いよいよ週末に迫った「コミックマーケット102」。現状では台風が直撃して暴風雨に見舞われるか、台風がそれて猛暑に見舞われるかという地獄みたいな2択。
ほど良く曇って、ミストシャワー程度に小雨が降って、風も吹いて、いい感じに涼しい……みたいなことになってくれねぇかなぁと思うが、たぶんそうはならないのだろう。
暴風雨コースはどうしようもないが、猛暑コースは対策で耐えられる。そこで、毎年10キロ超えの機材を背負って全日程に参加し、開会から閉会まで直射日光に晒されてなお、元気に生還し続けている当サイトのコミケ取材班が行きついた、ガチな夏コミ用装備を紹介しようと思う。
・総勢1名
ちなみに取材班とは名ばかりで、総勢1名! 私だけだ。C94までは別の誰かが取材していたが、C95以降は夏も冬も全て私が担当している。
当サイトのコミケ記事はコスプレがメイン。当日は、基本的にずっとどこか屋外のコスプレエリアで撮影し続けている。だいたい開会直後は庭園エリア(今年は無いもよう)で、屋上がオープンしたらそっちに移動するのが定番の流れだ。
何にせよ、コミケ取材は6時間近く直射日光下で立ち続ける仕事ゆえに、暑さと疲労対策が必須となるが、何だかんだであるスタイルに行きつき、ここ数回の夏コミはずっと同じで通している。
・ミレーの網
まずは一番重要なアイテムから。ミレーというブランドの「ドライナミックメッシュ」というインナーだ! マジで神。必須。
夏コミ取材の何が辛いのか? 暑さやダルさ、荷物の重さ、人混み、色々あるが、何だかんだで最もストレスになるのは暑さと汗であると行きついた。
暑さは、ぶっちゃけどうにもならない。ハンディファンやらネッククーラーも試したが、荷物が増えただけで何の役にも立たなかった。
ファンのついた「ファン付きウェア」が無力なのは実験済み。なので、暑いのは精神力で耐えるしかないというのが私の結論。しかし汗による不快感から来るストレスはどうにかできる。
この「ドライナミックメッシュ」は、ガチな登山家たちが着用する汗対策アイテム。何が凄いって、どれだけ汗をかこうが、何ならゲリラ豪雨に降られようが、素肌が濡れている感覚がほとんど無くなるのだ……!
仕組みとしては、網が皮膚表面から汗や水を吸い上げて、外側に追いやってくれるというもの。汗をかいている実感が無くなるので、汗によるストレスからの疲労が霧散する。お値段するけど、こいつは本気でおススメ。
・速乾吸収の長袖インナー
ただし、このミレーの網は、表面から外に汗を吸い上げるだけのもの。これ単体だと飽和してしまう。そこで、速乾吸収のインナーを網の上に着るのだ!
私はアンダーアーマーのヒートギアを愛用しているが、ワコールのCW-Xとか色々あると思うので、ちゃんとしたものなら何でもいいと思う。
かいた汗を片っ端からミレーの網が吸い上げ、速乾吸収インナーが爆速で乾かしてくれ、気化熱の仕組みでちょっと涼しい。そういうコンボがここに成立する!!
この上には、普通に薄手のシャツとかを着ている。このシャツは速攻でびしょ濡れになるが、網と速乾吸収インナーに守られたボディへの影響は無い。
体の表面が濡れている、あるいは濡れたものが付着しているという状況から脱することができるので、帰りの電車の冷房で冷えるということも無くなる。
ちなみに、ミレーの網無しに直で速乾吸収インナーだと、濡れて張り付いてイライラする。網を着て、その上から速乾吸収インナーを重ね着すると、マジで強すぎて感動するぞ!
ちなみに日焼けによるエグいダメージと、ネトついた腕が触れ合うのが嫌なので、UVカット効果のある長袖タイプを愛用している。
日焼け止めは、塗っても秒で流れ落ちてコスパが悪い。お高い「アネッサ」とか使ってみたけど、全然ダメで腕が真っ赤になったし。
・エアリズムは無力
ここで気をつけて頂きたいのが、ユニクロのエアリズムインナーだ。軽くて涼しそうだし、安いしいいかなと思って、この網の上にエアリズムを着たことがあるのだが……夏コミの前には全く無力だった。
すぐに吸収力が死亡。びっちゃびちゃになって、飽和すると全く乾かず。マジで何の役にも立たなかった。確かその時は屋上に移動するタイミングでエアリズムを脱いだので、2時間くらいで限界を迎えたのだと思う。
エアリズムにとって、夏コミ屋外耐久6時間レースは余りにも過酷だった模様。ちゃんとしたメーカーの速乾吸収インナーの、そこそこ高いお値段の理由を実感した体験だった。
・ガッツマンの靴下
最後は足だ! 夏コミの疲労感で、けっこうな割合を占めるのが足周り。立ちっぱなし&歩きっぱなしで足が痛くなるし、靴の中も汗でびっちゃびちゃになってキモいし、水膨れとかできたりする。
そのストレスを限界まで抑えてくれるのが、ガッツマンの靴下の100キロ行軍用だ! 自衛隊員が愛用とかいう売り文句で、かつて本当に一晩で日本橋から江の島まで歩いて実験したのだが、その効果はマジだった。
40キロ行軍用というのもあるが、こいつは汗への対応力が100キロ行軍用より明確に劣る。この実験をした時に、こいつは夏コミに使えるな……と思って使ったら、マジで快適だった。足に水膨れや豆ができることもなくなり、防御力もダンチだ!
・あとはスポドリとか
このスタイルになってから、物理的な筋肉への負荷を除く要素による疲労感がほとんどなくなり、足の痛みからも解放され、帰りの電車での汗冷えで体調不良に陥るパターンも無くなった。
上半身にはガチな登山用品で足元は自衛隊愛用品と、到底行き先が有明とは思えない感じだが、逆に言えば夏コミはそれほど過酷ということ。
あとは言うまでもなく、スポドリ等を3リットルから4リットルほど。しっかり飲み切るくらいが丁度いい。水で行くなら塩分も接種しないとやられるだろう。
また、体臭にも気をつけたいところ。私はちゃんと朝行く前に風呂に入り、全身とシャツに無香料で、汗に対し消臭効果のあるスプレーを吹きかけまくってから行くようにしている。
クソみたいに汗まみれになるのだから、参加者全員クソみたいに臭くなるに決まってるのだ。であれば、なるべく臭いをおさえられるよう全力を尽くすのがスマートな判断。
ということで、これがC96以降、全ての夏コミを開園から閉園まで屋外で過ごし続けた果てにたどり着いた、夏コミ対策装備だ……!
毎年マジでキツいので少しでも楽にならないかと、ネッククーラーとか冷えピタとか、本当に色々と試したが、レギュラー入りしたのはミレーの網インナー、ガチな速乾吸収インナー、そしてガッツマンの靴下の3点のみ。
今年も週末に向けて一式準備してある。ちなみに取材ルートとしては、最初は東の7か8から始めて、12時以降はまた屋上に行くと思う。南1は当日のアクセスのしやすさ次第かなって。
当日はマジにこの装備でウロウロしていると思うので、その辺りでコスプレする予定の皆さん、ご縁がありましたらよろしくお願いします。
執筆:江川資具
Photo:RocketNews24.