最近すっかり有線イヤホン生活が落ち着いてきた佐藤です。以前は線の取り回しが邪魔臭くて、ワイヤレスしか受け付けない体になっていたのだが、ダイソーのハイレゾイヤホン(税込550円)に衝撃を受けて以降、再び有線生活に返り咲いた次第である。
さて、私の格安イヤホンを探す旅は続いている。前回、JVCケンウッド(Amazonで税込821円)に出会って、音響メーカーの本気を垣間見た。
今回はPC周辺機器の大手「エレコム」のイヤホンの音を試してみたいと思う。Amazonでの購入価格は税込579円である。PC機器を作り続ける企業の実力を見せてもらおうか……。
・今回のチャレンジャー
購入した格安イヤホンは、私なりに格付けしている。ダイソーのハイレゾに出会った当初は、イヤホン業界の価格破壊が起きるのでは? と危惧するほど、音の良さに衝撃を受けたのだが、音響大手のJVCケンウッドには力及ばなかった。
私ランキング、現在1位はJVCケンウッドの「HA-FX6-T カナル型イヤホン」である。
さて、今回のチャレンジャーはエレコムの「EHP-F10IABK」である。製品仕様はこんな感じだ。
商品の詳細に触れる前に先に言わせて欲しい。包装が過剰気味なんだけど! JVCケンウッドは紙箱に本体と厚紙1枚しか入ってなかったよ! この製品はプラスチック製の容器が全部で3つも付いてきた! もうそろそろ、こういうのはやめて欲しいよね。地球に優しく!
それから、コードを折りたたんで結わえるのもやめてよね! 曲がりグセがついちゃって、元に戻んない場合もあるからね! 頼むよ!!
さて、小言はこれくらいにして……、製品について見ていこう。
イヤホンはセミオープン型。iPhone純正のイヤーポッズと同様の形状をしている。イヤーチップの代わりにシリコンカバーがついている。これで耳にアジャストさせる仕組みだ。
耳に突っ込むカナル式が苦手な人には良いかも。スピーカー部が前方を向いているので、耳奥までしっかりと音が届きそうだ。
・聞き比べ
音を聞き比べてみよう。今回は映画『バックトゥザフューチャー(1)』のメインテーマで音質を比較する。作曲はアラン・シルベストリ、演奏はアウタタイム・オーケストラである。まずはダイソー「7301」で聞いてみる。
高音域の再現度が非常に高く、音抜けが良いので、この手の金管オーケストラが生きる楽曲で俄然力を発揮する。
だが、そこが長所であり短所でもある。高音がいきすぎて、シャカシャカと浮ついた感じは否めない。強いていうなら「青い音」だ。音鳴りの勢いが若い。
次にJVCケンウッド「HA-FX6-T カナル型イヤホン」で聞いてみよう。
高音はダイソーに分(ぶ)がある。金管楽器の特性を楽しみたいのなら、ダイソーをオススメせざるを得ない。
しかしこちらは、中低音の響きが良くて、成熟した音を楽しむことができる。オーケストラ全体の豊かな演奏を聞くなら、絶対こちら。リッチな音楽体験を求めるなら、音響機器メーカーに任せるべきだろう。
最後にエレコム「EHP-F10IABK」。
正直に告白しよう、実際に聞くまで「エレコムか~(笑)」くらいの気持ちで構えていた。ところが、音のスケールは思った以上にデカい。ダイナミックで広がりのある鳴りをしている。
意外とパワフルで驚いたのだが……音域の幅はやや狭いかな。グシャっと潰れたような聞こえ方をする。圧縮されていると言いますか……。
思えば、その昔エレコムの卓上スピーカーを使っていたけど、こんな感じの音がしてたなあ。パワフルだけどグシャっとしている。ある意味エレコムらしい製品である。
ということで、今回はランキングに変動ナシ。
1.JVCケンウッド「HA-FX6-T カナル型イヤホン」 税込821円
2.ダイソー ハイレゾ対応イヤホン「7301」 税込550円
3.スリーコインズ「高音質イヤホン(低音域タイプ)」 税込550円
世にはまだまだ格安イヤホンが大量にあるので、順次検証を進めていくとする。このランキングは随時更新していきたいと思う。皆さんの音楽ライフの参考になれば幸いである。
参考リンク:エレコム、Amazon
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24