『ゆかり』でおなじみの三島食品株式会社から時おり発売される新作は、その商品名が “人の名前っぽい” ことで毎回すこし世間をザワつかせる。「うめこ」「かおり」は中身が比較的想像しやすい。「あかり」「ひろし」あたりでちょっとよく分からなくなる。
そんな三島のふりかけ(まぜごはん)シリーズに、今回(8月1日から)仲間入りしたのが『鮭ひろし』なる新商品だ。鮭が入っていそうなこと以外は全く正体が掴めない鮭ひろし。さすがに放っておけないので食べてみた。
・広島の心
三島食品株式会社は広島市の企業。ちなみに私が常食しているふりかけ『旅行の友』を作っている田中食品株式会社も広島市の企業である。広島ってふりかけのメッカなんだなぁ。
そもそも私『ひろし』を食べたことがないので、先にそちらをいただいてみることに。よく見るとパッケージに『広島菜』と書かれている。そうか……『ひろし』って「ひろしま」のひろしだったのか〜!
調べたところ広島菜はその名の通り広島名産の野菜。塩漬けにしたものを『広島漬』というらしい。私は漬物に疎いため、初めて聞く単語ばかりだ。
・そればかりか……
ってか、考えてみると私、 “青菜ごはん” 自体をほぼ食べたことが無い。
一般的な青菜ごはんの「青菜」は野沢菜や高菜を指す場合が多いと思う。嫌いとかでは全然ないが、ウチの実家では青菜ごはんを作る習慣がなく、コンビニ等であえて購入する機会も無かったのだ。
とりあえず分量どおりに『ひろし』混ぜご飯を作成。なんだか緑色の割合が少なく感じたので、独断で『ひろし』を5割ほど追加してみた。見た目はおいしそうな青菜ご飯である。
が……しょっぱい!!!
「広島漬は見た目より味が濃い」という、節約上手な主婦になれそうな知識を得た私。勝手なアレンジを猛省し、分量どおりに作ったらイイ感じになった。
想像していた “漬物の臭み” みたいなものは全然無く、初対面なのにどこか懐かしい。年齢の影響もあるかもしれないが、広島菜ごはんって、これまで食べなかったことが悔やまれるほど味わい深いものだなぁ。
・ひろしのポテンシャル
……という事前知識を得たうえで、鮭ひろしと対峙してみた。
これを見つけたのはたまたま訪れていた島根県内のスーパー。島根と広島はお隣同士にあり、新商品の入荷も早いものと見られる。「鮭ひろしが売っていない」という地域の方は、三島のオンラインショップを活用しよう!
で、気になるお味は……
『ひろし』に鮭が入ったもの。
すなわち、まごうことなき『鮭ひろし』であった。
同じく青菜ごはんをあまり食べたことがないという中澤記者にも試食してもらったところ「個人的には『鮭ひろし』のほうが好みだが、これはもう、その人が鮭好きかどうかの違いだけだと思う」という的確な回答をくれた。
今回2つのひろしを食べ比べた結果 “シンプルに広島菜ごはんをキメたい大人は『ひろし』、「タンパク質もほしい」というワンパク大人は『鮭ひろし』を食えばいい” という、当たり前だけどとても重要な結論が導き出されたのである。
あやうく広島菜ごはんのおいしさを知らないまま生涯を閉じかけていた私は、『鮭ひろし』という奇抜なネーミングのおかげで大切な気づきを得ることができた……ありがとう、鮭ひろし! みんなも見つけたら試してみてね!
執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.