正直申し上げて、私(佐藤)は以前、編集長GO羽鳥の女装にうんざりしていた。事あるごとに女装する彼の姿を見て「またかよ……」と思っていたことを、ここに告白する。だが、それはもう過去のことだ。というのも、先日、企画で彼との対決に挑み、自らも女装してわかったことがある。
もっとできる努力があったのに、なぜ怠ってきたのか? そう反省しつつ、こんなにキレイにカッコよく撮ってもらえるなら、次はもっとがんばってみたいと思ったのだ。つまるところ、彼が女装に挑む気持ちがわかった気がする。
・意識の低いおっさん
私はただのおっさんである。どちらかといえば、意識の低い方のおっさんだ。したがって、スキンケアなんかしたことがなかった。当編集部でも意識の高い系おっさんたちは化粧水だの乳液だの、それらをつけていると聞いたことがある。昭和丸出しの私は「ケッ」と思っていた。
「スキンをケアしない生涯であった……」と、臨終の床でつぶやく可能性大。そのくらいお肌に関心がなかった。
今回の対決は、すでに6月頃から話が持ち上がっており、いずれ自分の番が来ることがわかっていた。そこで、私のバキバキグラビア写真を撮影して頂いた、カメラマンの立花奈央子さんとメイクのキシコさんに相談を持ちかけていたのである。
これで準備OK! あとはその時を待つだけ。なんて思っていたら、キシコ先生から
「日焼け止めを毎日塗ってください。きっと面倒でしょうからオールインワンのもので良いです」
とのお達しが。奈央子先生からも似たようなアドバイスを受けたものの、私はぼんやりと返事をしただけで、「もう夏か~」なんて呑気に構えていた。
ところが夏の日差し、ハンパねえ!! 6月の終わり頃には肌身でそれを実感し、日焼けし始めた。マズい! これは怒られる!! 前もってアドバイスをもらいながら、このざまだ。
まだ間に合う! ってことで、そこから毎日日焼け止め。今さら知ったけど、日焼け止めって数時間置きに塗らないとダメなのね! 面倒くせえ! でもやるしかねえ!! ってことで、とにかく必死に塗りたくった。
・プロのすごさ
それで今回の女装は「ジョジョのキャラ」っぽい感じをイメージしていた。お2人とイメージを共有した上で、原宿の「ブティック竹の子」を訪ね、「こういう感じのものを揃えたいんですけど」とご相談させて頂き、6点をコーディネートしてもらった。
ボレロ・ビスチェ・ベルト・長袖網Tシャツ・ひもスカート・パンツの6点。ちなみに価格は税別2万8500円である。
そして対決当日、編集部にほど近い貸しスタジオで撮影に臨んだ。
ビフォーの月並みなおっさんがコチラ!
寝起きで宅急便を取りに出たおっさん。これが普段の私である。前日にパックしていたおかげで、肌のコンディションはすこぶる良い。
まずはキシコ先生のよる顔面メイクとヘアメイク。おおむね1時間くらいを要しただろうか。並のおっさんを加工するには時間と手間がかかるのだ。
加工を終えて撮影開始。奈央子先生はすでに脳裏に完成形が描けていると見えて、手際よく照明や機材を段取りし、私はただ指示に従うだけだった。
そうして出来上がった写真がコレ!
たしかほんの少し前まで、私は寝起きの様相を呈していたはずなのだが……。同日に撮った同一人物とは思えない。
・努力なくしては
プロの手にかかれば、トンデモない仕上がりになるもんだ。我ながらビックリである。しかしながら、ずいぶん反省も残った。肌のケアの問題もさることながら、撮られ慣れていないためにポージングがまったく定まらない。これでいいのか? と思いつつ、手足を動かしているので、煮え切らない格好になってしまった。それからこれも今さらだけど、もっと若い時に歯列矯正しておけば良かったな……。
どれだけキレイに撮ってほしいと思ったところで、今までの積み重ねが写真に出る。したがって怠っていたことは、そのまま形になってしまうのだ。努力せずに「キレイに」は無理だよね。日々、美容を心がける皆さんには本当に頭の下がる思いだ。
そう考えると、今になって羽鳥が挑戦する気持ちがわかる気がする。なるほど、あれは時間をかけて作ってきたものなんだな。
ということで、2人のガチンコ女装対決は、好対照で見ごたえの記事になっているので、ぜひご覧頂きたい。機会があれば、また来年あたりにでも再び女装に挑戦してみたいと思う。
カメラマン:立花奈央子(OPALUS STUDIO)
メイク・ヘアメイク:キシコ(X @kishico)
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
▼この日は雨だったが、2人での撮影は楽しかった