渋谷駅前にある「Shibuya Sakura Stage(渋谷サクラステージ)」の商業エリアが、2024年7月25日から本格的にオープンした。

2階で同日オープンとなるカルディには、「カフェ&ベイクス」という初のテイクアウトコーナーが併設され、軽食やスイーツなどを売るという。どんなクオリティか気になったので、さっそく買いに行ってみることに。

・初日

ということで2024年7月25日の午前10時前に、渋谷サクラステージへやってきたのだが……すげぇ行列だな。カルディにこんなに並んでいるのか? 


スタッフに聞くと、これはカルディ専用の列ではなく、一部を除く渋谷サクラステージに入居している全ての店舗への待機列なもよう。

そう、ここには化粧品ブランド「KATE」の初となるグローバル旗艦店や、サンリオのポップアップショップTSUTAYAなど様々な店舗が入居している。

この行列の待機者の目的はそれぞれ異なっているのだろう。私の目的は目の前にあるカルディだが、入るため列に並ぶことに。


まさかこれほどとは。最前列の人は一体何時から待機していたのだろう。私が並んでからも列は伸び続け、5分後くらいには最後尾の看板がはるか後方へ。


そして待つこと30分ほど。列は全く進まないが、最後尾はついに見えなくなり、陽炎の彼方へ


TVだかの中継クルーと思しきグループがいくつかいたので、すでにニュースなどでこの様子をご覧になった方もいるのだろう。


列が動き始めたのは45分ほど経過してからだった。やっと内部へ入れるぞ!


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しかし11時からすぐ近くで別の取材の予定があった私は行列から離脱した


・待機不要説

こうして取材を終え、再び戻ってきたのが12時過ぎ。またあの待機列に並ぶのはやべぇな……と思っていたら、行列はまさかの完全消滅

あれ? あれほどの行列が全部消えるってマジか! 施設内への入場も完全にフリーとなっている。私としては僥倖だ。TV等で凄まじい待機列を見ておののいていた皆さん、あれは初日のオープン前だけの現象だった可能性ありますよ。

もしくは、全く詳しくないので正誤は不明だが、あの待機者の多くは店内のテナントで唯一このような看板が出ていた「たまごっち」が目当てだった可能性がある。


少なくとも私が12時過ぎに戻ってきた時には、整理券必須の「たまごっち」を除くほとんどの店舗で言うほど混雑はしていなかった。「たまごっち」は、この時点でも整理券持ちと思しき人々が並んでいた。


・カフェ&ベイクス

こうして待望の「カフェ&ベイクス」へ。カルディプロデュースのテイクアウトがどのようなものか、見ていこうではないか。


まずはパン屋みたいなコーナー。ピロシキやオーブンサンドがあり、ちょっとした軽食にいいかもしれない。


しかし注目度が高いのは、おそらくこちらの見るからに美味そうなケーキ群だろう。小ぶりのサイズで、1つ500円前後の価格設定


セット売りもしているもよう。賞味期限が短く、全部はさすがに多いので、今回は特に美味そうなものを6種セレクトした。


このようなその場で作ってくれるサンド的なものもあったので、「モルタデッラ&ズッキーニ(800円)」もオーダーしてみることに。


カルディと言えばコーヒーだが、テイクアウト用ドリンクのメニューも充実している。


・ガチ

こうして帰宅。まずは「モルタデッラ&ズッキーニ(800円)」からだ。


なるほどね。このハムがモルタデッラ。


そして緑色のがズッキーニペーストだ。


いかにもオサレでハイソなカフェで出てくる、ちょっとお高い軽食って感じのクオリティ。”そういう層” が好みそうな、ジャンク感の無い味付けだ。

例えばスタバにもこの手のはあるが、それより0.5ランクくらい上を目指してそうな感じがする。渋谷を散策していて、ちょっとイイ感じな雰囲気をまとったもので小腹を満たしたい方はどうぞ。

そしてお待ちかねのケーキ。実は購入したケーキは熱に弱く、忌々しいことに今日も今日とて超猛暑だった。保冷剤を付けても帰るまで持つかわからないという条件下で急いで帰ってきたが……


おっ! 全て生存……


とはいかなかった模様。カルディの名誉のために述べておくと、添えられていた保冷材は常識的に十分な量だった。ただ、令和の夏がそれを凌駕したのだ


恐らくあと数か月はこの猛暑が続くと思われるので、溶けやすいチョコ系のものなどを買う場合は、自分で保冷バッグを用意した方が良いと思う

参考までに、今回猛暑でやられてしまった「サヴァラン・オランジュ(520円)」と「ノワゼット・カフェ(500円)」の在りし日の姿がこちら。溶け合って味がまあまあ混ざっていたが、間違いない美味さだったことだけは保証しておこう。


それでは無事だった4種を順番に見ていこう。これが「タルトレット・レーズン・オ・ラム(500円)」。


ラムレーズンとバニラのタルトということで、絶対美味いだろと思って選んできた。このバニラフレーバーのなんと上品なこと! 

ラムの香りも子供だましではなく、この最初の1品だけで「入れてる気合が違うな」と確信した。カルディはこのケーキにガチだ!

続いてはビジュアルで不可避だった「フランボワーズ・ピスターシュ(520円)」。緑と赤の組み合わせはだいたい強い。


やや熱でやられ気味なので、パーフェクトな状態だったころのビジュアルはこちら。


こちらもキルシュの効かせ方が、まぁお上品なこと! そしてフランボワーズがとてもいい。この実がぷちゅんぷちゅん弾け、新鮮すぎる果汁があふれ出てきてうまい。

フルーツケーキというのは、いかにフルーツを入れようと往々にして “ケーキと、フルーツケーキのフルーツ” になるか、フルーツの野性味あふれる風味を統制しきれず ”フルーツとケーキ” になりがちだと私は感じているが、このフランボワーズは生きながらケーキとフュージョンしている!

つまり、いいフルーツケーキということだ。これはマジでマストな1品だと思う。カルディってレベルじゃない。

最後はギリギリのところで暑さに耐え抜いた感のある「ガトー・オ・ショコラ・アールグレイ(480円)」と「ニュアージュ・ドゥ・フロマージュ(480円)」。

例によって元気なころの姿がこちら。


紅茶風味のガトーショコラと、レモン風味のチーズケーキだ。どちらも間違いのないクオリティで、特にガトーショコラはジュワジュワでお勧め。チーズケーキは冷やした方が美味そう。

ということで、カルディの初のテイクアウト形態「カフェ&ベイクス」。ここのケーキのクオリティは、マジで本職のケーキ屋だ!

それも青山とか白金とかでセレブを対象にやってそうな良い店くらいのレベルに達している。カルディの気合の入れ方がマジすぎる。

参考リンク:カルディコーヒーファーム
執筆:江川資具
Photo:RocketNews24.