ノルマとにらめっこの資本主義。競争からの脱却を夢見ても、会社に属しているとなかなか難しいのが現実である。で、色んな会社を渡り歩いた結果、私の結論としては「上司に好かれるのは結局大事」ということに落ち着いた。
とは言え、私はコミュニケーションが上手なタイプではない。っていうか、おそらくめちゃめちゃ不器用だ。思ってることがそのまま態度に出るタイプである。このままではマズイ。そこで上司であるYoshioに裏ガネを渡してみることにした。Yoshioよ、ちょっと来てもらっていいか?
・裏で
ロケットニュース24編集部は雑居ビルの2部屋を借りているのだが、編集部のデスクがあるのは403号室。隣の402号室は物置兼撮影部屋で普段は人がいない。まずは、この402号室にYoshioを呼び出した。のこのこついてくるYoshio。
今日も人気(ひとけ)のない402号室。編集部員たちが集まる403号室と比べると、その雰囲気はまさに裏と言えるだろう。
念のため、誰も来ないかを改めて確認した後、こっそりブツをYoshioの目の前に差し出した。何も言わずにこちらをお納めください。裏ガネです。
Yoshio「……何これ?」
・ガネ
ガネを知らないだと!? 農林水産省のHPで紹介されている政府にも容認された郷土料理だぞ! せっかくみんなに内緒で裏でガネを渡したというのに……!! ちなみに、作り方は以下の通りだ!
【材料】
さつまいも 200g
人参 50g
ニラ 30g
天ぷら粉 100g
水 160ml
砂糖 40g
醤油 大さじ1.5
塩 ふたつまみ
油 適量
【作り方】
1. さつまいもを長さ7~8cmの5mm角くらいに切って水に浸す
2. ニラも同じくらいの長さ、にんじんは少し短めに切る
3. 天ぷら粉に具材以外を全部入れてトロみが出るまで混ぜる
4. さつまいもの水を切って、具を3に絡ませる
5. 両面を油で揚げる。目安は2分くらいだけど、油の温度で時間が大分変わるので、様子と雰囲気を見ながら調節する
6. 両面きつね色になったら完成
──要するに、さつまいものかき揚げ天だな! ちなみに、Yoshioに差し出したものは一番うまくまとまったヤツ。言わば、綺麗な裏ガネである。
・裏ガネの味
失敬、勢いでガネの紹介をつらつらとしてしまったが、話を戻すと、Yoshioは知らないフリをしているだけかもしれない。そして、とぼけるということは裏ガネをもらう気満々ということではないだろうか。そういうことならそこはそっとしておくのが暗黙の了解というヤツだろう。
知ろうが知るまいが、そんなことは問題ではないのだ。事実、食べるかどうかが重要なのだから。というわけで、食べさせてみたところ……
Yoshio「めちゃめちゃ美味しい」
──どうやら裏ガネはめちゃめちゃ美味しいようだ! どんな美味しさですか?
Yoshio「さつまいもの甘みが良いね」
──なんと裏ガネは甘いらしい。そこで撮影係の裏方に徹していた原田たかし記者にも食べてもらってみると……
原田たかし「かき揚げに甘みが合ってますね」
──上だけではなく裏の人間も甘くて美味しいという。試しに自分でも裏ガネを食べてみると、確かにさつまいもの自然な甘みがカラッとしたかき揚げ天の食感と合っていて美味しい。
・配ってみた
また、ニラがパリパリになってお菓子的な食感の面白さがあるのもポイントが高かった。個人的には裏ガネを作る時はニラを入れることをオススメしたいところ。ニラが良い感じに目線を変えてくれる。
あまりにも裏ガネが美味しかったので……
表でも配ってみた。
P.K.サンジュン「ウンマッ!」
佐藤英典「ウメェェェエエエ!!」
裏ガネ最高ォォォオオオ!
予想以上に美味しいことが判明した裏ガネ。そのウマみはまさにやめられない止まらない。思わず配りたくなるレベルであった。考えてみれば、裏で上司に渡すより、表で全員に配った方が印象もよくなるというものである。というわけで……
結論:ガネは表で配れ
<完>
参考リンク:農林水産省
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.