私(佐藤)は普段、ほとんどラーメンを食べない。とくに理由はないのだが、食事の選択肢に挙がることがないのである。そんな私が、新宿駅構内に最近誕生した飲食エリア「イイトルミネ」で、図らずも「らーめん 鴨 to 葱」で食事したところ、いろいろなことに驚いてしまった

不満があるわけじゃないが、何もかもあの丸い角刈りのせいである……

・俺が行こう!

事の発端は、2024年4月17日にオープンしたイイトルミネについて、当サイトの和才雄一郎と話していた時のことだ。この施設は改札内にあり、飲食店を中心に28店舗が営業を行っている。

すでに和才がレポートしているように、改札内にも関わらず寿司屋やお茶漬け屋があることに驚いてしまう。よくこんな場所に寿司屋とか作ったよなあ。

中でも人気なのが、大阪の老舗「551蓬莱」の創業者のお孫さんがやっている豚饅専門店「羅家 東京豚饅」だ。ここはいつ前を通りかかっても、絶対に人が並んでいる。外まで並んでいる。


佐藤「和才、あの豚饅、いつも行列で買える気がしないよな」

和才「そうなんすよね。いつも並んでるんすよ。でももしかしたら、8時のオープンに行けば買えるかもしれないっすよ。僕、行きたいんですけど、朝は娘を送って行かなきゃいけなくて……」


佐藤「そうか、じゃあ俺が行ってきてやるよ。お前は娘さんを送ってやってくれ」

和才「ほんまっすか! じゃあお願いします!


こうして、私が和才に変わって朝8時に新宿駅へ行くことになった。振り返れば、和才とも10年を超える付き合いになる。多分編集部の中で、和才には1番迷惑をかけている気がする

なにしろ私は誤脱字が多い。それを彼は下読みの段階で、いつも丁寧に直してくれるのだ。それも黙って。せめてもの恩返しだ、和才よ、安心しろ。俺が行ってきてやるからな!



・似合ってるぞ

さて、8時ちょうどにイイトルミネに着いた。もしかして、朝から行列ができているかも? と思ったが、その様子はない。よし、記事の方向性は決まった。「東京豚饅は朝が狙い目! 8時なら余裕で買えるぞ~!!」だな。これでバッチリ!


で、お店はどこにあるんだっけ? お、そこか。入ってすぐだな。


たしかにイイトルミネは8時にオープンする。しかし…………


東京豚饅の営業は10時からだった!

2時間後じゃないか、チキショーーーッ!!!!



騙したなーッ! この丸い角刈り野郎め!! 丸刈りなのか角刈りなのか、どっちなんだコラッ! ハッキリしろーーーッ!!!!


……いや、すまん。つい本音が出た。お前もその髪型、不本意なんだろうな。1000円カットで「このまま短くしてください」って言っただけなんだもんな。

似合ってるぞ、その丸い角刈り。カッコいいぞ、うん。そもそも、俺が自分で開店時間を調べなかったのが悪いんだ。取り乱して本音を言っちまってすまなかった



・驚いたこと

さて! せっかく来たので、8時から営業している「鴨 to 葱」に寄って帰るとしよう。そもそも朝8時からラーメン食べる人がいるのかな?

……と思ったら、それが結構いて、開店と同時に4~5人が券売機で食券を買って席についていた。朝から利用客が多いことにまず驚いた。お店の名前を聞いたことはあったが、そこまで人気とは知らなかったよ。


それで食券を買おうとしたところ……、ナニこのメニュー!? 飲める親子丼(税込380円)!


カレーは飲み物なんて言われているけど、親子丼も飲み物だったとは。しかも、ミニ丼とはいえ結構安いんじゃないかな。


食券を手に席に着こうとしたところ……、ここのカウンター、畳! 席が畳なんじゃなくて、カウンターの天板が畳じゃないか!


たしかに畳は水はけはいいけど、濡れたら傷まないかな? なんて余計な心配をしてしまう。



・鵜呑みにするな

さて、まずは親子丼登場。見た目はたまご多めのみそ汁みたい。上の水分は生卵だな。


中にはちゃんとご飯もいます。丼ではあるけど、なかば雑炊みたいな感じ。丼物を食べているというよりも、やはり雑炊や茶漬けのような感覚で食べられます


一緒に頼んだ、「鴨らーめん」(税込980円)も出てきた。


この丼、細長いんです。そこも小さな驚きポイント。おそらく、丼の口を狭くして冷めにくくしているのだろう。実際、丼はめちゃアツです。


合鴨と葱と水だけでとったという出汁は、鴨の旨味が強く、脂の甘さが特徴的。それに醤油だれをきかせて味を整えている。一般的なラーメンのように野菜がほとんど入っていないので、鴨の味が非常に強い。独特のクセがあるのでちょっと好みのわかれる味 “かも” 。鴨だけに……。


麺は国産小麦と全粒粉をブレンドした特注の細麺。スープをまとった麺をすすり上げると、鴨の旨味が口に広がる。


全体的に味が甘く仕上がっているので、卓上の柚子胡椒と自家製香り一味を使うことをおすすめする。これらを加えることで、味が引き締まって、より一層甘さが引き立つ。ただし、かけすぎに注意。とくに柚子胡椒を入れすぎると、鴨の旨味が損なわれる可能性があるので要注意。


ということで、丸い角刈り……。いや、和才のおかげで図らずも朝から美味しいラーメンを食べることができた。皆さんも買い物に出かける際は、人のいうことを鵜呑みにせずに、自分で営業時間を確かめよう!



・今回訪問した店舗の情報

店名 らーめん 鴨 to 葱 イイトルミネ新宿店
住所 東京都新宿区新宿3丁目38 JR新宿駅B1階 改札内
時間 8:00~23:00(L.O.22:00)
定休日 なし(施設に準ずる)

参考リンク:イイトルミネ
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24

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