もはや日本の国民食……といっても過言ではないコンビニのおにぎり。

進化に進化を遂げ、具も海苔もないシンプルな「塩むすび」で勝負できるほどになっている。

会社の最寄り駅のそばにあるファミマでおにぎりを買うことが多いのだが、最近、ファミマのおにぎりがめっちゃイケてるのである。

あんまり宣伝されてないけど、密かなる革命が起きていた。と同時に思い出したのは「あの炎上事件」だった……。

・新作「スパイシーツナ」と「さば麻辣」

簡単に言うと、おにぎりの具に今っぽい「スパイス系」が増えているのだ。

とはいえ今やコンビニでビリヤニも買えるし、異国情緒漂う本格派のメニューは珍しくない。

ファミマの新作おにぎりの絶妙なところは、トガリすぎた本格感ではなく、定番の具にちょっとだけ今っぽいアレンジを加えていること。

ちなみに、ファミマは2023年秋におむすびの機械を新しくして、ご飯が手でにぎったような、ふっくら食感になったという。

それにともなって具材を若者向けにアレンジしたらしいのだが、特に「スパイシーツナ」と「さば麻辣(まーらー)」がめっちゃ美味いのだ。


・さば麻辣(149円 ※一部関東限定)

まず、今は関東限定で販売されているらしい「さば麻辣」。

こちらは、さばの塩焼きに、いま流行りのしびれる辛さの麻辣風味をほどこしている。

見た目はいたって普通のおむすびで、ご飯は白飯。

実際に食べてみると、サバの塩焼きに「辛そうで辛くない少し辛いラー油」的な調味料をかけた感じ。

実は香辛料がたくさん使われている。にんにくチップっぽいものも入って、サクサクとした食感でちょっとジャンクな風味も。サバの臭みを麻辣が消しているのもいい感じである。新しい!



・手巻きスパイシーツナ(165円)

個人的に大ヒットだったのが一見地味にも見える「スパイシーツナ」である。

これはコンビニおにぎりの王者「ツナマヨ」に青唐辛子を加えたもの。よくある赤唐辛子じゃなくて、辛味が強い青唐辛子を使っているのがポイント。

ピリ辛よりは1段回レベルが上の辛さだけど激辛ではない、これまた絶妙なラインの辛さなのだ。

ツナマヨのクリーミーさの中に、ピリッとした唐辛子の刺激が入るだけでここまで美味しくなるとは……。これは定番として残してほしい。



・和風ツナマヨ炎上事件

この「新しいおにぎり」で思い出したのは、かつての炎上騒動である。

テレビ番組「ジョブチューン」の企画「ファミマ vs 超一流料理人」でのこと。

これはチェーン店が自信作として出した料理10品を、一流シェフが実食して合格か不合格かをジャッジするという人気企画。

ファミマの「和風ツナマヨ」おむすびを、審査員の一人が見た目を理由に試食すらせず結果的に「不合格」になったのである。

シェフはシェフなりの料理人としての美学をもっての判定であったが、これが失礼だとネットでは大炎上。

出演していたファミマ社員の方も悔しそうであった。そもそもファミマの「和風ツナマヨ」はロングセラー商品で、ファンが多い商品だったことも災いしたと思う。



・静かなるリベンジ

そんなわけでファマミとツナマヨおにぎりには、因縁というか、悲しい過去がある。

あの「和風ツナマヨ」騒動を踏まえると新作「スパイシーツナ」は悔しき不合格への静かなるリベンジなのではないか……と思うのだ。

私も「和風ツナマヨ」愛好家なのだが、「スパイシーツナ」は大ヒットですでに何度かリピートしている。

ツナマヨ×ピリ辛、新たなコンビニおにぎりの扉を開いた気がするぞ。

「和風ツナマヨ」の次は「スパイシーツナ」が定番になる日も近いかもしれない……。


参考リンク:ファミリーマート
執筆:御花畑マリコ
Photo:RocketNews24.
[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]