夏休みが終わってもなお、宿代が凄まじく高騰したままな京都。まあ仕方ないか……と諦めて空室をチェックすると、そもそも空いてない。外国人観光客のラッシュがヤバすぎる。

紅葉シーズンになったらさらに値上がり、競争率も上昇するのだろう。そこで最近アリだと思っているのが、奈良や大阪に泊まる作戦だ。

特に奈良。観光庁によると、全国で宿泊者数が万年最下位か、鳥取あたりに勝って46位とかそれくらいの超不人気県。

しかし奈良にはいい宿がある。前に「奈良ホテル」を紹介したが、今回紹介するのはコスパがヤバい「亀の井ホテル 奈良」。

・40分

私はJR東海の「いざいざ奈良」のプレスツアーで奈良に来ていたのだが、用意された宿がここだったのだ。

亀の井ホテルと言えば、全国に展開するホテルチェーン。多くの場合、チェーンのホテルは全国どこで泊まっても大体同じだ。例えば東横インなど、埼玉の客室とフランクフルトの客室が完全に一致するレベル。

ゆえに「亀の井ホテル 奈良」にもそんなに関心を持っていなかった。しかし、ここはかなり強いことが発覚!

施設は、かつて日本郵政が運営する「かんぽの宿 奈良」だったもの。2022年に運営が変わり、「亀の井ホテル 奈良」になった。


急行も停まる大和西大寺駅から徒歩15分とアクセスは良好。道路一本挟んだ向かいは平城宮跡だ!


試しに入口から玉手門跡まで行ってみたら30秒だった。ウサイン・ボルトならきっと1秒とかだろう。平城宮まで秒のホテル!!

客室から見えるのは、もちろん平城宮。ライトアップされた大極殿を眺めて眠りにつき……


目が覚めたら、朝霞の中に大極門が見える。そういう生活。


・神コスパ

部屋のグレードと時期にもよるが、1名利用でだいたい1万円ちょっとから3万円くらいという価格帯。

このホテル最大の狙い目は、上から2番目のグレードの「天然温泉展望風呂付特別和洋室」だろう。その名の通り、源泉かけ流しの風呂がついている。


湯船から見えるのは、言うまでもなく平城宮。


「かんぽの宿奈良」だった頃に、日本郵政が出るまで掘ったのだろう。1300メートル以上の地下からの、摂氏38度超えなガチ温泉とのことだ。


部屋はこんな感じのベッドエリアに……


こんな感じの和室がある。


そして和室の障子を開けるとそこにはお風呂。


風呂へはベッドのある洋室側から行く感じ。


・コスパ

試しに楽天トラベルでリアルな価格をチェックしてみよう。この部屋の一番安い朝食と夕食付きのプランは、だいたい2万円ちょっとから3万円ちょっとの価格帯で推移しているようだ。


このサイズの部屋に、かけ流しのプライベート温泉。そして食事がついて、この価格というのは強い!!

1つ弱点を挙げるなら、超人気ゆえに競争率が高いという点。年間の稼働率は9割越えだそうだ。


・大浴場

じゃあ厳しいじゃん……となるかもしれないが、普通の部屋も結構いい。私が使用中の和室8畳の部屋はこんな感じ。


朝食と夕食込みで、だいたい1万円から2万円辺りで推移している。最近の京都だと、普通にカプセルホテルでもあり得る価格だ。

そして、温泉付きの個室があるってことは……そう、ここには温泉の大浴場があるのだ!(浴室内はホテルに許可を得て撮影)


露天風呂もこの通り。ホテルの方によると、早朝の露天風呂は特に格別だそうだ。朝日に染まる澄み渡った青空が良いらしい。


私は24時ギリギリに入ったのだが、幸運にも貸し切りだった。この気持ち良さは中々に穴場だと思う。


・奈良のホテル

大阪、京都、奈良付近に全く土地勘が無かったころは、観光するなら、それぞれの県のビッグな駅や観光スポット近くに宿をとるのがベストだと思っていた。

しかし何度か行ったら、わりとこの3県はすぐに行き来できることを把握。特急や急行もよく走っており、ぶっちゃけ30分から1時間程度しかかからないし、片道1000円もしない。

毎日乗っている通勤電車と変わらん。もっと言うなら、千葉のディズニーに行くのに東京に泊まるのとも変わらん。

例えば京都観光をするとして、京都駅や祇園四条駅近くの宿は全滅で、仕方なく高いわりに駅から遠くて部屋も狭いユニットバスの宿を選ぶくらいなら、奈良の温泉宿に泊まるという選択肢はアリだと思う。

もちろん奈良を観光するのもいいぞ! 「亀の井ホテル 奈良」が近いのは平城宮跡だけではない。唐招提寺くらいなら徒歩圏内

朱雀門まで10分歩いて「奈良バイクシェア」を利用すれば、その日の23時59分まで1日1529円で電動チャリを借りられる。そこから先の可能性は無限大。

最寄りの大和西大寺駅は、近鉄の神クオリティ観光特急「あをによし」号も停まる。こいつでラグジュアリーに奈良入りするのもお勧めだ!


参考リンク:亀の井ホテル 奈良奈良バイクシェアいざいざ奈良観光庁
執筆&写真:江川資具
ScreenShots:楽天トラベル、GoogleMap
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▼大浴場の脱衣所。鍵付きのロッカーがある。


▼夕食はプランによる。参考までに、こんな感じの料理が出るもよう。


▼食事会場。

グループ向けや

個室もある

朝食はバイキング形式。

「めでたい飯」はバチクソにウマい。漬けにした鯛を出汁入りのとろろに入れたようなやつ。


▼ここは展望台。


宿泊者なら24時間入れるので、深夜でも早朝でも平城宮跡を見渡し放題。若草山の山焼きや、高円山大文字焼きでも最高のスポットだ。

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