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昭和の南極観測隊の好物だったカレーうどんを食べに行ってみた! 1万時間かけて当時の味を再現したグルメがこちら / 館林市「花山うどん」

2023年8月17日

毎年厳しい暑さで知られる群馬県館林市には “南極カレーうどん” なる涼しげな名前のグルメがあるようだ。どうやら昭和の南極観測隊員が食べていたカレーうどんを忠実に再現したものらしい。提供しているお店は館林駅近くにある創業129年の老舗「花山うどん」。

──日本の南極観測が始まった昭和30年代、花山うどんは観測隊の携行品として隊員たちに愛用されていたそうだ。基地内では、うどんをカレーにつける食べ方が人気だったとか。その当時の味を花山うどんの職人が「1万時間」かけて復活させたというから驚き。これはもう食べに行くしかない!


・行列のできるうどん屋

そんなわけで「花山うどん(本店)」に到着。……なんとも立派な佇まい。明治・大正時代の豪勢な商家の雰囲気が漂っている。

開店30分後くらいにやってきたのだが、すでに店内は満席状態。外には待機列ができていた。店先にベンチがいくつも設置されているあたり、ここは相当な人気店だというのがうかがえる。


行列のわりには回転が速くて10分ほどで入店。店内は、これまた高級感あふれる華やかなデザイン。木のぬくもりが感じられる落ち着いた空間だ。テーブル席のほかにカウンター席も用意されている。


席に着いてメニューをチェック。ページをめくっていくと……『丸ごと玉葱(たまねぎ)の南極カレー』と書かれた料理名を発見。うむ、おそらくコレだ。

食べ方は「つけ麺」、「かけ」のどちらかを選ぶ模様。せっかくなので、かつての南極観測隊員にならって「つけ麺」を注文することに。



・南極カレーソースをチェック

オーダー後、10分とかからず『丸ごと玉葱の南極カレー(税込1400円)』が運ばれてきたのだが……


えッ!


た、たぬき!?

つぶらな瞳で微笑みかけるたぬき……どうやらこの陶器の中にカレーソースが入っているみたいだ。よし、それでは開けてみよう。


ふたを開けた瞬間、ふわりと漂うカレーの香ばしさに食欲が刺激される。鮮やかなニンジン、きざみネギが上品に添えてあるのもポイントだ。


とろみ強めのカレーソースには大きな鶏肉がゴロゴロと入っているぞ。これは食べごたえがありそう。

料理名には “丸ごと玉葱” とも書かれているが、たまねぎ1玉がそのままゴロッと入っているわけではないようだ。おそらくはカレーに甘みやコクをたっぷりと出すため、たまねぎをじっくり煮込んで丸ごと溶かしているのだろう。

試しにひと口すすってみると……たまねぎの甘みがカレーソースにしっかり溶け込んでいて絶妙! さっそく麺に絡ませながら食べてみよう。


・うどん麺をチェック

麺は幅が5センチほどの広くて薄いタイプ……いわゆる群馬名物「ひもかわうどん」だ。涼しげな器にまるで “ふぐ刺し” のように美しく盛られている。ヒンヤリみずみずしくておいしそう



・南極カレーうどんを食べてみた

モチモチの麺にカレーソースがよく絡んでウマ〜い! たまねぎの甘みプラス、かつおの風味も感じられる……実にまろやかで純和風なカレーといったところだろうか。ああ、なんて味わい深いんだ……。

むかしの南極観測隊員も、きっとこんな気持ちで楽しく食べていたに違いない。よくまあ「1万時間」もかけて当時の味を再現したものだ……本当に見事である。


ほろっほろにほどけるビッグチキン、シャキシャキの甘いニンジン、つるつるモチモチのうどん……これらにカレーソースをたっぷりとかけて頬張ればマジで至高。文句のつけようがないおいしさだ。

今回筆者が食べた『丸ごと玉葱の南極カレー』は、どうやら東京都内の店舗でも取り扱っている模様。気になる人にはチェックすることをオススメしたい。

夏の暑さを忘れるほど夢中で食べてしまう絶品の南極カレーうどん、ぜひ一度味わってみてはいかがだろうか。


・今回ご紹介した飲食店の詳細データ

店名 花山うどん(本店 お食事処)
住所 群馬県館林市本町2-3-48
時間 11:00〜15:00(麺がなくなり次第終了の可能性あり)
休日 日曜日

参考リンク:花山うどん
執筆:古沢崇道
Photo:RocketNews24.
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