2024年5月7日に九段下にオープンした東京チカラめし食堂。オープン時の様子は以前の記事でお伝えしているが、その記事の中に「かしわ天ざるそば」というメニューがあることに気づいた。

東京チカラめしのそばとは? 色んな町で立ち食いそばを食べる連載「立ち食いそば放浪記」を続けている私(中澤)としては気になるメニューだったので東京チカラめし食堂に行ってみた。

・めっちゃ役所

東京法務局も入ってる庁舎・九段第2合同庁舎の地下にある東京チカラめし食堂。平たく言うと役所だけに建物内に一歩入るとおカタい雰囲気が漂っていた。こんなところに本当に東京チカラめしがあるのかと不安になるほど事務的な階段を降りたところ……

確かに地下の食堂に「東京チカラめし食堂」という看板が掲げられていた。見慣れたオレンジの看板に、海外でマクドナルドを見つけたような安心感がある

・麺メニュー

メニューを見てみたところ、そばは「えびたっぷり海鮮かき揚げそば」になっていた。どうやら、そばメニューは週ごとに替わっていく様子。さらに、曜日ごとにうどんやラーメンになったりするようだ。

そばというより、日替わりの麺メニューという雰囲気に食堂みを感じた。券売機を見ると、「えびたっぷり海鮮かき揚げそば」は650円の様子。



・そばを食べてみた感想

立ち食いそばの基準で言うと、特に安くはない価格である。とは言え、何か特徴があれば高いというほどのものでもない。はたして、このそばはどうなのか。注文してみたところ……

かき揚げ天がデカイ。そばにフタをするようなかき揚げ天に、まずはそう感じたのだが、箸で持ち上げてみるとなかなかどうして厚みもある。これはなかなか立派なかき揚げ天だ。

さらに、個性的なのは見た目だけではなかった。そんなかき揚げ天を食べてみたところ、入ってる海老もデカイ。チリメン的な海老じゃなく、ボリュームのあるむきえびで、殻の揚げた味以外に身の味もしっかり感じられる。

海鮮の風味が甘みのある優しい味のつゆとも合っている。そばはペロンとした食感で特に良いわけではないのだが、かき揚げ天とつゆで総合的にちゃんと戦える味になっているのは食堂そばと考えるとなかなかの出来だ



・ただ……

ただ、周囲を見たところ、そばを食べている人はいない。それどころか焼き牛丼を注文している人すらいなかった。っていうか、よく見たら周りの人、ほとんどこれしか注文してねえ! 入ってみてそう思った東京チカラめし食堂のメニューとは……


定食

改めてメニューのチラシを見ると、カジュアル定食(650円)、ボリューム定食(750円)、彩り定食(700円)と3種類あって、カジュアル定食とボリューム定食は日替わりになっている様子。私が行った時は本日のボリューム定食である「ハニーマスタードソースチキンカツ定食」を注文している人が目についた

まあ、官庁ビルの地下食堂という立地を考えたら、毎日来る人も多いだろうから、最終的にその選択に落ち着くのは頷ける。逆に言うと、そういう人に向けて飽きないような配慮を感じたのであった

・感じた変化

というわけで、東京チカラめし食堂においては焼き牛丼はどちらかと言うとオマケ的存在。ちょいガッツリめの食堂というオーラの方が強く感じる。ここは従来の東京チカラめしと大きく違う点な気がする。

そういった食堂みのためか、広いスペースは人で埋まっていた。昼時で飲食店が少ないという事情はあるにせよ、人数だけ見たら今のところ盛況と言ってもいいのではないだろうか。死の淵を覗きながらも東京に再起してきた東京チカラめし。リベンジなるか。



・今回紹介した店舗の情報

店名 東京チカラめし食堂
住所 東京都千代田区九段南1-1-15 九段第二合同庁舎地下1階
営業時間 11:00~14:00(一般利用可、6月より夜間営業予定)
定休日 土日祝(閉庁日は休み)

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.