
先日、「絶滅危惧種と化したマリトッツォが急に食べたくなったので今一度食べる」という記事を書いた筆者は、己のマリトッツォ欲を満たすことに見事成功した。しかしそれから約2ヶ月が経過した現在、異変が起きている。どうしようもなくマリトッツォが食べたいのである。
筆者は異端なのだろうか。いまだブームの残響にとらわれているのは自分だけなのだろうか。それとも筆者が知らないだけで、周囲の人々も日ごろ澄まし顔で生活しつつ、その裏では涎を振りこぼしながらマリトッツォを食らっていたりするのだろうか。
何にせよ、振りこぼしていようがいなかろうが、今回も欲望に押されるままに記事を書くのでお付き合い願いたい。そもそもその欲が再燃した理由というのは、マリトッツォの「日本初販売店」なるものを発見したからである。
それが真実かどうか確かめるすべを持ち合わせてはいないが、ともあれ大阪府大阪市に店を構えるパティスリー「トルクーヘン」の公式サイトを覗くと、マリトッツォの通販ページに「日本初販売店」と書いてある。価格は3個入りのセットで1498円だ。
矢も楯もたまらず取り寄せたところ、マリトッツォと一緒に入っていた説明書きにも「2014年から、日本で初めてマリトッツォを販売開始」との記述があった。ブームよりも遥かに先んじている。少なくとも同店が国内有数の「古参マリトッツォ店」であることは確実だろう。
そしてそういう店だからこそ、ブームが終焉してからもマリトッツォに操を立て続けているのだろう。なんと有難いことか。マリトッツォの入手自体が困難になっている昨今において、それを涙ながらに探し求めたことのある者には深く身に沁みる。
もはや筆者の体感では、ネット上でマリトッツォの販売店を検索するよりも日本刀の鍛冶屋を検索する方が容易である。どちらも検索したことのない方には「ものすごく希少な出会いのもと成り立っている記事」だと思ってもらえればそれでよい。
感謝の念を抱きながらマリトッツォを皿に取り出すと、まばゆいばかりの大量の生クリームが目の前に顕現した。これぞ、というビジュアルに空気が一気に華やぐ。
ここが歌舞伎の客席なら「いよっ」と合いの手を入れていたところである。どうしてこれほど二枚目のスイーツが絶滅の危機に瀕しているのか不思議で仕方ない。口いっぱいに頬張ると、その思いは余計に膨らんだ。
コク深く濃厚なクリームが、一瞬でとろけていった。本当に一瞬だった。最上級の肉を食べた時のような、マグロの大トロを食べた時のような、そんなすさまじい緩急が、狂おしい旨味の満ち引きが口の中で巻き起こった。
クリームだけならまだしも、パン生地までもふわりとした口溶けだったものだから心底驚かされた。書き忘れていたが、これは冷凍便で届いた品だ。何故忘れていたかと言えば、見た目も味も、全くその事実を感じさせなかったからに他ならない。
自分の意志で咀嚼(そしゃく)したにもかかわらず、「どこに行った」と舌で口内を探ってしまったのは初めてかもしれない。重厚でいて柔らかく、もったりとしていながら淡い。揺らめく味わいに魅惑され、飲み込んだ時にはもう虜だ。気付けば再びかぶりついている。
前出の説明書きに「見た目とは裏腹に、ついつい2個、3個と手を伸ばしたくなるほど、あっさりと仕上げています」との一文があったが、まさしくその通りである。飽きるより先に胃の限界が来るに違いない。いや、むしろ飽きる未来が見えない。
パンとクリームが織りなす幸福のぬかるみに浸かりながら、しみじみと思う。ああ、こんなものを食べさせられてしまっては、まだまだマリトッツォから抜け出せそうにない。「日本初」を冠するにふさわしい、さすがの品であるなと。
筆者の耳元で、ブームの残響は鳴り止まない。しかし、もうよい。覚悟を決めた。このまま欲望に従うのみである。日本最後のマリトッツォファンになる、その時まで。
参考リンク:トルクーヘン 公式サイト
執筆:西本大紀
Photo:Rocketnews24.
西本大紀






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