最近は原材料費の高騰でメーカーが苦労している。苦肉の策として、値段はそのままで内容量を減らす事実上の値上げに踏み切るメーカーも少なくない。もしくは商品をリニューアルして、値上げを断行するケースもあるだろう。

量と価格のバランスを見直す例が後を絶たないのだが、そんななかで大手コンビニローソンがトンでもない商品を販売していた。まるで、この経済状況にブチ切れているかのようなスゴいヤツだ。

「メガ焼きそばパン」(税込354円)は、量と価格のバランスがぶっ壊れている! ヤケクソ焼きそばパンじゃないかいッ!

・あふれる焼きそば

噂には聞いていた。メガ焼きそばパンの焼きそばの量が尋常ではないと。だが、いくら多いといっても限度がある。たかが焼きそばパンではないか、驚くに値するものではないはずだと、私は考えていた。

実際にローソンのパンコーナーに行って、それらしきパンを探してみると~……。


あ、もしやコレ? パンコーナーに焼きそばが置いてあると思いきや、そうではないようだ。コレっぽいな。


ご覧あれ、これがメガ焼きそばパンである。パッケージの外から目視した範囲では、焼きそばしか見えない。ギリ、パンが見えるか見えないかといったところだ。


ちなみにこの商品はローソンの「香ばしい焼きそばパン」と比べて総重量が200パーセント以上も上回っているそうだ。私の思う「増量」とは、本来の商品の付加価値を増すために、数十パーセントの範囲で量を増やすことだと理解している。3桁も上回ると、もう増量ではないだろう。完全に別モノだ。


中身を出すと、やはりパンは見えない。プラ容器にはあふれんばかりの焼きそばが詰まっている。


はたして、容器から取り出すとこのありさまだ。「あふれ出す」という言葉では生ぬるいくらいだ。むしろ、焼きそばをパンに詰め込む気があったかどうかさえも疑わしい量である。


いや、どう見ても詰める気はなかっただろう。まるでパンに焼きそばを浴びせかけたような格好だ。


本来であれば、パンを手でつかむべきところだが、焼きそばが邪魔だ。素手でいくと手が汚れるので、まずは箸で焼きそばを食いにいかねば。


焼きそばは量だけが魅力かと思ったら、これがなかなかウマい。ソースべっちょり系で味は濃厚。ほのかに香るスパイスが食い気を呼び起してくれる。ひょっとして、パンなくてもいんじゃない? そう思ってしまうくらいに美味しいよ。

とはいえ、焼きそばパンという建前であるから、適度に焼きそばを処理した後に、パンと一緒に食ってみる。


焼きそばの味がめっちゃ強いんですよ。まあパンがあっても問題はないけど、断然焼きそば主役のパンです。つまりは総じて美味しいわけなんだけど、焼きそばだけで食べたいと思ってしまう。パンの存在意義は薄いかな~。

当然量は申し分ない。昼食はコレ1個で十分に満足できる。「メガ」の名に恥じないボリュームだ。ぜひ食べて頂きたい。きっと脳裏には、焼きそばを浴びせかけられるパンの製造工程が浮かぶはずだ。

参考リンク:ローソン「メガ焼きそばパン
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]