格安イヤホンを聞き比べるため、私(佐藤)は日夜Amazonや楽天でイヤホンを探し漁っている。そうしていると、必ずしも良いものばかりにめぐり合うわけではない。ときには、「なんだコレ?」と言いたくなるような製品もある。
今回購入したイヤホンもまた、なんだコレ製品のひとつ。だが、あえてスルーせずに購入してみた。紹介するのは、ケーブルの長さが3メートルのある中華系のイヤホンだ。実際に聞いてみたところ、音が悪すぎて笑った、笑った……。
・3mの中華イヤホン
この製品名は正直わからない。Amazonで売っている中華系イヤホンではよくあることだ。一応書かれている名前をそのまま記載すると……。
「3.5mm有線イヤホン 3メートル長いコードイヤフォン 重低音 ステレオ カナル型 軽量 耐久 3mロングコード TVテレビ用 スマホ/タブレット対応 コードが長い (赤 マイクなし) 」
「マイクなし」って書いてあるけど、製品の特徴の欄には「マイク付き」って書いてある。どっちやねん! さらに製品説明も怪しい日本語である。
「高音質:マイクロサウンディングユニットのデザインんを採用して、音が繊細でいっぱい、低音が強く、高音は鮮明で自然し、そして音はより正確でバランスのとれた真実です。ネットワークを介した伝送後のロスのない音質は、ファンの声とまったく同じです」(原文まま)
言ってることがわかるようなわからんような……。でも、この怪しい日本語のおかげで、購入を見合わせる人がいるであろうことを想像すると、このままで良い気もする、うん。
ちなみに製品価格は税込899円。配送料が499円で、手元に届くまで約2週間を要している。
・有線でも動き回れる!
説明書はなく、イヤホンとイヤーピース(S・M・L)とケーブル用のクリップが付属していた。
Lサイズのイヤーピースはデカすぎる。ガバガバやな、これじゃあ音がダダ漏れになっちゃうよ。
イヤホン本体はチープだ。その見た目だけで音質の悪さが容易に想像ついてしまう。普段なら「見た目では判断できない。まずは音を聞かないことには」とお伝えするところだが、これに限っては見てわかる。良い音は期待できないと。
一応リモコンもついている。中央に点のような黒い穴が開いているが、これはマイクじゃないか?
ダミーである可能性もあり得るので、スマホに接続してたしかめたら、やっぱりマイクだった。なぜ「マイクなし」って書いてたんだ。何も得はないだろ。
さて、この製品最大の特徴はケーブルの長さだ。一般的なイヤホンと比べて、ケーブルの渦巻がデカい。
伸ばしてみると、普通のイヤホン(1.2m)をはるかに凌ぐ長さである。当たり前だけどね。
スマホに接続してイヤホンを装着するとご覧の通りだ。
スマホを床に置いた状態でも、半径3メートル以内なら自由に動き回れるぞ! スゲエ! 画期的!! まあ、動き回るのが目的なら、無線イヤホンにするのが賢い選択ではあるが……。
・聞き比べ
今回の検証材料はドゥービー・ブラザーズの「Long Train Runnin’」だ。まずはいつも通り、このシリーズのランキングでトップを走り続けている、JVCケンウッド「HA-FX6-T カナル型イヤホン」で聞いてみよう。
ギターのカッティングフレーズが特徴的なこの曲。うねるようなベースラインが音を下支えして、曲全体にドライブ感を与えている。
HA-FX6-Tはこの手の70年代サウンドを聞くのにふさわしいイヤホンだ。音数がそれほど多くない素朴なステレオサウンドを再生すると、それぞれの音を正確に分離している。バランスが整っていて聞きざわりも良い。
逆にいえば、音数の多い複雑な楽曲は抑制的になりすぎて聞きごたえに乏しいかもしれない。
さて、もう一方の3mイヤホンでも聞いてみよう。
再生を押した瞬間に笑ってしまった。音悪すぎ! 予想はしていたが、予想を超える音の悪さで思わず笑った!
ダンボール箱にスマホを入れて、音楽を再生しているような音のこもり方をしている。終始ガサガサと鳴っていて、かえって味があって面白い。音を劣化させるフィルターをかけているのか? と疑いたくなるほどだ。
昔の100均クオリティのイヤホンは全部こんな感じだったんだよなあ。むしろ最近の格安イヤホンの音が良すぎるのであって、この製品は「真っ当」と呼ぶべきかもしれない。
このシリーズで下から2番目に音の悪いイヤホンであった。ということで、順位の変動はなしだ。
1.JVCケンウッド「HA-FX6-T カナル型イヤホン」 税込821円
2.セブンイレブン(JVCケンウッド)「HA-FX711F-B」 税込1207円
3.ナガオカ「ハイレゾ音源対応イヤホン P908IB」 税込1298円
このランクは随時更新していきたいと思う。皆さんの音楽ライフの参考になれば幸いである。