恐らく渋谷・原宿エリアのカルチャーに明るい方で、「伊良コーラ」の存在を知らない方はいないだろう。金色のカワセミの絵が特徴で、周辺エリアのアイコンの1つとなって久しい。
今となっては常識レベルで広まったクラフトコーラだが、実は「伊良コーラ」はまだクラフトコーラという言葉がろくに認知されていない頃からシーンを牽引し続けてきた。業界の始祖の一角と言っても過言ではない存在だ。
元は代表自らによるキッチンカーでの販売だったが今では店舗を持ち、缶での販売も行っている。全国のローソンでも販売されていたので、飲まれた方も多いだろう。その缶がリニューアルされたということで……6年ぶりに代表に会いに行ってみることに。
・2018年
実は私は「伊良コーラ」が、まだ代表 コーラ小林氏のワンオペだった時代に取材を行っている。私が当サイトで記事を書くようになったばかりの、2018年10月の話だ。
私はその日、渋谷の国連大学前のファーマーズマーケットを、本当にプライベートでフラついていた。ちょっと喉が渇き、そこにあったキッチンカーで買って飲んだのが「伊良コーラ」だった。
当時はクラフトコーラなど、ググってもろくに情報が出てこない時代。マジで未知の味だった。しかしその美味さには、何よりも確信が持てた。これほどのものを紹介しない手は無い……と、初のノンアポ飛び込み取材を敢行したのだった。
奇しくも私はもっとも初期に「伊良コーラ」を取材したメディア側の1人となったが、これほどのものが成長しないはずがない。すぐさま雑誌やラジオ、TV等に取り上げられ、クラフトコーラブームを牽引。渋谷や原宿が舞台の各種コンテンツにも登場するなど、凄まじい速度で成長して今日に至っている。
・缶
2023年12月から缶バージョンがローソンで全国展開した時には私も近所の店舗で買って飲んだのだが、いい意味で大量生産品な感じが稀薄な、まさにキッチンカーで味わったクオリティに比肩する生のクラフトコーラ味で驚愕したものだ。
その缶がリニューアルされるのに伴い、2024年7月25日に先行で味わわせて頂けるとの連絡を頂いた。そういうわけで6年ぶりに「伊良コーラ」を取材すべく、渋谷神宮前の店舗にやってきたのだ。
こちらが6年経過したコーラ小林氏。仕事が休みの日にキッチンカーでワンオペしていたのは過去の話。今や社員を率いる組織の長である。そして手にしているのがリニューアルした「イヨシコーラ缶」だ! あとで詳しく触れようと思う。
もう片方の手に持つのは、新しく材料に加わった霊芝(れいし)。
霊芝とはキノコの一種で、国立健康・栄養研究所によれば中国では紀元前200年から文献に登場する漢方素材とのこと。日本ではあまり見ないが、かつてコーラ小林氏が台湾を旅した際、日本でも有名な高麗人参と同じくらい霊芝が人々から重用されていたそう。
その様子を見て、本場で生薬として親しまれている素材を日本で広めるのも自分たちの役目ではないか……という考えから、配合を決意したという。和漢方職人であった祖父の存在をルーツとして大切にしているコーラ小林氏らしいムーヴだ。
試しに匂いを嗅がせてもらったところ、霊芝はほのかに干しリュウガンみたいな香りがした。ちなみにコーラの味や香りのへの影響は、ほとんど無いという。
デザイン面でも大きく変わっている。こちらが旧デザインとの比較。コーラ小林氏たちは「缶の表と裏は、A面とB面だととらえている」そうで、それに倣いA・B面とさせていただいた。
初見で「いよし」と読めるかは微妙なところだったブランド名を、わかりやすくローマ字で大きく表記。カワセミの色や、下地の白の色合いにもこだわっている。
私も一見して、遠くからの視認性が向上したと感じた。漢字よりローマ字が目立つことで、雰囲気も柔らかくなったかもしれない。
それでは実際にリニューアル版を飲んでみよう。グラスに注いで
……ッ!! このフレーバーはマジで唯一無二! 何なら人のDNA型と同じくらい他と被らないまでありそうな、びっくりするくらい独自の味だ。しかし無意味に奇抜なのではなく美味いのが強い。
ちなみに、これはグラスに注いだものを下から照らした様子。入っているスパイスなどの粒子が見て取れる仕様。置いておくと沈殿するため、10秒ほど逆さまにしてから開けるのが重要なポイントだ。
缶バージョンの開発時には、この粒子が機械に詰まってしまうというハードルがあったとか。普通に舌ざわりでわかるくらい、色々入っているしな。
この新しい缶は7月30日から北陸、関東、中部、関西のローソン、関東の「ファミマ!!」で流通しはじめる予定だ。ぜひ飲んでみてくれ!
参考リンク:伊良コーラ、国立健康・栄養研究所
執筆:江川資具
Photo:RocketNews24.
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▼松任谷正隆氏作曲の「伊良コーラの歌」。
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