カンジダ……。どこかの国の名前とかではなく、シモの病気の名前である。
シモの病気というと、いかがわしいことをしたとか、不潔にした……という印象を持たれそうなのだが、一切そんなことはなくても「カンジダ」はかかる。
かかったことがある人には分かると思うが、カンジダはめっちゃ辛い。
私は過度のストレスが引き金でカンジダになったことがある。新生活を迎える季節、カンジダで苦しむ女性が減るように書いておきたい。
・ブラック企業に入社
これまでも何度か書いているのだが、パワハラがひどい編集プロダクションに入社してしまったときのこと。
直属の上司は最初から不機嫌なうえに、挨拶もそこそこに初日からガッツリ仕事を振られた。
ものすごい早口で急に指示を出されたので、聞き直したら「なんでメモをとってないんだ」とブチ切れられ、この時点で不穏な空気が漂っていた。
さらに午後から、社長が会社の中を案内しながら装飾品や設備を自慢し始めた。年代物のワイン、カッシーナのソファ、全自動で開閉する応接室……。
キッチンスタジオにある「サメの皮で作ったワサビおろし」なるものを自慢されたときのこと。
「へー、すごいですね、こういう物って社長がご自分で選んでるんですか?」と私が言ったのが、なぜかカンにさわったらしく……
マグマ大使のごとく社長の顔色が一瞬で変わり「うるせえな!! 誰が選んでたっていいだろ!!!!」と怒鳴られたのである。
キレポイントが分からない……なんなんだこの会社……。ヤバい会社に入ってしまった。
・翌日、股間に異変
とんでもねえ会社に入ってしまった。新人なので分からないことだらけなのに「何か言ったら怒られるかもしれない環境」というのは非常によろしくない。
新しい環境ってだけでもストレスフルなのに、常に「黒ひげ危機一発」みたいな緊張感で仕事しなくてはいけなくなった。
「マジで会社に行くの嫌すぎる……」と思った翌朝、体に異変が起きた。
女性自身が……
燃えるように……
\か ゆ い !!!/
今までに経験したことのないようなかゆみである。「かゆいな〜」って感じじゃなくて、内側からカッ!! と燃えるように一瞬でかゆみが襲ってくるのだ。
痒みの質が違う。これはどう考えてもおかしい。
結論から言うと、たった1日でストレスのキャパを超えて「カンジダ」を発症していたのだが……。
・かゆみと怒られの恐怖に耐えて仕事
絶対おかしいので病院に行きたいが、あのヤバい会社で入社翌日に「病院行くので遅れます」なんて言ったら殺される。
しかし、場所的にかきたくても絶対かけない場所である。かいたら多分怒られる。猛烈なかゆみと怒られの恐怖に耐えながら1日をすごした。
どんくらい痒いかって言ったら、エアギターを弾いてるふりしてかきむしりたいくらい。ていうか、エアギター選手権に出たら多分優勝できたと思う。
燃えるようなかゆみをごまかすために、気合を入れるふりをして下腹部をパーン!と叩いたりしていた。よく考えたら変であるが……。
石鹸で洗っても、デリケートゾーン用のフェミニーナ軟膏を塗っても、何をしても治らない……。
のちに分かったのだが、石鹸で強く洗ったりするのは逆効果らしい。
・ストレスや抗生物質投与で発症するカンジダ
ようやく週末になり、婦人科に行ってくだされたのは「カンジダ膣炎」。膣錠と塗り薬をもらったら数日で軽快した。
そもそも、カンジダ菌は、健康な状態でも膣内にいる常在菌である。
しかし、ストレスや免疫力の低下、抗生物質の投与、ホルモンバランスの変化などで、膣内のバランスが崩れてカンジダ菌が増殖して、かゆみなどの不快な症状が出てしまうのだ……。
心身ともに弱っているところに、味方の菌まで攻撃してきて股間が痒くなるなんて、なんという人体のバグ。
女性の5人に1人が発症する病気なのだが、まあ、股間がかゆいなんて誰にも相談できないし、場所的にかけないし最悪である。
ちなみに、1度かかると繰り返しやすく、私はインフルエンザなどで抗生物質を投与したときも、カンジダの症状が出てしまった。
新生活で過度なストレスなどを感じて、股間に異変が現れた人は、ぜひとも婦人科に行ってみてほしい。恥ずかしいけど、恥ずかしい病気じゃないからね!
あと、カンジダを発症するようなヤバい職場は早めに退職したほうが吉である。体からの警告なのかもしれないから……。