この世には、自分とソックリな人が2人いると言われている。あれは多分本当だと思う。なぜなら、吉野家の10年ぶりの新業態「かるびのとりこ」と似ている他社のお店が2つもあったからだ!
ひとつはすでに紹介している「焼きたてのかるび」である。そしてもうひとつは、カルビ丼とスン豆腐の店「韓丼」だ。この3つの異なるお店は本当によく似ている。
だから、やっぱり自分とソックリな人は、この世に2人はいると思うんだよ! うん。
・韓丼に行け
本稿では3つの異なるカルビ丼のお店について触れるので、わかりやすく「かるびのとりこ = トリコ」「焼きたてのかるび = 焼きたて」「韓丼 = 韓」と表記したいと思う。
さて、最初にトリコを紹介した時に、私(佐藤)は、元祖焼き牛丼の「東京チカラめし」に似ていると紹介した。そうしたところ、読者から相次いでこんなコメントが寄せられた。
「いや、韓丼に似てる」
「チカラめしより韓丼でしょ」
「韓丼に行ってみてください」
そうか、そりゃ、確認せないかん! っつうことで、今回埼玉・東大宮のお店を訪ねたのである。実際にお店に行き、外観を目にした瞬間、「たしかに似てる……」となった。
3つのお店の外観を見比べると、まるで統一されたかのように3店舗とも黒。「カルビ丼専門店は外観を黒にしなければならない」という取り決めでもあるのだろうか……。
韓丼の運営会社は京都に本社を置く「株式会社やる気」だ。焼肉店として創業した同社は、2010年に韓丼1号店を京都の伏見にオープンしている。焼きたては2021年8月、愛知県豊橋市に1号店をオープンした。そしてそれから約2年後にトリコが誕生しているのだ。
ということは、韓丼はカルビ丼チェーンのロールモデルになっている可能性も考えられる。
・提供3分
メニューを見ると、主力はカルビ丼と焼肉丼。そのほかハラミやタン・豚トロ・鶏ももなど、扱っている肉種は豊富だ。
それからスン豆腐に鉄板焼き、から揚げやヤンニョムチキン、ビビンバまであって、品数も多い。手軽に韓国の味を楽しめる、 “丼のファストフード” といったところだろうか。
ここも焼きたてやトリコと同様にオールセルフである。入店してまずは券売機で食券を購入する。
それをキッチンに手渡しして、出来上がるのを待つことになる。キッチンがとても近いので、肉の焼き上がる様子を間近で見ることができるぞ。
呼び出しはフードコートでお馴染みのベルだ。着席して水を飲みつつ、スマホでも見るか……、と思ったらいきなりベルが鳴った。出来るの早いな! コレは同社の掲げる「提供3分」に基づいているからだろう。鬼のように早い。
・味はやっぱりトリコかも
注文したのは、「温玉カルビ丼」(大盛り 税込980円)の「サラダセット」(スープ付き 税込180円)である。
参考までに、ほぼ同一の内容で価格を比較しておくとこうなる。
トリコ 税込1180円 ねぎ玉牛かるび丼(大盛り890円) + 白菜の浅漬けセット(お吸い物付き 190円)
焼きたて 税込1310円 「ねぎ玉カルビ丼(大)」(830円) + 「Bセット」(たっぷり野菜スープ小 290円)、「和風サラダ」(190円)
韓 税込1160円 温玉カルビ丼(大盛り 980円) + サラダセット(スープ付き 180円)
カルビ丼に使用している肉は、焼きたてと同じくスライスだ。熟成醤油を使った生ダレが肉にまんべんなくかかっている。
3つの丼の見た目を比較すると、肉は断然トリコがいい。大ぶりで厚みがあって、食べた時の肉感の強さは今でも思い出せるほどしっかりしていた。やっぱりスライス肉はちょっと貧相に見えちゃんだよねえ。
カルビの上に温玉をオン!
しっかりかき混ぜて頂く。肉の味よりもタレの印象の方が強いかな。タレは手作りでその製法は秘伝なのだとか。ほのかな辛味があって、ひと口食べたらクセになる旨味がある。
肉は網焼きだけど、トリコ・焼きたてほどスモーキーさはないかな。脂がしっかり切れているので、割とサッパリとした食べ応えである。
カルビ丼を扱う見た目の似た3つのお店だけど、味は全然違っていた。好みの分かれるところだが、それぞれに良さがあるので、機会があれば食べ比べて頂きたい。
ひょっとしてこれからカルビ丼ブームは来るのだろうか? 3つのお店が切磋琢磨して、より美味しい商品を作ってくれることを願っている。
・今回訪問した店舗の情報
店名 韓丼 東大宮店
住所 埼玉県さいたま市見沼区東大宮7丁目52-4
時間 11:00~23:30(L.O.23:00)