ここは雨の降る神田。私は腹が減っていた。何か食うか……おや? 丸亀製麺の前でスタッフが何かやってるぞ。
いや、なんだか様子がおかしい。丸亀製麺所? よくわからないが、ちょうど期間限定での催しを行っているもよう。とりあえず入ってみるか……!
・丸亀製麺所
誘われるまま店内へ。聞くと、2024年3月22日から31日までの期間限定で、丸亀製麺の神田小川町店が「丸亀製麺所」という特別仕様になっているもよう。
どう特別なのかというと、ここだけ全員「麺職人」で運営しているのだ……!
「麺職人」とは、丸亀製麺内で試験に受からないとなれない “うどんのスペシャリスト”。合格率は約3割しかないとか。割合的には東京大学の入試と似たようなものである。
ほう、襟元が紺色の人が「麺職人」なのか。どれどれ……と店内を見ると、マジで全員の襟元が紺! エースしかいない。
今日は北海道や広島などから来た「麺職人」たちが、この神田で腕をふるっているという。いわれてみれば、動きのキレがいつもの丸亀とは違う気がする。
配備された人員のスペック的に、「丸亀製麺所」は究極形態の丸亀とみなして差し支えないだろう。
というか株式会社丸亀製麺による「丸亀製麺所」って、もしかしてネーミング的にも、社の総力みたいな、そういうのが込められていたりする感じです? どうなのだろう。
丸亀製麺は2024年2月末時点で、全国に838店舗もあるらしい。その中で、私が今いるこの店舗のうどんが、理論上は最も美味いはずなのだ。入ってよかったぜ。
そして、うどんのメニューは1品のみ。「三種の利きうどん(500円)」だ。
「釜揚げ」「醤油」そして「かけ」の3種のシンプルなうどんがセットになっている。とにかく究極のうどんを食えということだろうか。
・三種の利きうどん
1品しかないため、列に並べば うどん は自動で提供される。また、天ぷらもちょうど揚げたてが出てきたため、3種を確保。
天ぷらをどけて、曇ったレンズを拭き……これが、丸亀の全力のうどんだ!
まずは「釜揚げうどん」。
はぁー、麺がモッチモチでうめぇ! 水で締めていないがゆえの食感だ。職人のみという店舗のコンセプトの影響もあるかもしれないが、いつもより美味く感じる。
続いて「かけうどん」。
釜揚げとは、明らかに舌ざわりが違う。そうか、こいつは1度水で締めているからか。こんなに変わるものなんだなぁ。リングイネとスパゲッティくらい違うわ。
そして最後は、通常の店舗では販売されていない「醤油うどん」。
チュルチュル感とコシュコシュ感がとても強い! 水で締めた麺を、冷たいまま提供しているからだ。うどんの千変万化ぶりはたいしたものだ。
3種全てがシンプルな形態ゆえ、食べる前はまあまあ似たようなもんではないかと思っていた。しかし連続で食べると、予想を超えて違うことが実感できる。
いやぁ、面白いなぁ……! まるで うどん のテーマパークだぜ!! ちょっとした比較実験をやっている時と同じ楽しさがあった。
そして、究極形態の丸亀による、全力の うどんを食ったという満足感と優越感。私の うどん経験値が上がった。
これはメシとしても、体験としても、けっこう良いものだ。神保町とか淡路町とか御茶ノ水あたりに行く用事がある皆さん、お勧めです。
参考リンク:丸亀製麺
執筆:江川資具
Photo:RocketNews24.
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