ふだんコンビニの弁当などは絶対に食べない私なのだが、この前、「100万円の古民家」の作業時、セブンイレブンの「ざるそば」を食べる機会があった。
秋も深まって日が短い(作業できる時間が短い)こともあり、お昼休憩で食堂などに行く時間も惜しいとのことで、事前にコンビニでメシを買うことになったのだ。
そこで私(GO羽鳥)が選んだのは、『香りとのど越しざるそば(税込410円)』だった。そして何の期待もせず食べてみたら……予想以上にウマかったのである!
常日頃から連載『家そは放浪記』で死ぬほど蕎麦を食べているのに、ここでも蕎麦なのかよ……と思われるかもしれないが、そりゃもう当然のように蕎麦なのだ。
さて、いったい何がどう予想以上だったのかというと、めちゃめちゃ「蕎麦してた」のである。何を言ってるのかよくわからないと思うが、予想以上に「ちゃんとした蕎麦だった」のだ。
生まれてこのかた、スーパーやコンビニで売られているパック蕎麦(割子そば)は山ほど食べてきた。
それらを「家そば」か「外そば」かで評価するなら、どうあがいても「家」であるが、それはそれでウマかった。
お惣菜コーナーに売ってるフニャフニャの「天ぷら盛り合わせ」と合わせたら、それはもう最高のジャンク蕎麦。アリかナシかで言えばアリである。
だが!
このまえ埼玉奥地の山中で食べたセブンの「ざるそば」は、今までのパック蕎麦のレベルを余裕で何段階も超えていた。あれは大自然の空気がそう感じさせたのだろうか……?
気になり始めたら、もう止まらない。私はさっそく、あらためてセブンイレブンに行き『香りとのど越しざるそば』を購入。
そうそう、これこれ、これですよ。これが衝撃的に美味かったやつ。
んで、まず特筆すべきは……
「ほぐし水無しで簡単&おいしい」という点。なんでも「ほぐれやすい麺を使用している」らしく、
「ほぐし水」を使わずとも、ほぐれるのだ。
まずこれ、私の中では大革命。もしかしたら今のスタンダードなのかもしれないが、私は全く知らなかった。こんな素晴らしいアップデートがされていたとは……!
もうひとつ、このまえいたく感動したのが、「つゆ」が予想以上にウマかったこと。甘さ控えめのキリリ系。ビシっとパッキングされている容器も物珍しかった。
麺の形状も、また良い。少し平たく、口当たり楽しく、のど越しも最高。だが、それよりなにより驚くべきは、
蕎麦そのものがウマイということ。そこまで蕎麦蕎麦してはいないが、しっかり蕎麦の味もする。クオリティが非常に高いのだ。少なくとも今まで私が食べてきたパック蕎麦よりも数倍はウマイ。
いったい何が起きているのか。どういうことなのかとパッケージをひっくり返してみたところ、原材料名が書いてあった。そしてそこには、ななな、なんと……!
真っ先に「そば粉(国内製造)」ときた!
小麦粉ではなく、そば粉が先! 何割そばなのかは、わからない。だが、小麦粉(小麦たん白 / グルテン)よりも「そば粉」の方が多く入っているもよう!!!!
「だからか……」となった。あの蕎麦の味は、このしっかりと入った「そば粉」によるものだったのか……と。そして「セブン、やりおる……!」となったわけである。
・止まらない調査
ちなみにその後、他店のパックの蕎麦の原材料名はどんな順番になっているのだろう……と近所の店を片っ端から調べてみたところ、
スーパーA → ゆでそば(国内製造)、つゆ、水、ねぎ……
スーパーB → 茹そば(国内製造)、そばつゆ、ほぐしつゆ……
ローソン → 時期が終わったのか売ってなかった
ファミマ2軒 → 時期が終わったのか売ってなかった
てな感じで、「蕎麦自体の原材料名」ではなく、それらをまとめて「ゆでそば」との表記になっていたので、そば粉が多いのか小麦粉が多いのかは不明。それに比べるとセブンは堂々としている感がある。
また、パック蕎麦ではなく、単体の「茹で蕎麦 (生蕎麦)」の原材料名もスーパーで調べてみたところ、
商品A → 小麦粉(国内製造)、そば粉、小麦たん白
商品B → 小麦粉(国内製造)、そば粉、小麦たんぱく、食塩
商品C → そば粉(そば(国産))、小麦たん白、小麦粉、食塩
商品D → そば粉(国内製造)、小麦粉、小麦たん白
……てな感じで、干し蕎麦と同じく「モノによる」ってな感じであったが、“うまい蕎麦であること推し” している蕎麦は蕎麦粉が多め、“特に何も言ってない蕎麦” は小麦粉先行であるような気がした。生蕎麦も奥が深いなぁ〜。
はたしてローソンとファミマのパック蕎麦は、どのくらいのレベルなのであろうか。干し蕎麦だけでなく、生蕎麦にも目を向けていこうかな……と思う秋深まる今日この頃。季節もあるし、比較記事は来年かな〜?
執筆:干し蕎麦評論家・GO羽鳥
Photo:RocketNews24