実を言うと、丸亀製麺の渋谷道玄坂店は結構良い。半熟玉子天と鶏天が常備されているのである。丸亀天ぷら激ウマ2トップのこの2つはない店もあるから常にスタンバってるのは熱い。なんならコロッケもあるし。

というわけで、道玄坂の飲食店では丸亀製麺渋谷道玄坂店を比較的よく利用しているのだが、今日行ったところ、先日まで「甘口トマたまカレーうどん」だった看板が、店舗限定メニューになっていた。その名も「うドーナッツ」。半分うどんで作ったドーナツらしい

・お前は何を言っている?

攻めすぎだろ! そのコロンと可愛こぶった見た目は煽られているようですらある。うどんなのに! 丸亀製麺なのにィィィイイイ!! あざとかわいいとはこのことか。キィィィーーーー!

キレそうになったので逆に食べてみることにした。他のうどんと違って、レジ前に袋入りで置かれている「うドーナッツ(5個入り税込300円)」。特別扱いと言っても過言ではないだろう。


・可愛くてごめん

そのお立ち台展開に「気になっちゃうよね?ごめん」と言われているような気がした。クッ、うどんなのに……!

お立ち台に貼られたポップによると、どうやら、味付は「お持ち帰りコーナー」で自分でやるものらしい。お持ち帰りコーナーとは? 店員さんに聞いてみたところ、薬味コーナーの向かいにうドーナッツ用のきび糖コーナーができていた。


・自分で味付け

「スプーン一杯お入れください」と書かれている。そこできび糖が入ったステンレスケースを見たところ、残り少なくなっていた。すでに結構売れているのかもしれない。

かき集めて袋の中にかけてみると、サラサラのきび糖にうドーナッツがちょっと埋もれるくらいかかった。一杯分は結構量がある。擦りきりだとかけすぎなのだろうか?


・ドーナツっぽくはない

と思いきや、食べてみるとちょうど良かった。きび糖の甘みが控えめなおかげできな粉みたいなナチュラルな甘みになっている

さらには、半分がうどんだと思うけど、サクッとした食べごたえではなく、「くにゃっ」「もちっ」とした感じだ。サクサクさがないためドーナツっぽさは感じないのだが、逆にこの柔らかさには和菓子的な雰囲気がある。


・半分はうどん、ならばもう半分は?

その油っこくない食感と、きび糖のナチュラルな甘みのためか、後味もドーナツよりスッキリしていた。胃が重くならないというか、なんか優しい。

思い返してみると、店員さんも「半分うどんでつくった」ことをアピールしていたが、もう半分については言及していない。これは見方によっては言及を避けているようにも見える。

関係者が言及を避ける丸亀製麺うドーナッツのもう半分の成分とは? 個人的な推理でしかないが、これはひょっとしたら “優しさ” なのかもしれない

あざといとか可愛いこぶってるとか言ってごめんな。時に怒りはたやすく人の目を曇らせる。心が何かに支配されていると感じた時は丸亀製麺のうドーナッツを食べてみると良いだろう。こんな俺にも優しさをくれた丸亀製麺の「うドーナッツ」は、ただのうどんではなかった

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
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