ついにこの日が来てしまった。高コスパで知られたサイゼのオリーブオイルが、2024年2月21日のグランドメニュー改定に伴い、一気に350円も値上がったのだ!
しかしこれは仕方のないこと。むしろ、サイゼは今日までよく耐えたのではなかろうか。どういうことなのか、詳しくお伝えしよう。
・値上げ
サイゼでオリーブオイルが販売されていることは、広く知られていると思う。イタリアの老舗、MIRA社のエクストラ・バージン・オリーブオイルだ。
改定後のグランドメニューにも掲載されている。500ml入りで、その販売価格は1200円。
イタリア産のエクストラバージンオイルが500ml入りで1200円というのは、一般的に見て別に高くないと思われる。しかし、つい前日までの販売価格を知ったら、印象が変わるかもしれない。
それではご覧ください。こちらが前日2月20日の昼すぎに購入しておいた、サイゼのオリーブオイルです。
_人人人人_
> 850円 <
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1日差でプラス350円。なかなかの衝撃だ。このオリーブオイルとレシートは、サイゼのオリーブオイル850円時代の終焉直前の貴重な記録として、厳重に保管しておこうと思う。
おのれサイゼ、許さんぞ……と、いきなりの大幅値上げにブチ切れる人もいるかもしれない。しかし待ってほしい。実はこれでも、サイゼはかなり頑張っている方だと思われる。
特にサイゼに聞いたわけでも、そういう発表があったわけでもないのだが、此度のオリーブオイルの値上げは、理由がまあまあ自明なのだ。
・世界的高騰
オリーブオイルの生産量はスペインが2位を倍くらいの量で引き離してぶっちぎりのトップで、イタリアなどが後に続く。
そのスペインが、ここ数年続けて厳しい干ばつに見舞われており、この2月1日にはカタルーニャ自治州が干ばつによる非常事態宣言を出すほど追い込まれている。
干ばつはスペインのあらゆる農産物に影響を及ぼしている。オリーブも例外ではなく、結果としてオリーブオイルの生産量が激減し、価格の高騰の一因を担っているのだ。
CNNは昨年12月の記事で、2023年は地中海沿岸のオリーブオイルの生産量も、天候不順で41%減少したと報じている。
つまりオリーブオイル界の王たるスペインが不調続きで、2023年は地中海沿岸も全く駄目だったのだ。これはオリーブオイル価格も高騰不可避というもの。
欧州委員会の公開しているデータで、エクストラバージンオイルの価格の月ごとの推移を見た感じ、去年の8月辺りでだいぶ極まっていたようだ。
サイゼは価格改定の理由として「店内での提供価格を維持するため、価格を見直しさせて頂きます。」と述べている。
販売価格こそ350円アップさせたが、店内では無料で使えるままだし、そのオリーブオイルを使った料理は相変わらず安いのだ。凄く頑張っていそうな気がする。
状況は全てスペインや地中海沿岸部など、オリーブ産地の天候次第。とりあえず今年は、スペインが植え付け期の今まさに干ばつにやられている最中なので……来年以降に期待するしかない。
参考リンク:サイゼリヤ、日本経済新聞、CNN、European Commission
執筆:江川資具
Photo:RocketNews24.
ScreenShot:European Commission