池袋駅の東口を出てすぐのところに大正時代から営業を続ける老舗洋菓子店がある。お店の名前は「タカセ」。調べたところ、建物の1階はパン・洋菓子の販売、2階は喫茶室、3階はレストラン、9階にはコーヒーラウンジがあり……

さらに本店裏の別館にコーヒーサロンもあるという。なんとなく昔懐かしいパン屋さんだとは思っていたが、喫茶室やレストランまで併設していたとは……知ってしまった以上、行くしかあるまい。というわけで今回は、喫茶室とレストランをハシゴしてみた

・タカセ

1920年(大正9年)創業のタカセ、池袋で100年を超える歴史を持つ老舗中の老舗。賑やかな東口駅前の一角で、創業以来変わらぬ製法で洋菓子を焼き上げているという。ちなみに店名の由来は、創業者が香川県の高瀬町出身だからだそうだ。


もともとランチ目当てで訪れたのだが、3階のレストランは11時から。10時過ぎに到着したので2階の喫茶室でモーニングを注文することにした。



・喫茶室

もちろん2階に上がるのも初めて。ガラスケースにはレトロなパフェやかき氷が並んでいた。昭和の純喫茶そのものの雰囲気。内装は数年前にリニューアルされたらしい。


広い店内はほぼ満席……やはり人気のようだ。モーニングは朝9時からで、今回はホットケーキのセット(700円)を注文した。ホットコーヒーのおかわりは自由だという。



時間潰しにちょうど良い。窓の外には池袋駅……やはり店内だけ時間が止まっているようだ。外は令和、中は昭和。



素朴なホットケーキにシロップをかけながら、窓の外をぼーっと眺めていた。こういう過ごし方ができる喫茶店である。


昔ながらのホットケーキはもちもちしていて美味しい。ただ店内があまりに混雑していたためコーヒーのおかわりは断念することに。11時になったのでレストラン(3階)へ行くことにした。



・タカセグリル

11時のオープン直後にも関わらず、レストランもほぼ満席状態。もしかして開店前から並ぶ方もいるのだろうか。喫茶室同様、落ち着いた雰囲気。


端っこのテーブル席に案内されるや否や、日替わりランチ「チキンピカタ & タラのフライ(990円)」を注文した。レストランにも70年以上の歴史があり、すべて手作りにこだわっているそうだ。そう考えると安い。



日替わりランチは味噌汁付き、ライス(大盛り無料)またはパンが選べて、コーヒーもしくは紅茶もセット。まず味噌汁が運ばれてきた。



少し待ってランチセットがすべて登場。昔ながらの洋食屋的ビジュアルが食欲をそそりまくる。



チキンピカタは柔らかくてジューシー。シンプルな味付けながら、衣の香ばしさと鶏肉の旨みが口いっぱいに広がる。ベテランシェフだからこそ到達できる深みのある味。うまい。



タラのフライも外はサクサク、中はしっとりとしていて美味しい。ついさっきホットケーキを食べたことをすっかり忘れて一気に完食してしまった



食後にホットコーヒーでほっと一息。先にも述べたが、池袋駅前という超一等地でベテランシェフの手作り料理が気軽に楽しめるのは最高だ。本当にもっと早く知りたかった。


いや、少し大人にならないと老舗の良さには気がつかないのかも。9階のコーヒーラウンジは次の機会の楽しみにしておきたい。そんなわけで、皆さんも機会があればぜひ!



・今回ご紹介した飲食店の詳細データ

店名タカセ洋菓子 池袋本店
住所:東京都豊島区東池袋1丁目1-4 タカセセントラルビル
時間:喫茶室9:00〜19:30(土日祝は〜20:00) / レストラン11:00〜16:00 17:00〜21:00
休日:年中無休

執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.
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