同じネットでも日本と海外では見えている世界が違う。日本では流行ってないけれど、英語圏では世界最大とも言われるネット掲示板が『Reddit(レディット)』である。そんなレディットで、日本のある飲食チェーンが話題となっていた

スシローか? はたまた松のやか? それともやよい軒か? ココ壱、ガスト、松屋、吉野家もありえる。日本の飲食チェーンと聞いて、私(中澤)がパッと思い浮かべるのはそんなところなのだが、話題のチェーンはどれとも違った。!? そこですか

・知ってるけど入ったことはない

思わず、そう感じた理由は私が入ったことがなかったからだ。確かに知っているし、なんなら字体の雰囲気まで思い出せる。町を歩いていて見かけたことも1度や2度ではない。でも、1度も入ろうという気になったことがないその飲食チェーンとは……

『京都勝牛』。


そう、牛カツの有名チェーンである。牛カツ屋は一時期雨後の筍くらい乱立したけど、私が入る気になれない理由はなんか高そうだから。いや、シンプルに高いと言うよりも、肉が少ない割に「1500円もするの?」的な高さを感じるのである。

・お手頃価格?

とは言え、入ったことがないからこれは私の勝手なイメージ。実際に食べてみると、むしろこの価格は安いように感じるのかもしれない。レディットの投稿へのコメントでも「最高」とか「クオリティーの割にお手頃価格」という声があがっている。

そこで『京都勝牛』へ行ってみた。常時めっちゃ並んでいるイメージだったが、運が良かったのか行列はない。イメージってあてにならないものだ

・海外観光客の気持ちで考える

メニューを見てみると、おそらく初心者へのオススメは「牛サーロインカツ膳(並税込1639円)」なのだと思われる。1ページ目に載ってるし価格も京都勝牛のメニューでは手頃だ。

他にも、ロース(並税込1749円)、ヒレ(税込2409円)、厚切り牛タン(税込2299円)と色んな種類の牛かつ膳が。で、中でも高いのが「黒毛和牛カツ京玉膳(税込3069円)」。

部位的にはサーロインが好きだが、海外から日本へ旅行に来たツアー者の気持ちになって考えると、価格はいいから和牛を注文したくなる気がする。そこで黒毛和牛カツ京玉膳を注文してみた。言うて3069円だし、海外旅行時のヒャッホー感を考慮すると後悔するほどの価格ではない。来たぜェェェエエエ

・懐石料理っぽさ

お膳にちょっとした懐石料理オーラがあるのはつけダレのせいかと思われる。わさび醤油に山椒塩、牛カツソース、京カレーつけ汁、京玉、みぞれポン酢と6種類もタレがついてくるのだ。

しかも、それだけでは飽き足らず自分で焼く用のミニコンロまで! これが凄い料亭っぽい。店員さんに聞いてみたところ、牛かつは「そのままもいけるし、好みで焼いてください」とのこと。その好みがワカラナイんだYOOOOOOOO!!

・個人的ベストな食べ方

一体どうやって食べるのが一番ウマイんだ!? 自由度が高すぎてビビってしまったので1つ1つ試してみた。で、全部試した結果、個人的にベストだと思ったお膳の食べ方がこちら。


まず、京カレーつけ汁はご飯にかける。


京玉はそのまま食べる。


牛カツは両面を少し炙りーの……


山椒塩


最後に、みぞれポン酢を食べて口の中をスッキリさせる。

牛カツはそのままいくよりも、少し炙った方が肉の旨みが感じられた。その素材の味を一番いかせるのが山椒塩。肉の味を引き締めてくれて牛肉の調味料としてかなりアリ。ピリッとするところもYummyデスネ。

・感じた魅力

きっとこういう自分だけの食べ方が模索できるところも魅力なのだろう。ただ食べるよりもエンタメ性があるというか。それでいて、前述の通り、日本オーラが視覚的にも分かりやすい

個人的には普段食べるのであれば全く手頃とは思わないが、そういった諸々を考慮すると、「確かに外国人用のツアーについてる晩飯よりは遥かに手頃だな」と思った。麻布の高級寿司屋とかが組み込まれていたりするしな。要は、視覚的な楽しみがある料理の中では安めなのである

というわけで、ちょっとお高めなイメージがあった牛カツだが、「好き」という人の気持ちはなんとなく理解できた気がした。

ちなみに、牛カツ屋を何軒も回っている佐藤英典記者にオススメを聞いてみたところ、「まあ、『もと村』が無難じゃないか?」との答え。『もと村』もまた何店舗も展開されているチェーン店なので、牛カツに興味がある人は併せてチェックしてみてくれ。

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.