日本の国民食の1つ、ラーメン。しょう油・トンコツ・二郎系……などなどラーメンのジャンルは多岐にわたるが、いまや絶対的な人気を誇るのが『家系ラーメン』である。

いまからおよそ1年前、私(サンジュン)は生まれて初めて家系ラーメンを口にした……のだが。紆余曲折を経て、初めて『名店の家系ラーメン』を食べてきたのでご報告したい。

・およそ1年前…

私が「初めての家系ラーメン」に選んだのは、家系ラーメンの専門店「壱角家」である。理由は「都内の至るところで見かけるから」というシンプルなもので、あえて名店と呼ばれる店は選ばなかった。

というのも、万が一にも名店の味が私に合わなかったら、金輪際 家系ラーメンとの縁が切れてしまう可能性が高い。あくまで個人の意見ではあるにせよ、記者という性質上 “いきなり名店” はハードルが高いのだ。

・お叱りがちょいちょい

で、壱角家で初めての家系ラーメンを食べた感想は「とにかく重い」そして「中毒性がヤバい」ということ。チェーン店の壱角家であのクオリティならば、名店の家系ラーメンはそれはそれは美味しいに違いない。

……が、記事をご覧になった家系ラーメン大好きの方々から「壱角家は家系ラーメンじゃない」などと少なくないお叱りの声をいただいた。その真偽はさておき、家系ラーメンに並々ならぬ思い入れがある方は多いのだろう。

よく読んでいただければわかる通り1つも家系ラーメンの悪口は言っていないが、ならばと1年越しに「名店の家系ラーメン」に挑戦することに。選んだのは「王道家直系 IEKEI TOKYO」である。

・名店へ

家系ラーメンの系譜には詳しくないものの、王道家はカップラーメンが発売されるほどの人気店。何より近所を通るたびに「王道家直系 IEKEI TOKYO」の前に出来ている大行列が名店であることを物語っている。

注文したのは「チャーシューメン(1000円)」と、家系ラーメンには欠かせない「半ライス(80円)」の2点。味の濃さや麺の硬さはよくわからなかったので、全て「普通」で注文した。

やってきたチャーシューメンは、褐色のスープとほうれん草、そして海苔が入っている。家系ラーメンのキャリアが浅い私でも「THE・家系ラーメンだな」と感じるようなビジュアルだ。

・スタートダッシュ

で、まずスープを一口飲んでみると……うむ、濃い。まろやかな口当たりの豚骨しょう油スープは、旨味も濃ければ塩分も濃ィイイイイ! たった2口で「スープを飲み干すのは無理だな」と悟らせる圧倒的な濃さであった。

ただしそれだけ濃ぃぃいいいスープなのに「にんにく」や「コショウ」などを入れるたびに、正直に味が変わっていくところが面白い。特ににんにくとの相性は最高で、入れる前と後では違う食べ物くらい様変わりした印象だ。

やや平べったいなめらかな麺も歯切れが良く、大変おいしい。海苔の上ににんにくをちょい乗せし、ライスを包んで食べてもウマし! さらに香ばしさを感じる肉厚なチャーシューも絶品であった。

・ラーメンもウマいけど

……が、それより何より「ウマいッッ!!!!!」と思ったのが “水” である。ラーメン自体ももちろん美味しかったが、とにかく味が濃い! 夢中になってラーメンを食べている際、さりげなく飲んだ水は、


「ンンンマッッ!!!!」


……と思わす声が出るほどウマかった。知らず知らずのうちに体が水を欲していたのか、とにかく家系ラーメンの途中で飲んだ水は、ここ数年で1番美味しい水であったことは間違いない。

なお、ラーメンを食べ終えてから数時間は水のウマさが継続していたこともお伝えしておく。私は「普通」でもこれだったため「濃いめ」だったらどうなっていたのか? 家系ラーメン、おそるべし。

・人気にも納得

また、家系ラーメンは味の濃さゆえ高い中毒性を誇る一杯である。家系ラーメンに慣れてしまったら、ちょっと他のラーメンでは物足りなくなってしまう気持ちも理解できた。

人それぞれに好みがあり、何が刺さるかは誰にもわからない。私自身が日常的に家系ラーメンを食べるようになるかはわからないが「家系ラーメンのような味」を体が欲するときは確かにある。異常な水のウマさも込みで、名店の家系ラーメンは流石であった。

執筆:P.K.サンジュン
Photo:Rocketnews24.