今日はみなさんに、ちょっと殺し合いをしてもらいます。

これは2000年に大ヒットした映画「バトル・ロワイアル」の有名なセリフである。衝撃的な設定だったため、世代じゃなくても知っている人も多いだろうが……なんと令和の今、とあるスーパーで店長が殺し合いをけしかけていたのでご報告しておきたい。

・冷凍食品コーナーでバトルロワイアル

どういうことかというと、冷凍食品コーナーのたこ焼きが場所取り合戦をするかのごとくギチギチ状態で置かれていたのだ。店内が撮影禁止だったので写真はないのだが……


たこ焼きたちのせめぎ合っている様子は「君たちがどこまでやれるのか私に見せてくれ」と店長が言っているかのようだった。

で、見守ること数日。どうなるか知りたかったのでちょくちょく覗いていたところ、いきなり異変が起きたから目を疑うしかなかった。そう……


真っ先に殺された(売り切れた)やつが1人だけいたのだ!! 他も少しは減っているのに対して1つだけ完売。一体何があった!?



・3つを購入

あくまで今回の店舗のケースではあるが、ここまで1つだけ一気に売り切れるのは絶対に理由がある。そう気になったことで再入荷を待ち、それぞれ買ってみた。

比べるのは以下の3つ。実は袋型の「ふんわりたこ焼き(セブンプレミアム)」も売られていてカオス状態だったのだが、単にソースと青のりがついていないだけみたいなので除外した。

銀だこ、セブンプレミアムのたこ焼き、テーブルマークのごっつ旨いねぎたこ焼き。なお、売り切れていたのはセブンオリジナルのものだ。


作り方はどれも楽チンでトレーごとレンジに入れたらOK。食べ終えたらそのままポイもできるのは使い勝手がいい。こういうところも冷凍食品でたこ焼きが人気の理由なのだろう。



・食べ比べてみた

さて、食べて違いと人気の理由を探ってみよう。まずは海外、それからドジャースタジアムにも進出している築地銀だこから。

1つ1つ手焼きというだけに皮に特徴がある。なんというか「焼いてる感」が凄まじい。そしてフェーズが皮から中身に移ってもしっかりウマく、最後にゴロッとしたタコが出てくるところまでちゃんとしていた。

さすが銀だこ。「皮パリッ、中トロッ、タコがプリッ」という柱がどっしりしていて素直にウマい!


次はセブンオリジナル。銀だことは攻め方が違っていて、皮からふわっと入ってきてスルンと胃に落ちていく。

タコは大きく、個人的には主張しすぎないソースも好み。「THEたこ焼き」という表現がピッタリで売れていたのもよく分かる。


最後はテーブルマーク。通常ver以外に「ねぎたこ焼き」が選択肢にあるあたり人気なのがうかがえるが、前者2つとはまた少しだけ違うタイプだった。

というのも、ほのかに焼き感があるかなと思ったら、次の瞬間にはふっくらが追い抜いていくのだ。そしてそこにおろしポン酢という飛び道具が加わるとサッパリする。これはこれでウマいな……!


──と、いずれもたこ焼き本体、それからタコの大きさは変わらず満足のいくものだった。よって、1つだけが飛び抜けて売れるのはおかしい……とも思ったがレシートを見返したら決定的な差を見つけた。そう、値段だ。



・なぜ1つだけ売れまくっていたのか

今回の店舗だとセブンのたこ焼きが321円、テーブルマークが354円、そして銀だこが540円だったのである。頭ひとつ銀だこが高い。

大きさに違いがほとんどなく値段が実に200円くらい変わると、どうしてもセブンオリジナルの方を手に取る人が多くなる。その結果……というのが売り切れた背景だろう。

どうしても焼き感がないとイヤだ、それから銀だこの味が大好きといった条件がないならば……とりあえずたこ焼きを食べたいくらいの感覚ならセブンオリジナルで十分。個人的にはそう思う食べ比べであった。

執筆:原田たかし
Photo:RocketNews24.

▼実は銀だこもセブンプレミアム……!