらず、運良く並ばずに入ることができた。そして席についてメニューに目を通すと……
おぉ〜!!!!
改めて「発祥」「昭和24年」といったような文言が並ぶと一気に興奮度が増す。昭和24年は西暦に直すと1949年だから、戦後まもなくして博多一口餃子が誕生したことになる。
中国満洲から帰国した初代が博多中洲に創業したのが始まりらしいが、いま大事なのはその味をしっかり確かめること。それから……
いかに美味しいビールを飲むかだろう。やはり暑い日の昼から飲むビールほどウマいものはない。犯罪的! 最高!!
・発祥の餃子を実食
──と危うく目的を失いかけたが、酔っ払う前にしっかりと餃子を味わおう。
こちらが博多一口餃子(10個600円)。写真だとサイズ感がちょっと分かりにくいかもだが……
指と比べたらこんな感じで、まさに一口サイズだ。ちなみに餃子はニンニク不使用で、 タマネギ、合挽ミンチ、ニラだけでやわらかな味わいを作り出しているそうな。このあたり女性、誰かと会う約束がある人は嬉しい仕様かも。
そして実際に食べてみると……なるほど。これは「他とのバランスを考えられた餃子」だな。
あくまで個人的な感想になるが、この餃子はラーメンやお酒に合うタイプって感じがする。餃子単体で味がするというよりは、何かと一緒になって力を発揮する的な。
というのも、一口サイズということもあって、口の中ですぐに消えてなくなるからあまり印象に残らないのだ。
いや、でもそうだとしたらどこにストロングポイントがあるのか……? それこそ一口での食べやすさ……?
この時ばかりは少し考え込んだ。どこにストロングポイントを置いているのかと。
・まさかの特徴
思わずスマホを取り出して公式HPを調べると、表示された情報を見て納得。なんと変わらない味を70年以上も守り続けているとの背景があるというのだ。強烈な特徴がないのが特徴……!
てっきり凄まじい特徴が餃子に潜んでいると思ってただけにこれは意外。最近の自由自在に変化したクセあり餃子とは全然違うから、逆になんだか斬新だった。
言ってみれば昔ながら。そんな表現がしっくりくるような餃子だった「宝雲亭」。こうやっていろんな戦い方があるから餃子という食べ物は面白く、奥が深いのかもしれない。
・今回ご紹介した店舗の詳細
名前 餃子食堂 宝雲亭(博多デイトス店)
住所 福岡県福岡県福岡市博多区博多駅中央街1-1 博多デイトス B1F 博多のごはん処
営業時間 11:00〜22:00(L.O. 19:30)
執筆:原田たかし
Photo:RocketNews24.
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▼一口黒豚餃子(10個600円)。肉肉しい!
▼メニューはこんな感じ
▼定食もあった
▼麺類もある
▼卓上はこんな感じ