つい先日、新宿の京王百貨店で「深海魚バーガー」なるものを見つけた。なんだか得体の知れないネーミングゆえに引き寄せられたのだが、ショーケースに並んだ実物を見る限り、特に変わったところはない。
あまりにも普通なので、味もマクドナルドのフィレオフィッシュとそんなに変わらないんじゃないか? という気がしてきた。っていうか、深海魚バーガーってほぼほぼフィレオフィッシュなんじゃないか?
──だんだん気になってきたので、購入して食べ比べてみることに。
深海魚バーガーを販売しているのは、『沼津バーガー』というお店。店舗は静岡県・沼津市にあるのだが、以前の記事でも紹介したイベント「静岡うまいもの大会」に出店しているので、新宿でも食べることができる(2月21日17時まで)。
お店のブースに行って注文すると、「少々お待ち下さい」とスタッフの方。そこから調理が始まり、数分後に出来上がった。
ちなみに、価格は900円。イベントの公式サイトによると、深海魚バーガーの深海魚とは駿河湾で水揚げされたメギス(ニギス)とのこと。
で、Wikipeidaによればメギス(ニギス)は白身の魚らしい。つまり、深海魚バーガーとは白身魚のフライが挟まれたハンバーガーということになる。
うーん、ますます強まる “ほぼフィレオフィッシュ疑惑” 。だって、白身の魚をフライにしてバンズに挟んだら、 “あの味” になる未来しか見えない。
むしろ、あの味以外どうなるというのか? 使われている魚が深海にいようが、浅瀬にいようが関係ない。それが白身で、調理法がフライならば、結局味はフィレオフィッシュではないのか?
実際どうなのかを確かめるべく開封。深海魚バーガーが姿を現した。
改めて見ると、バンズに対して深海魚が結構デカい。それだけ、深海魚を贅沢に使っているとも言える。
そのままガブつきたいところなのだが、いちおう中身を確認。
まず目についたのはキャベツ。そこに、オーロラソースっぽいものが絡んでいる。さらに、白身がどんなものか確認すべく包丁でカットしてみると……
想像通りの見た目である。また、身がそこまで分厚いわけではなさそう。
というか、もしかしたらフィレオフィッシュの方が分厚いのでは? なんて思いながら食べたところ、一瞬でフィレオフィッシュとは全然違うと悟った。
フワフワなのだ。身が。言ってみれば、深海魚バーガーは白身魚で勝負している。
対して、フィレオフィッシュはソースで美味いと言わせようとしているバーガーだったような?
過去の記憶で自信がなかったので、マクドナルドに走ってフィレオフィッシュを買ってきた。
味をたしかめてみたところ、フィレオフィッシュは魚がモッサリとしており、どこかハッシュドポテトのような食感。
また、フィレオフィッシュはタルタルソースの影響が強大で、味の印象の大部分はソースが決めている。
キャベツのような緩衝材が不在なことも、ソースの発言力を強めるのにひと役買っている。
まぁ、フィレオフィッシュは単品400円〜と価格が深海魚バーガーの半分以下なので当然といえば当然だが、ハンバーガーとしての完成度は明らかに深海魚バーガーの方が上。
ちなみに、重さを量ると深海魚バーガーが209gだったのに対して、フィレオフィッシュは142g。包装紙込みの重さなので厳密ではないが、大体そんな感じ。
つまり、深海魚バーガーはちょっとだけ大きめのハンバーガー。SNSで話題になるほどのサイズ感ではないし、見た目的にもインパクトがあるわけではない。
というか、そのようなネット受け要素で勝負していない。ただただ美味しさを追求しているハンバーガーという印象だった。
言わば、深海魚バーガーは全体的にメチャクチャ正統派。フィッシュ系バーガーの中では、フィレオフィッシュより よほど本流にいるだろう。なにせ、魚で勝負しているのは深海魚バーガーの方だからね。
ソース天下のフィレオフィッシュの方が、フィッシュバーガーとしては異端という気さえする。もちろんフィレオフィッシュはフィレオフィッシュで美味いけれど、深海魚バーガーとは完全に別物だ。
・疑問の答え
そろそろ まとめよう。以上から、本記事タイトルの「深海魚バーガーとマクドナルドのフィレオフィッシュの間には一体何があるのか?」という疑問に対する答えとしては……
魚で勝負しようという気持ち
──だと結論づけたい。
言葉で書くとシンプルだが、2つのハンバーガーの間には結構深い海溝が横たわっているようにも思う。深海だけに。
というわけで、今回はこのへんで。では!
・今回ご紹介したイベントの詳細データ
イベント名 静岡うまいもの大会2024
会場 京王百貨店 新宿店7F 大催場
期間 2024年2月16日〜21日
時間 10:00〜20:00 ※最終日は17:00まで
参考リンク:X @numazu_burger、Wikipedia、マクドナルド「フィレオフィッシュ」
執筆:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.